《同題異話 5月号》

『叫んで五月雨、金の雨。』

 今年度は交代で開催することになった同題異話。5、9、10、12、2月は、私が主催をさせていただきます。

 せっかくなので、どうしてこのタイトルにしたかと、自作語りをしようかな……と思います。

 企画URL:https://kakuyomu.jp/user_events/16816927862994532797

 自作URL:https://kakuyomu.jp/works/16816927862995702955


 今回、初めての同題異話主催に際して、実はいろいろ案を考えました。計15点!

 もったいない(?)ので、お披露目します!


 まず、速攻ボツにした12点。

・さっきは後ろにいた配下。

・山下、おむすび喰ったって!

・五月雨式に探して果てる

・佐々木の下では私がウマって言う。

・喰うより叫べ、蝸牛。

・霧の向こうのお前とパピー

・ピンポンとムラムラしてる黄色

・五が強いのは気のせい。

・#さっき見た人は私になる。嫌なら五寸釘

・#見たら私のいいねこになる。サツキなら絶対。

・#5月なので、いいねこになる。

・#豆汁が強いせいで私の君のいいねこ。


「#」がついているのはTwitterで宣伝したときにハッシュタグになるので良いかな?と思ってやりました。「いいねこ」という単語も「いいね」と空目して、興味を引くんじゃないかという思惑だったり……


 とはいえ、どれも難しすぎる……。みんなに参加して貰えないでしょ!絶対!

 ……と思って、この12点はやめました。


 その後、候補として、思いついたのは、

・#|豆汁が強いとき、雨が降る。

豆汁」と二文字で一音なことと、「ごがつ」という音が入るのが面白いかな?と考えていました。ただ、それでも難しすぎる。

 一応、自分で書くなら"テキトーな天気予報をSNSで始めた少年の話"を書くつもりにしていました。


 でも、やっぱりボツ……!


 せめて、何か5月らしい言葉は使いたい。

 5月といえば、ゴールデンウィーク。あと、梅雨が近い!つまり、雨!

 それから、三題噺のように三つのお題があると書きやすいかもしれない……。


 そうして、生まれたのが下の二つです。

叫んで五月雨、金も降れ。

叫ぶ五月雨、金の雨。

「叫ぶ」は、何かエモい話にしやすいかな?と思ってつけました。ただ「叫んで」の方が「五月雨」と相性が良いと感じたので、「叫んで」に……!

 最後、「も降れ」にするか、「の雨」にするか……。字面的には「降れ」がいいし、「の」より「も」の方が意味を込められる気がして、好きなのです。

 でも、「の雨」の方が、「金色」、「貨幣」、「貴金属」といろんな意味にとれます。

 ――と、こんな感じに散々迷った結果、

『叫んで五月雨、金の雨。』としたわけですが、みなさんのお話読ませてもらって、これでよかったと思っています。期待どおり、いろんな雨を読ませていただきました。


 そして、私自身のお話。「大して叫んでないし、雨も降ってないじゃないか!」と思われたかと思います。

 ここから、少し自作語りを……。


 あれは平和な高校生活を描いたお話です。ダラダラと穏やかで、ずっと続くかのような青春のひととき。嫌なこともありますが、彼らの人生の中では紛れもなく幸せな時間。

 これが「五月雨」です。じっとりと雨が降り続ける世界は、不快であっても平和だと思うのです。

 ただ、それだけでは少し物足りなく思いました。

 ――それなら、それを引き立てるために、何か他の要素を入れよう……「叫ぶ」といえば、ロックバンド……軽音部にしようか……でも、バンドのことはあまり知らないし……


 そこで、ふと思い出したのが、青空のない世界を書いたSF、『白の世界を夢に見て』。白い空に「金の雨」は合いそうだな……と。

(※作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16816700428156853729


 これは夢オチだったのですけど、"ただの妄想"と"旅の思い出"の二通りの解釈ができる状態にあります。シリーズにしていて、"ただの妄想"の世界の話はもういくつか書いてました。

 ただ、『グレイクラウド』の設定は少し気に入ってまして……。

 せっかくなので、今、使おう!と思い立ちました。つまり、これは"思い出"だった世界での続編。0話はアキの独白になります。

 とはいえ、これは独立した短編として成立させておくべきと考え、0話が"前作との繋ぎ"、1話が本編、2話が設定解説兼"金のナノマシン"が降る場面……という構成にしました。なので、きっとあちらを読まなくても、大丈夫ではないでしょうか。

 ただ、あのハルとアキの世界のあと。何も知らずに過ごしている高校生たちの穏やかな日々。きっとそれを私は書きたかったのです。

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