17.エレベーターで社内恋愛中の彼と
エレベーターで遭遇した秘密の社内恋愛中の彼。
「おつかれさま」
「おつかれ」
言葉を交わして降りる階のボタンを押してドアを閉める。
「なぁ、今夜暇? 飯でも行かね?」
「いいね、行きたい。あ、じゃあこの前話してたとこ行こうよ」
「おっけ。んじゃ、終わったらいつものとこに待ち合わせな」
社内の人には気づかれないよう待ち合わせ場所はいつも会社から少し離れた場所。別に社内恋愛が禁止な訳でもないしバレたらダメな訳じゃないけれど、やっぱり付き合ってると知れるとやりにくいこともある。それに、秘密の社内恋愛はほんの少し普通の恋愛とは違うドキドキを味わえて楽しい。
「なぁ」
「え──ん……」
呼ばれて顔を上げると触れた唇。それが離れていってエレベーターが止まった。
「また夜にな」
そう言って開いたドアから出ていく彼と入れ替わりで別の人達が乗ってくる。
気づかれたらどうするつもりだったのだろうかと閉まるドアを睨むけれど、私の顔はきっと赤いんだろう。
「ばか……」
私は誰にも聞こえないほど小さな声でボソリと呟いた。
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