第14話 デートの教え

火曜、水曜、木曜、金曜と若宮さんが告白してきては僕が振るが続いた。相変わらず、好感度はカンストしてる。


土曜日になってしまった。この日は若宮まゆかとのデートの日だ。


「お兄ちゃん!しっかり嫌われてきてね」


「その予定だか、言い方に悪意があるな」


と妹会話して家を出た。


◆◆◆◆


「お待たせ」


「おそーい」


「悪いな、道が混んでて」


作戦その1、あえて10分程送れる。


「まぁいいや、行きましょ」


「ん」


「デイズニーランドは電車で1時間くらいだったよね」


「うん、そのはず」


と言って2人で電車に乗った。


「ねえ」


「なんだよ」


「さっきから全然目が合わないんだけど」


「気のせいじゃない?」

作戦その2、目を合わせな……え!

俺は頭上を見て驚いた。若宮まゆかの好感度が0になってる!


どういうことだ?この数十分で嫌われたのか?最初から頭上を見ておけばよかった!

嫌いになったなら今日をなしにしてくれれば良かったのに。


「あ、あのさ」


「ん?なーに?」


言いづらい……


「いや、何でもない」


「そう?わかった」


なんだよ!話しかけるだけで顔が明るくなるし、黙ってても顔が赤くなるし。

本当に若宮の好感度は0なのか?


「あっ!着いたよ」


「お、おう」

今日の一日を使って真偽を確かめる!



「まずは何に乗りたい?」


「俺はなんでもいいよ」


「なんでもいいはダメだよ。私にしても、私じゃないにしてもデートでなんでもいいは禁句なの」


「わかった。気をつける」


「じゃあ何に乗りたい?」


「あの観覧車みたいなやつ」


「……」


「なんだよ」


「デート、いや友達とでもいいから遊園地に来たことある?」


「そういえばない」


「観覧車って言うのはね遊園地に来たら最後に乗るものなのわかる?」


「はい、わかりました」


「でもそういうところが可愛いんだけどね」


顔が真っ赤になってる。


「自分で言って恥ずかしがってんじゃねーよ」


「うるさい」



それからメリーゴーランドやジェットコースター、コーヒーカップなど一通り乗った。最後に観覧車に乗り、今はゴンドラの中だ。


「今日一日で私の魅力はわかってくれた?」


「あー、遊園地を楽しんでて見てなかったわ」


「それだけ楽しかったことでしょ!」


「まぁ」


「どう?私と付き合わない?」


「ひとつ聞きたいんだけど」


「今!」


「ああ」


「なに?」


「お前は俺のことが好きか?」


「どういうこと?好きだから告白してるんだけど」


「……だよな」


「で、返事は?」


「少し待ってくれ」


「え!」


「なんだよ」


「だってこれまでは間髪入れずに断ってたから」


「それなら断るつもり。俺の中で…いや、なんでもない」


「一番気になる」


「そういうことだから少し待って」


「……わかった。絶対に話してね」


「うん」


一周して、俺達はゴンドラを降りた。

そのあとは若宮が言ってた通り帰る流れになり、そのまま電車に乗り帰路に着いた。


俺たちは無言のまま駅に着いた。


そのまま帰ろうとすると

「待って」


「ん」


「今日はありがとね。私が無理矢理デートに誘ったのに1度も嫌な顔しないで付き合ってくれて」


「ああ」


「それと、さっきのやつは絶対に話してね」


「わかった」


「あと、デート中に胸を見るのはあまり推奨しないよ」


「……」


「服の上から見ることもね」


「……」


「付き合ってくれたら少し触らせてあげてもいいよ」


「……」


「じゃあ、また月曜日」


「またな」

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