第十七話☆ツンデレ
なんか沢山いる魔王。勇者の存在。人間について。そして、私は人間じゃないらしい。
じゃあ、私は一体何…?
私にとっては考えるべき事が多すぎる…。
うん。一度頭を真っ白にしてみよう。だって分からないもん。
頭を真っ白に。一から考えてみよう。
そんな事を考えながら、ぼーっと目の前を見ると、レアと目があった。
レアは何?と言うかのように首をほんの少し傾げる。
そういえば、最初に会った時、レアはすっごくおしゃべりな子のイメージがあった。私が話す隙が無いくらいに。口が止まらないってこの事なんだって思ってた。
今は少し違うな。私の返事もゆっくり待ってくれる。
初対面の時は緊張しちゃっておしゃべりになるのかな?それで、今は慣れたって感じかな?
えっへへ、このぉ!可愛い奴めっ!
パチンッ
「いだっ!!な、なに!?」
突然レアにデコピンされ、私は思わず大きな声を出す。
デコピンでパチンッ、って効果音鳴るのっ!?
あんな小さい手をしてるくせに、デコピンは普通に痛い。デコピンの魔法とか使ってるのかな。後で教えてもらおう。
「わ、私ったら、つい!だって、私のこと見ながらニヤニヤしてたんだもの。なんかこう…ゾワッてしたのよ。そう、ゾワッて。」
おっと。気付かぬうちに私はニヤニヤしていたらしい。レアは悪くないなぁ。
「……ごめん。ちょっと、レアのこと考えてた。」
レアは一瞬目を見開いた後、少し顔を赤らめ、プイッと後ろを向いてしまう。
「ま、まぁ、仕方ないわね!私はとっても可愛いもの!でも、さっきの顔は少しキ…いえ、周りの人が引いてしまうからやめた方がいいわね。」
ん?今、キモいって言おうとしたよね。まぁ、いいか。
ほう…。これが本物のツンデレってやつか。
ツンデレ。素晴らしい。実に良いッッッ!
精神年齢が少しおっさんみたいになった気がする…。もう、考えるのはやめよう。
「それでさ、私って人間じゃないの?」
私は話題を無理やり180度変える。
「え?えっと、うん。そうよ。ちゃんと自分のステータスを確認してみなさいよ。」
レアは戸惑いつつも私の質問にしっかりと答えてくれた。
しみじみ、優しいな、と感じる。
私は深呼吸して、気持ちを整えてから、唱えた。
「ステータスオープン。」
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