第20話
襖を開けるとそこも見慣れた景色。
「遅くなってごめんね…」
座布団の上に座り、顔を上げる。目の前にはあの頃のまま変わらない笑顔で笑うあきおの写真。
「あきおは変わらないでいてくれたのにね…私が勝手に疲れちゃってただけだったよ」
「宝探し楽しかった!あきおはあたしを置いていくことわかってたんでしょ?だから…」
だから宝物をたくさん隠してくれたんだよね…
「手紙もありがとう…隣にいてくれたのわかったよ…」
たくさんの事を見落として、たくさんの失敗をして、少しだけ成功して私は大人になっていた事にやっと気づいたんだ。
「たくさん待たせてごめんね」
「この子はずっとゆいなちゃんの事心配してただろうけどちゃんと前を向いてくれるって今でも信じてると思うの」
「おばちゃん…」
おばちゃんがスッと私に手紙を差し出した。
「あの子の部屋を片付けた時に出てきたの。やっと渡せたわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます