その地区で、昔から続く葬祭の儀礼。長閑な田園風景と、しめやかな延べ送り。だが、物語を生きる人々の日々の慎ましやかな生活が、そして温かな日常が一変する。 葬礼の儀は一体《何》だったのか。次第に容貌を変えて行く 恐怖の正体 が静かに、だが着実に日常を蝕んでゆく。単なるパニックホラーでは決してない。この物語を生きる人々の、丁寧な生活や心理状況は、まさに読んでいて時折、はっとする。 圧巻の終章、そして…。呼吸する事を、努々忘れてはならない。