第23話 襲われないよ!

さて、今日は久保くんが来るし、お昼ご飯でも作っておこう。

……久保くんて何が好きで何が嫌いなんだろう


<奏ちゃーん>


<どうしましたか>


<久保くんの好きなものってある?>


<食べ物とかのことですか>


<うん>


<和菓子が好きです。あと中華料理が好きです。ただ甲殻類アレルギーを持っています>


<ありがとう>


<どうしてそんなこと聞くんですか?まさか弁当でも作るんですか>


<それは付き合ってからかな。実は明日久保くんが私の家で一緒に勉強するからさお昼ご飯でもと思って>


<なるほどです。いいと思います>


<ありがとね>


<正直、明日何かしようとか考えてますか>


<ぜんぜん、全く、1ミリも考えてない💦>


<動揺が怪しいですね>


<動揺なんてしてないもん!>


<お兄ちゃんからはなんも期待しないでくださいね。女がわかって欲しい時に分からないタイプですから>

<しかもチキンで鈍感ですし>


<ほんとだよ!全然わかってくれない😭>


<大変ですね‪。今日は頑張って下さい!>


<うん>



さて中華料理か……何しよう。

餃子はニンニクがあれだし、ラーメンは作り置きできないし、えびちりはエビが無いし。


そもそもお昼ご飯に中華料理はどうなんだろう?変に思われそうだし。


う〜ん


「何してるの」


「あ、お母さん。お昼ご飯どうしよう」


「久保くんが来るもんね。それで作りたいと」


「うん。でも久保くんが好きな物が中華料理らしくて」


「誰からの情報かしら」


「妹の奏ちゃん」


「なら間違いないわね」


「どうしよう」


「オムライスなんかどう?栞の得意料理でしょ」


「うーん」


「不味くてもそれを食べないようだったら私が彼氏として認めないから安心しなさい」


「別に彼氏とかそういうのじゃ……」


「悩んでる間に作った方がいいんじゃないのもうあと2時間くらいしかないわよ」


「……はーい」


「それにあなた部屋の掃除は?」


「した」


「着替えは?」


「料理の後」


「未来はどうするの?」


「未来は……どうしよう?」


ちょうど未来が起きてきた。

目をこすりながらだから本当に寝起きかもしれない

「ん〜おはよう」


「「おはよう」」


「ねぇ未来今日は……」


「お母さんから聞いてる。少し前にデートしていた人でしょ」


「デートじゃないって!」


「私は部屋にこもってるよ。リビング使うでしょ?」


「うーん私の部屋で勉強しようと思ってたけど」


「大丈夫?襲われない?」


「襲われないよ!」

「多分」ボソ


「私はどうすればいい」


「部屋にいて大丈夫だよ」


「わかった」


それからは慣れた手つきでオムライスを作り、冷蔵庫に入れた。


ちょうど料理を終えた時に久保くんからLINEが来た。

<今から出ます。15分くらいで着きます。>


<りょーかーい。待ってまーす>


♡どうしよう。変に思われたら嫌だし、でもアピールしないといけないし。

いいや!付けよう


<りょーかーい。待ってまーす♡>


えい!

送信

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る