『棘々と輝く君は僕を映す』
喫茶店での男の子の話です。
自主企画『性癖小説選手権』参加三作目。
作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16816927862131174230/
自主企画URL:https://kakuyomu.jp/user_events/16816927862082186617
講評URL:https://note.com/dekai3/n/nf28a2e4a75d8
今回、上記の
自分とたくさん向き合って考えたのですが、それはここで書いても面白くないと思うので、作品の解説的なあとがきをします。
この作品は【≪喫茶店に転がり込んできた魔法使いの男の子と出会った少年が、彼と共に故郷を滅ぼした魔法使いの少女を追う≫という話と見せかけて、実は少年の書いた物語だった……のか?】というお話。
単なる作中作なのか、彼の『
どちらかによって、彼の心情は大きく変わるのですが、それは読んだ人の解釈によっていろいろあればいいなと思います。
そういう本編外への広がりが私は好きで、今回、以下の三作とのクロスオーバーもやりました。
①の女性が隣の席の淡い髪の女性で、②の仲良し二人が今作のタツキとヨウコです。大ガエルは『青い彼』と同一かはさだかではありませんが、どちらもベルツノガエルです。
①ではあまり詳しく触れなかった女性や『青い彼』の容姿に触れていたり、○の存在を知らないと分からないネタを込めていたりします。(『死ねない』のに作中では死ぬ。/『蛇』なのに『蛙』に殺される。/主人公にリンゴを食べさせる。)
……よく考えると、○の中でメルさんの名前を出していないので、私が言わないと分かるわけがないとも言えるのですけど。(これを書いている今、そのことに気づきました。でも、紹介文にも書いてるので、気づいてくれる人もいる可能性は……)
また、他にも気づかれにくいネタをいろいろとやっています。
ひとつは色です。
陰陽五行説で元素や季節、人生に色を対応させる考えがありまして、私は自作でそれをよく取り入れます。青、
今作でも、時の流れや気持ちの変化を意識して扱いました。
あと、章タイトル。『紙上の幸福』は『至上』のもじり。喫茶店のBGMがランゲの「幸福」という裏設定があります。
『月』は空を意識したお話なので、使ってみました。よく聴く旧暦表記『卯月』、『長月』に加えて、『
まず『空木』ですが、これは『卯月』と同じ場面に戻ったことを指しています。『卯月』は「
次に『玄月』。これは9月の異名なので『長月』と同じ。話が繋がっているのと、前述の色のネタでこれを選びました。
そして、『無月』。これは雨や雲で月が見えないことです。
この幕間は、自己否定する内面のぐちゃぐちゃを描いています。ヨウコの気持ちで、隣の席の女性の気持ちで、語り手の彼の気持ちです。タツキやショウにも、もしかしたら、少しくらいはあるかもしれない。そういう心の奥底の気持ちです。
心の底から叫ぶSOSでもあるんですが、決して表に出てこないし、相手に伝わることはない。私はそういうのが魅力的だと思うので、章題に『
……改めてあやふやな部分が多い話だったなと思っています。語り手とショウが同一人物かどうかさだかでないし、喫茶店の隣の女性は謎(物語が綴られる始まるキッカケなんですけど、作中作がフィクションならヨウコと同一人物ということあるかなって思ってます)だし……。
私は、ふわっとした話が好きというのもあるのですが、結局『傍観者』なので続きを書かないとどういうことなのか、ハッキリ分からないのです。
それでも、私にとっては好きなものに仕上がったので、楽しんでくれる人がいたら嬉しく思います。
☆以下、性癖小説選手権に参加した自作3つに明示した性癖一覧リストです。分かりやすいように、数字を振っています。
この三作目にはほぼ全ての性癖を詰め込みました。
後ろの括弧内の数字は一作目と二作目どちらの作品の性癖かを表しています。数字の無いものが三作目から入れた性癖です。
また、※印をつけている性癖4と5は三作目には入れていません。代わりに6を入れました。
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