~第2話 観察、もといストーカー行為 ~

なんやかんやで先輩の恋に協力することになったんだがー

「いい?貴方はまず、駆君の趣味趣向しゅみしゅこうを観察して貰うわ。」


「・・・・つまり、ストーカーをしろと?」

先輩の協力内容があまりにもアレ過ぎて頭痛がしてくる。

「あら、人聞きの悪いことを言わないでもらえる?あくまでも観察よ、か・ん・さ・つ。わかった?・・・なによその顔は、何か言いたいことでもあるって言うのかしら?」


「ありまくりやわ!なんで、俺が好き好んで野郎のストーカーばしないといけないとや!?」

くそっ、男が野郎のストーカーとか誰得やねん。一部の奴しか喜ばんやろ。

「あら、貴方に、拒否権なんていうものは、ないわよ。"yes" か "わかりました" か "喜んで”のどれかしか貴方に選択肢はないわ。」


「どれも同じじゃないか。」


「わかったなら、一週間後状況報告するように。」

先輩は、言いたいことだけ言うと俺の返事も聞かずに背を向けて帰っていった。


    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


一週間後、教室でご飯を食べていると

「あの、すみません。夜空 武流君は、いますか?」

如月先輩の登場に教室にいるクラスメイト達がざわつきながら俺の方をチラチラと見る。先輩は、周りの反応なんかを気にせずに俺のいる席へと近づいてきた。

「大切なお話があるのでちょっと来て貰えませんか。」

先輩の言葉で、さらにザワつくクラスメイト達。先輩は、俺の返事も聞かずに腕を取って教室の外へ引っ張っていった。

 人気ひとけのないところまで引っ張っていった先輩は、腕を離してさっきまでの愛想の良さが嘘だったかの様に冷めた視線を俺に向ける。

「ーで、勿論きちんと駆君のことを観察してきたのよね?」

 

「まあ、一応わかった事がいくつかあるけど・・・・」

そう言いながらに先輩に、メモ用紙を渡した。メモを受け取った先輩は、メモの内容を読みドン引きした表情を俺に向ける。

「まさか、本当にストーカーをするななんて・・・」


あからさまな誤解に俺は、慌てる。

「いや、ちょっ待て!俺はストーカーなんて断じてしてないぞ!」

否定をするが先輩の表情は、変わらない。

「それにしても、これはないと思うわ。好きな食べ物、趣味、さらには性癖まで、これをストーカーしてないって言うならどうやって調べたって言うのよ」


「えっ?普通に聞いたけど?」


「はあ?普通に聞いてなんで駆君があんたなんかにそんなことを教えるのよ」


「あれ?言ってなかったっけ?俺と駆は、双子の兄弟だそ?」

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