~ 第5話 感想 ~

「・・・・えっ?」

驚く先輩。

 まあ、実際こうなるだろうとは、予想していた。どんなに、料理が上手くなろうとも合宿で学年の過半数を病院送りにした先輩の料理は、学年問わずにみんなが知っている。

 だが、予想外だったのが、

「う、うぐっ。」

先輩がガチ泣きしかけていることだ。これには、さすがの俺も慌てて、駆をする必死に説得する。

「ほら、駆。実は、先輩に料理を一週間ほど教えて人並みに上手くなったから駆に味の感想をしてもらおうと思って・・・第三者の意見とかも聞きたいじゃん?」

俺の説明で駆は、あっさり前言を撤回する。

「なんだ、武流が教えたの?それなら食べるよ。」

前言をあっさり撤回した駆にクラスメイトの、一人が遠慮がちに聞く。

「か、駆くん大丈夫なの?」


「武流が、教えたんだよ?なら、大丈夫に決まっているよ。武流の料理は、美味しいからね。」

そう言って駆は、先輩から受け取った弁当を食べだす。

「うん、普通に美味しいよ。」

駆は、どんどん食べながら感想を言う。

「先輩、よかったですね。」


「そうね。」

先輩は、照れながら返事をする。


「ねぇ、星空くんは、駆くんと、どういう関係なの?」

クラスメイトが、遠慮がちに俺に聞く。

「う~ん、そうだなぁ。寝起きを共にする関係かな。」

俺の悪のりに駆もあわせる。

「後は、たまに二人だけで共同作業料理したりするね。」

俺と駆の返答に女子たちが腐った悲鳴歓声をあげる。やはり、一定数の腐女子は、どこにでもいるみたいだ。

「ふ、不潔よ。そんな関係」

だが、そんな俺たちの関係にクラス委員長のが、注意してくる。

「おいおい、なんで不潔なんだ?俺と駆は、兄弟なんだよ?」


「えっ?」

勘違いだと知った委員長は、盛大に赤面する。

「あれれ~?委員長は、俺と駆をどんな関係だと思ったの?」


「そ、そんなことをどうだっていいでしょ。」

答えずに、はぐらかす委員長をおれは、ニヤニヤと見つめる。

「な、なによ、何か言いたいことでも?」


「・・・ムッツリ委員長。」


「ちょ、誰がムッツリよ!私は、ムッツリじゃないわ!」


「それならどんなことを考えていたのか、言ってもいいんじゃない?」


「そ、それは、・・・そう言うなら私の他にもそんなことを考えていた人は、いるわ。」

そう言って次々とクラスメイトたちの、名前を暴露していく委員長。それに、慌てたクラスメイトたちが次々と他の人のことも暴露していく。主に女子たちが。

「な、なんて醜い争いな・・・グフッ。」

余計なことを言った男子の一人が女子との争いに巻き添えを食らう。

こうして女子たちの醜い争いは、昼休み終了まで続いた。


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