~第3話 弁当作り ① ~

「はあ!?アンタと駆君が兄弟!?どうしてそんな大切なことを先に言わなかったのよ!!」


「いや、だって聴かれなかったから・・・」

全く。逆ギレとは、困った人だ。

「それにしたって双子うの兄弟って嘘でしょ?あまりにも似てないもの。」


「失礼な、先輩ですね。・・・よく言われますけど。」


「まあ、この情報は本当のなのね?」


「うん、あってるよ。」


「そう。・・・・ありがとね。」

そう言って少し微笑む先輩に、不覚にも見とれた。

「コ、コホン。それでこれからどうするんですか?」


「う~ん。そうね、まずは弁当作って渡してみようかしら。」


「・・・先輩料理なんてできないでしょ。」

そう。先輩は、壊滅的に料理が下手なのだ。

「なんで、あなたはそんなことを知っているのよ。」


「・・・”愉快なキノコ事件”」


「ギクッ!」


「”ドキドキ血濡れ事件”」


「ギクギクッ!?」


「先輩の料理いろんな意味で学年問わずに有名なんですよ。」


「・・・・あなたは、作れるの?」


「人並みには、作れますけど。」


「それなら、あなたが教えなさいよ。」


「!?」


    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

放課後、俺たち二人は、最寄りのスーパーに立ち寄った。

「それで、何を作るのかしら?」


「そうですね。カレーといいたいところなんですが、俺が作るのは、めんどくさいのでオムライスとかでいいかと。」

俺の言い分に先輩が!呆れた目を俺に向ける。

「めんどくさいって・・・」


「いやぁ。自分でご飯とか作っていると、最終的にご飯を炊くだけでもめんどくさいって思い始めるんですよね。」

本当に親のありがたみとかがわかるわ。

「・・・・」



先輩とスーパーのなかに入った俺は、

「・・・・先輩、何をしてるんですか。早く帰りますよ。」

お菓子売り場のところで座りこんでいる先輩を呼び掛けていた。

「あら、買い物終わったの?」


「まあ、終わりましたけど。」


「ちょっと待って今ポテチの味に悩んでいるの。」

そう言って先輩は、二つのポテチを見比べている。

「あなたは、どっちがいいと思うかしら?」

先輩は、俺にし○味とコン○メ味をつきだす。

「すいません、先輩。俺は、九○しょうゆ味一択です。」

あえて俺は、第三の選択をだす。

「ここら辺に売ってないじゃない!」


「そうなんですよ。だからいつも通販で取り寄せているんですよ。」

そうなんだよな。ここら辺に売ってないってのが、ネックなんだよな・・・美味しいんだけど。

「二つのとも買えばいいじゃないですか。そんなに悩まずに。」


「ちょっと何を言っているのよ!そんなに食べると太るじゃない!!」

そう言って怒る先輩。

「先輩こそ何を言ってるんですか?食べたカロリーより消費するカロリーが、多ければ太ることなんでないですよ?」

俺は、計算を始める。

「・・・そうですね。ポテチ 一袋だいたい335~340キロカロリーぐらいで一分間のランニングでは、先輩の身長が、160センチぐらいで平均体重が55キロだとしたら9.24キロカロリー消費されるので・・・・だいたい1時間12分ほど走れば、二袋ぶんのカロリーを消費することができますね。」


「・・・・よく、ポテチ一袋ぶんのカロリーなんて知っているわね。」


「ラノベを読んでいるとそういう雑学が、どんどん増えていくんですよね。」


「そう。」

そう言って先輩は、ポテチを二つとももとに戻した。

「買わないんですか?」


「家にストックがあるのを思いだしたのよ。」


「・・・・さいですか。」

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