第20話

襖を開けるとそこも見慣れた景色。


「遅くなってごめんね…」


座布団の上に座り、顔を上げる。目の前にはあの頃のまま変わらない笑顔で笑うあきおの写真。



「あきおは変わらないでいてくれたのにね…私が勝手に疲れちゃってただけだったよ」


「宝探し楽しかった!あきおはあたしを置いていくことわかってたんでしょ?だから…」



だから宝物をたくさん隠してくれたんだよね…



「手紙もありがとう…隣にいてくれたのわかったよ…」



たくさんの事を見落として、たくさんの失敗をして、少しだけ成功して私は大人になっていた事にやっと気づいたんだ。


「たくさん待たせてごめんね」




「この子はずっとゆいなちゃんの事心配してただろうけどちゃんと前を向いてくれるって今でも信じてると思うの」


「おばちゃん…」



おばちゃんがスッと私に手紙を差し出した。



「あの子の部屋を片付けた時に出てきたの。やっと渡せたわ」


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