~ 第7話 放課後 ~
授業終了を知らせるチャイムが鳴り響き、生徒たちが放課後の遊びに行く約束やこれから部活だろうと思われる運動部たちの騒がしい音と声が廊下に頬を打つように響く。
そんな中校門から、2人の男女が横並びに歩きながら出てきた。
「ーそれださ。ちょっと武流聞いてるの?」
そう言って頬を膨らせながら聞くのは、同じクラスの女子で友達の
茶色に染めたショートボブが似合う十二分美少女と呼ぶのに差し支えない容姿の女の子だ。
「んー。聞いてる聞いてる、それなんだっけ?」
そう言いながらも武流は、読んでる本から顔を上げようしない。
そんな武流にお構いなく梨央は、話の続きを言い始める。
「もー、しっかりしてよね。それで駆君って絶対私のことを好きだと思うんだよね。」
「んー。そうだな。」
「絶対そうよ。最近よく私に話しかけてくるし、一緒に帰ろうとか言ってくるんだよ?
絶対私のことが好きだって。」
自信満々にそう言う梨央に俺は、読んでる本から顔を上げすに質問する。
「梨央は、駆のことがそんなに好きなの?」
「何言ってるの。あり前じゃんだってイケメンで頭も良くてスポーツ万能さらには性格も悪くないんだよ?もう、そりゃあ、好きになるでしょ。それにー」
「あれ、武流たちも今帰り?」
「あっ、駆君!」
さっきまでの人とは、別人の様に語尾にハートマークをつけ振り向く梨央。
そこには、駆と如月先輩それと見知らぬ女性が一緒にいた。
さっきまでの梨央の声の違いに俺は、思わず驚いて二度見する。
「部活は?」
「今日部活が休みになったから。駆君たちも?」
梨央は、そう言うと駆君と楽しくしゃべり始め、それに負けじと如月先輩も一緒になって喋り始めた。
女性は、本を読みながら歩いている武流君に話しかける。
「なに、読んでいるの?」
女性の質問に武流君は、読んでいた本から顔をあげ、本のタイトルを見せる。
「出会い厨の、逆襲」
「・・・・・」
想像の斜め上をいくタイトルに思わず黙り込む。だが一周回ってどういう内容なのか気になったのか女性は、武流に聞く。
「へ、へぇーどういう内容なの?」
「出会い厨を取り締まる法律を出会い厨の主人公が壊す話。」
なに、そのクソみたいな本は・・・・とでも言いたげな表情をする女性
「それ、面白いの?」
「いや、面白くない。」
「面白くないのに買ったの?」
「これの、本編が凄い面白かったから面白いのかな?って思って。」
そう言って苦笑いする武流。
「へ、へぇーその本編のタイトルは何て言うの?」
「リア充爆ぜろ」
「作者、カップルに何の怨みがあるのよ!!」
もはやタイトルとも呼べないタイトル思わずにつっこむ。
「作者、カップルは幸せ税として税金払へって公言してるからね。」
「よく、ネットとかで炎上しないわね。」
私の言葉に武流君は、黙ってスマホのあるネット記事のコメント欄を見せてきた。
「
「・・・・・どうするのよこれ」
想像以上の炎上具合に思わず聞く。
「さぁ、ほっとけばいずれ収まるんじゃない?」
武流はそう言いながらスマホになにやら打ち込む。
「何、打ち込んでるの?」
「・・・・リア充爆ぜろ。」
「火に油を注ぎ込むなっ!!」
頭を叩かれた武流は、頭を押さえる。
「先輩ちょっとなんで叩くんですか、それも初対面の人に向かって」
「それはあなたがいらんことをするからよ。そういえば、自己紹介がまだだったわね。私は、2年3組の西園寺
「自分は、1年4組の星空 武流です」
「あなたが、雫の言ってたあの武流くんなのね。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます