第13話 めんどくさい
最初に若宮さんから告白されてから2週間がたった。少し前に「好きな人がいから」と断ったがむしろ強くアピールしてくるようになってしまった。毎日、昼休みになると告白をしてくる。
毎回断ってるのに好感度はずっと100を維持している。若宮さんから告白をされてから男子からの好感度は下がっていたが、今は戻った。女子からは「一途ですごい」と逆に好感度は上がってしまった。
柴田さんとはお出かけをした日からあまり話していない。妹達はめちゃくちゃ仲良くなってる。たまに我が家に連れて来るくらいに仲がいい。
「好き!付き合って」
「イヤだ」
またやってるよ。そんな空気がクラスに漂っている。
「わかった。じゃあ今週の土曜日にデートしてよ」
今度は攻め方を変えてきた。そんなふうにクラスの人は思っているであろう。
「は?」
「私の魅力が分からないならデートしてわからせてあげる」
「いや結構です。というかその日は圭と約束が」
「そんなもんねーよ」
圭!頼むよ
「間違えた。妹とお出かけが」
「確か、今週の土曜ならうちの妹が奏ちゃんと遊ぶって言ってたよ」
柴田さん!
「あっ、間違えた。えっとその磯野と野球が……」
「じゃあ決まり」
と言って若宮さんは手を叩いた
「放課後、LINESで詳しい連絡するわ」
と言ってどこかに行ってしまった。
最悪だ。
「あの状況で私とデートがあるって言ったら話を合わせてあげたのに」
そんなことを柴田さんに言われたら
「マジかよ」
としかいえない。しかも何が怒ってる雰囲気もある。
「久保くんと意気地無し」ボソッ
なにか小言をいってたけどよく聞こえなかった
「いやー面白いね」
圭が笑いながら話しかけてきた。
「てめー、話を合わせてくれよ」
「なんで?合わせない方が面白いじゃん」
こいつがこういう性格だったのを思い出した。
こいつは妨害も協力もしないただのジョーカーだ。
「ていうか、むしろデートで自分の印象を悪くすれば相手が引いてくれるでしょ」
「たしかに!お前は天才だな」
「だろ」
そんないつも通りのバカな会話をして残りの昼休みを楽しんだ。
放課後になり、若宮さんから連絡が来た。
<デイズニーランド行こう>
<わかった。でも絶対に好きにならないと思う>
<それでもいいから>
<時間は午後2時に宮本駅で>
<わかった>
<もし土曜日までに嫌いになったいつでも言ってね>
既読無視された。
どンな服にしようかな。ダサいかつ似合っていない服
コンコン
「お兄ちゃん」
「どうした」
「土曜日にデート行くんでしょ」
「ああ。そこで相談なんだけど」
「服選びとかならやだよ」
「頼む。俺に最も似合わないかつダサいやつをおしえてくれ」
「え?」
「なんだよ」
「カッコイイ服じゃなくていいの」
「うん。これで嫌われることを願うから」
「なんだ、なら手伝うよ」
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