三学期 帰り道

テスト勉強も終わって、皆で駅に向かった。


高橋、平野は帰りとうとう二人だけとなった。


静寂を破ったのは、速水だった。

「ねぇ、永瀬。私さ、今日のメンバーに好きな人が居るの。」


「へぇ~、そうなんだ。」

動揺を必死に抑え、冷静に言った。


「協力してくれない?」


「協力?何するんだよ。」


「最初は四人で良い。だから、一緒にいる時間が欲しいの。少しでも長く。」


「しょうがねぇなぁ」


「ありがとっ!」


この時、一番近い存在の人が一番遠い存在に感じた。姿も見えないくらいに。


「高橋だよな?」


「さぁね。じゃあ、電車の時間だし。またね。」


「ああ。」


俺も徒歩で帰宅しようとしたが、メールが来た。


平野《今日はとても楽しかった。ありがとう。

また、四人で集まれたら良いね!


俺《楽しんでもらえてよかった。それなら、四人を集めた意味があるよ。


平野《だね。


俺《俺さ、速水のこと好きだから。

この四人にしたんだ。


平野《あんたも恋なんかするんだ~。何にも考えてなさそうなのに。


俺《考えてなさそう、か(笑)

 じゃあ、俺家着いたから。

 おやすみ~


平野《おやすみ~


とても楽しくドキドキなテスト勉強の1日目だった。


                  続く

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