第4話
「映像なら危険はないっていう認識でいい?」
梓の言葉に厚彦が戸惑ったように目を見開く。
「でも俺、触れることはできるぞ?」
「触らないって約束して」
ピシャリと言われて厚彦は首を縮めた。
それから梓は大きなダンボールを何個か自室へと持って上がった。
「それ、どうするつもりだ?」
「仕切りにするの」
梓は短く答えてガムテープでダンボールを張り合わせて行く。
こんなことで空間を分けてもあまり意味はないかもしれない。
だけど、厚彦に寝顔を見られるよりはマシだった。
「できた!」
ダンボールでできた即席の仕切りに梓はホッとする。
同時に吹っ飛んでいた眠気が舞い戻ってきた。
「あたし、もう寝るから」
ダンボールの向こうにいる厚彦へ声をかけてベッドにもぐり込む。
するとほんの数分のうちに寝息が聞こえ始めたのだった。
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