第26話 ヘタレ

「さて、10分経ったし行くか」


俺は昼ごはんと言われたのに何故か10分の待機を命じられている。


ガチャ

ガチャ


未来ちゃんとドアを開けるタイミンが被った。


「未来ちゃん。10分経ったら来て言われたんだけどわかる?」


「分かりますが言いませんよ」


「デスよね」


「そんなことよりなんでふつうの勉強してる声しか聞こえないんですか」


「勉強してたから」


「ヘタレ。奏ちゃんが言ってた通りだ」


「ヘタレというか元々、勉強のために来てるんだから当然だろ」


「……はぁ」


「なんでため息なんだよ」


会話をしているとリビングに着いた。

正直怖かったが開けるしかなかった。


ガチャ

未来ちゃんがリビングに入って行き、ドアを閉めた。

俺はドアノブに手をかけたが1度離し、ドアをノックした。


コンコン

「入っていいですか」


「どうぞ」 「いいよ」


ガチャ

美味しそうな卵のの匂いが漂ってきた。


「オムライスよ」


「ありがとうございます」


「じゃあ食べよう」


「「「「いただきます」」」」


スプーンで取り、口に運ぶ。

パクパク


ジー


なんで?栞さんになんでこんなに見られてるんだ?


「どうかしら?美味しい?」

お義母さ……間違えた。栞さんのお母さんはニコニコしながら聞いてくる。


「はい。とても美味しいです。個人的にちょうどいい甘さです」


「そう、良かったわ」

何故か栞さんを見ながら言っている。

栞さんも嬉しそうな顔をしている。


何故だろうと考えていると未来ちゃんが喋った。

「これ、いつものお母さんの味付けじゃない」


「「「!」」」


「栞がねどうしても作りたいって言ったから栞に作らせてみたのよ」


(栞さんがニコニコしている理由がわかった)


「どうしてもなんて言ってないもん。気分だもん」


「あら?そうだったかしら?」


「ほんとに違うから。信じて久保くん!」


「俺はどちらでも大丈夫だよ。美味しかったから」


「う〜」


自分の考えをそのまま伝えたら唸られた。何故なんだー?


そのあとは普通の雑談をしながらしっかりと食べた。

途中に栞さんのお母さんにいじられたがそれはもうデフォルトだから適当に流した。

未来ちゃんの好感度は55まで上がった。なにがあったのかはよく分からない。


「お母さん。デザートにこのチョコレート食べていい?」

未来ちゃんが冷蔵庫からチョコレートを取り出して言った。


「いいわよ」


「やったー。いただきます」


それからチョコレートを3粒程食べ、俺や栞さんや

お母さんに持ってきた。

俺と栞さんのお母さんは断ったが栞さんは何粒か食べた。


それで昼食は終わり、栞さん、未来ちゃんは各々の部屋に戻った。俺は栞さんの部屋に着いて行った。



3人を部屋から見送った栞さんのお母さんはチョコのゴミを見て驚いた。

「あれ、これウイスキーボンボンじゃない。2人とも酔わないかしら?まぁいいわ。少し見てみたいし」

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