第十五話☆綿花パート2


とりあえず、2階の私の隣の部屋に女の子を運んだ。


布団も何も無いため、ベッドの骨組みの上にレアにたくさん大きな葉っぱを敷いてもらった。


上にも葉っぱを掛ける。


…よく寝てるなぁ…よっぽど疲れているのかな


細身の少女はぐっすり眠っていた。表情は穏やかとは言えない。何かに追われていたのだろうか。


薄汚れているが、肩まで伸びたピンクブロンドの髪を持ち、顔立ちは幼い。12.3才くらいに見える。


こんな鬱蒼とした森の中に来たんだ。この少女に何か事情があるのは確か。


そして、もう一つ重要なことが。


看病する道具がまだ全然揃ってないんですけど…!!!


目覚めた後、お風呂に入ったら?って言いたいけど、バスタオルもないし!ご飯は全然美味しく無いだろうし…


と、とりあえず、綿花落ちてないか確認して、布を量産しなきゃ!着替えを作ってあげなきゃ!


少女の服はもうボロボロだった。


あぁ、私の服はいつになったら作れるのだろうか…。


私は急いで綿花のキリとニナが日光浴している部屋に走って行った。


「キリ!ニナ!綿花ある???」


ドアを勢いよく開けて、キリとニナの様子を確認する。


二人の足元にはまた4束の綿花が落ちていた。


「お!ありがとう!!」


私はその落ちた綿花を手に持った。


「あれ…?これって植物だよね?これだけレアに出してもらうことって出来ないのかな?」


ん?私凄いことに気づいちゃったかも。綿花、という生物(?)を出してもらい、頭に乗った綿花が落ちるのを待つより、綿花自体をレアから出して貰えばいいのでは…?


「レアー!!」


私は謎の少女を運んだ後、まだその部屋にいるであろうレアを呼ぶために大声を出した。


「なぁに?」


「わぁ!!びっくりした!向こうの部屋にいたんじゃ無いの??」


レアの声が真後ろから聞こえ、かなり驚く。


「あぁ、私はリリィの眷属だからね。名前を呼ばれたら、どこにいてもすぐ近くに行けるのよ。」


「へぇ〜、そうなんだ。あ、そうだ。この綿花自体を出してもらうことってできるの?」


「あら!私を誰だと思ってるの?そんなこと朝飯前よ!!」


「わぁ!嬉しい!」


う、嬉しいんだけど、もうちょっと早く言ってよ…!キリとニナが綿花を出してくれるまで待ってた意味がないじゃん!


レアがパチンっと指を鳴らす。


次の瞬間、目の前に大量の綿花が現れた。


「ありがとう!!これで布が作れる!!」


そして、私はレアが魔法を使ってる様子を見て、ある事に気づく。


「ねぇ、女の子を運んでる時はどうやって運んでたの?レアって緑の妖精だから植物に関する魔法しか使えないんじゃなかったっけ?」

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