~第1話 協力という名の脅迫 ~

「・・・で何か言うことは?」


「ずびばべんでじだ。」

あの後、先輩に追いかけられ、殴られました。・・・消火器で・・・・

正座しながら謝る俺に先輩は、消火器で、頬をペチペチとたたく。

「誰がビッ○だって?え?言ってみ?」

悪鬼羅刹あっきらせつの如く恐ろしい形相で折檻する先輩。

「こんなに可愛い美少女に向かって○ッチなんていい度胸してるじゃない」

「・・・・確かに先輩は、可愛いです。10人中9人ぐらいの人が振り向くぐらいの可愛さです。」

いきなりの称賛に先輩は、戸惑い始める。

「そ、そう?よくわかっているじゃない。」


「だから、俺はこう言います。○ッチなのは、心のほうだと。」

さらに、殴られた。

「まったく、だいたい紛らわしいのよあなたの名前。名字は同じで、名前も一文字違いじゃない。ちょっと今から市役所に行って名前変えてきなさいよ。」

理不尽すぎる・・・。

「・・・だいたい先輩は、星空 駆のどこが好きなんですか?」


「容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、しかもお金持ち狙うに決まっているじゃない。」


「うわぁ、典型的なクズ女発言じゃん・・・・。」

あまりの発言に俺はドン引く。

「あぁん?何よ文句でもあるの?」


「いえいえ、滅相も御座いません。」


「だからもしもアンタが、私の恋の邪魔をしたら・・・」


「邪魔をしたら?」


「オマエヲコロス。」

直接表現が、マジで恐かった。


    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

「ただいま~。」

先輩の折檻から、なんとか五体満足で家に帰ることのできた俺は、自室に入り着替えもせずに

ベットに飛び込み枕に顔をうずめながら、ため息をつく。

「はぁー。なんで、こうなった・・・」

時間は、先輩に折檻されている最中まで遡る。

「ーさて、どう責任を取って貰おうかしら。」


「え?」


「なに、惚けているのよ私はビッ○呼ばわりされて心が傷ついたのよ?少しでも悪いと思うなら誠意をみせて貰わないとねぇ。」

ほら、わかるでしょ?とばかりの顔をする先輩。

これだけ言われればさすがの俺でもわかる。俺は、財布の中から諭吉さんを取り出しー。

「今日のところは、これだけで勘弁してください。」

先輩に差し出した。

 俺の行動に今度は先輩が慌てだす。

「ちょっ、止めなさいよ。まるで私がカツアゲしてるみたいじゃない!」


「え!?違うんですか?」


「違うわよ!私の恋を手伝えって意味!」


「えー。絶対嫌ですよそんなの。」


「なんでよ。」

キレ気味に問いただす先輩。

そんな先輩の問いに満面の笑みを浮かべながら口を開いた。

「だって、他人の幸せって反吐へどか出るじゃないですか。」


「想像以上のクズね。まぁ、いいわ。とりあえず貴方は私の恋を手伝うこと勿論もちろん拒否権はなしよ。もし、断るというのならー」

ためる先輩に思わず聞き返す。

「ー セクハラをされたって言いふらかすわ。」


「!!?」

セ、セクハラの冤罪えんざい・・・だと、なんて、卑怯奴だ。

「返事は?」


「・・・・Yes,my lord.《御意にございます》」

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