第8話

入ろうとした瞬間立ち止まる。


「あきお…?」


彼が一人で文集に何かを書き込んでいる。

文集はこの時もう刷られているから原盤に直接書き込んでるんだ。



(未来の俺たちに届きますように)


文集を戻して彼が横をすり抜けていく。


「どういう事…そんなの知らないよ」


文集に何かを書き込んだなんて初めて知った。


その文集を手にとる。


懐かしい文集。そして私のページで手を止める。


「教室…教室?教室に行けって事…?」


教室って言ってもたくさんありすぎる。

でも私たちが出会った教室は一つしかない。


「行ってみるか」


少し小走りで走り出した。

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