~ 第8話 過去の罪 ② ~

「叩くことは、ないじゃん。」

頭をわざとらしくさすりながら文句を言う武流君。

「武流君が馬鹿なことをするからでしょうが!!」

そう言う私に武流君は、心底驚いた顔をする。


「失敬な俺のどこがバカだというのさ。」


「あなた、今日の英語の授業中にしたことを忘れたの?」


「今日の英語の授業中?」



    ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「星空~、今は、電子辞書使う時間じゃないやろうが~さっさとしまえ。」


「は~い」

そう言いながらもいっこうに止めない星空に先生は、星空が座っている席に近づいて電子辞書を取り上げる。


「あっ」


「先生は、止めろ言っただろうが一旦没取なこれ。」


「え~、返してくださいよ。それ」

電子辞書を取り上げられて文句を言う星空。


「それなら、何か言うことがあるやろうが」


その時、先生がたまたま電子辞書のどこかさわったらしく静まり返っている教室に電子辞書から音声が響く。


「sorry sorry sorry」


「「・・・・・」」


色々な意味で静まり返る教室。


「ほら、先生電子辞書も謝っているので返してもらえませんか?」



この後電子辞書は、返ってきませんでした。



   ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「・・・・・あれ、自分悪くないもん。」


「その言葉ちゃんと私の目を見て言ってくれる?」


頑なに目を会わせようとしない武流君と目を会わせようとする私の謎の攻防が始まる。


武流君とジャレアッテいると武流君が急に立ち止まる。


「どうしたの?」


「家、そっちやろ?」


「あっ!本当だ。」

私は自宅へと続く道に向かって走り出す。


「武流君!バイバイーまた、明日」

私の挨拶に武流君も、返事を返す。


この時の私は、明日からあんな風になるなんて想像もしていなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・イジメが始まるなんて。

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コクられたのOKしたらフラれました 最弱帝王 @454519190721

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