第十二話☆ご飯


「あ、当たった!!」


私の放った魔法が鳥に当たる。鳥は一瞬逃げようと羽を動かしたが、うまくバランスが取れず、地面に落ちていった。


動物の命を奪うのは初めてだ。でも、罪悪感は感じなかった。


生きるために必要なことだもの。


歩いて、鳥の落ちた場所に向かう。


鳥は地面で飛べずに羽を一生懸命動かしていた。


「…ごめんね。あなたの命、大切にするよ。」


私はこれ以上苦しめないように、首を狙い、もう一度鳥に魔法を放つ。


「やっと一匹ね!!初日にしては上出来なんじゃない??さ、解体しましょう!」


「え、どうやって…?ナイフとかないんだけど…」


「あぁ、安心なさい!4級魔法の中に解体の魔法があるのよ!何回か私がやっているのを見れば、あなたも習得できるはずよ!」


「え!魔法って見たら習得できるの??」


誰かがやってるのを見るだけで習得できるなんて!便利…!!


「双方の合意の上だけどね。

それと、魔法の難易度と、本人の素質によって習得できるか決まるわ。4級までの魔法だったら、頑張ればできるわよ。」


「な、なるほど…!解体の魔法、教・え・て・!!」


「い・い・わ・!」



ブゥン


「わぁっ!」


目の前にいきなりステータス表示のような透明な板が現れる。



“緑の妖精レアから解体ディセクションを学びますか?“



「…はい」


とりあえず返事しといたけど…。


「…?何?どうしたのよ?」


「え、解体を学びますか?って出てきてたから」


「…なんの話?」


「あれ…?んー、なんでもない」


普通は出ないのかな?…まぁ、いいか。


「ふーん。まぁ、いいわ。よぉく、見てなさいよ?ディセクション!」


レアが手のひらをバッと出し、魔法を唱える。


家を造るときには魔法陣がたくさん出ていたのに、普段はいらないのだろうか…?


鳥の姿が一瞬光り、次の瞬間には綺麗に解体が完了されていた。


「ほんっと便利よね。血抜きとかもやってくれるもの。今日はもう帰りましょうか。続きはまた明日ね。」


「うん。そうしようか。」


ちょうど、少し疲れたな、と思っていたところだ。ありがたい。


お肉と化した鳥を抱え、家に向かって歩く。


カバンを作る方が先かなぁ。


ぼーっと考えていると、あっという間に家に着いた。


「よぉし!ご飯を作るぞー!!レア!きのことお野菜出して!!」


「えぇ、任せなさい。」


野菜炒めとかも作りたいな!お肉はどうしようかな。


なんて考えていると、私は大事なことに気づく。


「…あれ?フライパン…。調味料って…あ…あれ?」



快適なスローライフはまだまだ先になりそうだ。

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