第3話 スライム討伐

街の外でスライムを探す


「クオンくんはその木刀で戦うの?」

心配そうにニーナに聞かれる


当たり前だ、ゲームでも武器で木刀はあったけどネタ装備でしかなかった。


「違うよ。水魔法が使えるからウォーターボールをぶつけて戦うよ。でも何発も一気に使えないから、護身用に木刀をもってるだけだよ」


「そっか、よかった」


安定して戦う為にもレベルを上げるか、何か装備が欲しいな。


昨日測ったら、MPは20分で1回復した。

ゲームと同じかもしれない。ゲームだと1分につき最大MPの1%が回復した。今の最大は5なので20分で1回復するのは同じだ。レベルが上がればわかるだろう。


「ニーナはどうやって戦うの?」


「私はこれだよ」

ニーナは短剣を見せる


意外にも超近接戦のスタイルのようだ


「回避に自信があるの?」


「本当は剣と盾がいいんだけど、お金が足りなくてね。低いランクの内はナイフで我慢かな」


悲しい理由だった

「そうなんだ、早くお金が貯まるといいね」


「うん」


僕達は歩き回ってスライムを見つける


「魔力切れでも戦えるか知りたいから僕が戦っていい?」


「いいよ、気をつけてね」


僕は木刀でスライムと戦う


木の棒と違って尖っているからか、ある程度のダメージは与えているようだ。

少し苦戦しながらも倒すことが出来た


相手がスライムなら魔力が切れてもなんとか倒せるな


「あれ、スライムは?」


「回収したよ」


「一瞬で消えたように見えたけど……」


もしかしたら、転移した僕達だけ魔物を倒すとアイテムがドロップするのかな?


「……僕のスキルでね。内緒にしててね。ちなみにニーナは素材をどうやって回収するの?」


「そうなんだ、羨ましいな。私はスライムならそのまま袋に詰めるかな。一応、スライムゼリーとして買い取ってくれるよ。買取額も安いからそのまま捨てることの方が多いけど。ゴブリンとかならナイフで解体して必要な所だけ回収して後は燃やすよ。他の魔物が寄ってきちゃうからね」

やっぱり、他の人は普通に解体しないといけないんだね。


「そうだよね。驚かせてごめんね」


「大丈夫だよ。便利そうだし回収は任せてもいいかな?」


「いいよ」


引き続きスライムを探す。

次に見つけたスライムはニーナが倒した


僕はニーナが倒したスライムに近づく。


僕が倒さないとドロップ品には変わらないのか……

僕はスライムに触る。


アイテム欄にはスライムの表示が追加された


回収してもスライムのままだ


検証する必要がありそうだ


次のスライムはニーナと2人で倒す。トドメは僕が刺した。

スライムは消えて、アイテム欄にスライムの魔核が追加される。

今まではスライムゼリーばかりだったのでレアドロップかもしれない。


次のスライムもニーナと2人で倒したけど、トドメはニーナが刺した。

スライムは消えて、スライムゼリーが追加される


さらに次のスライムは僕が気持ち攻撃して、ほとんどをニーナが1人で戦う。

スライムは消えずに残った


基準はわからないけど、僕がある程度戦闘に参加すると、スライムは消えてドロップ品を落とすようだ。


「変なことに付き合わせてごめんね。もう大丈夫だよ」


「何が知りたかったかはわからないけど、もういいの?」


「うん、知りたいことは大体わかったから。ありがとう」


スライムのドロップ品を集めているわけではないので、ここからは普通に戦う。

僕は水魔法でスライムを倒す。


スライムを10匹ほど倒した所でレベルが上がった。

ステータスは何も変わらず、パラメータポイントとスキルポイントは両方とも10増えていた。


僕はポイントを振り分ける。

MPを10まで上げてSTRにも振り分けた。

たまには筋力も上げないと、近寄られた時に何も出来なくなるからね


スキルポイントは迷ったけど、火魔法を取得した。

ファイアーボールを使用可能に設定する


僕は力を試しつつスライムを倒す。


ニーナには火魔法も使える事を驚かれた。

MPの回復は10分に1回復になったので1分ごとに1%回復で合っているだろう。

今後もMPは上げていく必要が高そうだ


ニーナと話していてもう一つわかった事がある。

普通、水魔法が使えるなら水をチョロチョロと出したり、ウォーターボールでも威力を変えることが出来るようだ。

僕はウォーターボールしか出来ないし、威力も固定されている。INTに依存しているのだ。


こっちの世界の人と、転移してきた僕達とではシステムが違うらしい。

これに関しては利便性に欠ける。

そもそも、水魔法は給水にも使えると思って習得したのに……

あまり人に知られるのは良くないかも知れない。

目立つのは危険だろう


スライムを合計20匹倒し終えたので、街に戻りギルドで報告する。


報酬は銅貨2枚の20Gだ。

スライム1匹で1Gか。だれでも倒せそうだししょうがないか。


スライムゼリー19個とスライムの魔核も買い取ってもらう。

スライムゼリーは全部でおまけしてもらい銭貨2枚で2G、スライムの魔核は銅貨1枚で買い取ってもらう。

稼ぎは全部で32Gだ。


ニーナに16G分で銅貨1枚と銭貨6枚を渡す。

多いのか少ないのかはわからないけど、多分1日の稼ぎとしては少ないだろう。


「明日はどうする?」

ニーナに聞かれる


「ニーナが大丈夫なら僕は行けるよ。とりあえずGランクから脱出したいね」


「うん、それじゃあまた明日も同じ時間でいいかな?」


「いいよ。明日は出来るなら2つ依頼達成したいね。」


「なら、先に依頼だけ受けちゃおうか。朝は混むから、今のうちに依頼受けとけば結構時間短縮出来るよ」


「そうしよう」


僕達はボードから依頼を探す。

基本的にGランクは簡単なものしかない。

チュートリアルだな


「明日もスライムにする?それとも薬草集める?他のでもいいけど…」


ゴブリン討伐とかもあるけど、討伐系ならスライムが一番効率が良い。ゴブリンも簡単に倒せるらしいけど、森の中にいる為探すのが難しい。しかも他の魔物と遭遇する危険もある。


あとは、ウルフ討伐も悪くはない。1匹で達成になる。ただし群れに会ったらヤバい。報酬は肉の買取額が高いのでおいしい。


ウルフを9匹倒せれば依頼達成も9件になる。

リスクを負うだけのメリットはある


なんとかウルフの群れを倒す方法はないかな……


「スライム倒しながら薬草も探すのはどうかな?今日もスライム探して歩いてる時、それらしき草があったし」

僕は危険を冒さない。ゲームならウルフ討伐にするかもだけど……


「それがいいね。そうしよう」


僕達は受付に並ぶ


「斉藤くん」


「何?」

僕はニーナに聞く


「え?」

ニーナは呼んで無いようだ


「ん?斉藤?」

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