第4話


家に帰って父さんに今日のことを聞いた。


「オレたち悟堂家は心の声を聴く能力がある。これは文字ではなく声になっているものしか受け付けないんだ。もともと超能力でなく、感受性の高さが遺伝していくうちに高まったものだからな。」


とのこと。道理で聞こえない訳だ。



 次の日学校に行くと、彼女はもう人気者だった。

クラスはびっくりするくらい静かだった。でも文字で書きながら心の声は聞こえてくる。


(すきなものは?)

(すきないろは?)

(どうしてこようとおもったの?)


(なんできこえないの?)

「それはダメ。消して。」


いいクラスだ。自分も混ざろう。




好きな言葉は?


ことば




これが最初のコミュニケーションだった。

なんか、すごいグッと来た。




その日の帰り、ふとこんな会話を耳にした。


「すっかり人気者になっちゃって。(ちょうしにのってんじゃないでしょうね)」

「すごい楽しそうだったね(きこえないくせに)」

「聞こえないなら(わるぐちいってもなにいってもばれねーから)平気じゃね?」

「バカ、周りがわかったら伝わるだろ」

「みんな(うちにビビって)そんなことしないよ」



あいつらサトリか?よく会話成り立ってんな。

まぁ、実害ないなら黙ってるが吉だな。

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