第9話

3年1組の教室のドアを開ける。

私たちが出会ったのは3年生の時。


「ここも変わってないんだ」


学生の人数はきっと減っている。でもあの頃と変わらない教室。


(あきおが委員会終わるのまってるからアイスはまた今度ね!)


嬉しそうに教卓にもたれながら私が話してる。


「あ、絶対にひなたに話しかけてる」


忘れかけていた思い出が鮮明に甦ってきた。


いつも待っていたいつもの場所。

毎日顔を合わせて、喧嘩もして、笑い合った思い出の場所。


「教室きたけど…なに?」


ここに来たはいいけどここから先がわからない。


「大事な事いっつも言わないんだからー」


教卓にもたれかかって文句を言った瞬間。


「あ!」


「うそ、なにこれ…」


教卓の裏の恥の方に数字とアルファベットが書いてある。


「1K…あきおの文字だ…」


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