御用達
一ノ瀬:何がゴブリンのスープだよ………!
"知らずに飲んだ被害者の話"
(月が一ノ瀬の横で何かを飲んでいるようだ)
一ノ瀬:……………ね、何飲んでるの?
月:疲労回復ドリンク。
一ノ瀬:ほほぅ。戦神御用達のドリンクか………実に興味深いね。僕も飲んでみたいな?
(一足先に飲み干した月は、無言で計量カップに注いで手渡した)
一ノ瀬:ちょ、ちょっと……!なんで僕もティーカップに入れてくれないのさ。(なんだろ、スープというかこのとろみ、ポタージュに近いような……)
(一口含んだ一ノ瀬は、あまりの塩味に顔をしかめた)
…………げ、なんだこりゃ。美味しくないじゃんか……。良薬口に苦しタイプなんだな。せっかくだから飲むけどさ。
月:(不味いなら飲まなければいい。文句を言いつつ飲むなんて変な奴だ)
一ノ瀬:……………うう、喉が痛くなったよ。塩味濃すぎじゃない?素材の味も何もないじゃんか………
月:味付けはない。そのまま。
一ノ瀬:(味付けしていないのにこんな塩辛いの?食材に心当たりがないぞ……)
な、何が素材なんだい?
月:天使の内臓をミキサーしてさらに血液を加えて煮込んだ。
一ノ瀬:…………………!?
月:それを裏ごしして煮詰めれば完成。
一ノ瀬:うひゃぁ……色々と法律に引っ掛かりそうな製法と素材だね……(とんでもない素材のせいか猛烈な吐き気がするぞ………)
月:どうせ邪魔なゴミだ。有効利用するだけで文句を言われる筋合いはない。
斑鳩:月!いつもの頼む!疲れちまったぜ……
一ノ瀬:あ。(うっかり忘れてたけど、この子御用達なんだよね……?)
(注がれた"それ"を一気飲みした斑鳩を見て更に一ノ瀬の表情が歪んだようだ)
斑鳩君、それの素材何か知ってるのかい?
斑鳩:ああ、天使の内臓だろ?もちろん知ってるさ。光の魔力が隠し味になってて暴れた後は最高なんだ。
一ノ瀬:そ、そうなんだ……。僕はちょっと頂いたけど苦手かな、あはは………(事も無げに言い切られたよ)
斑鳩:あんたは一番飲んじゃダメだろ……光の魔力を取り込む事になるから口に合う筈がない。
あんたに飲ませるなら素材変えないとな、月?
月:製法は同じで悪魔の内臓と血液を使えばいい。共食いに抵抗がないならば。
一ノ瀬:………………残念だけど遠慮させてもらうよ。(素材を聞いたからじゃなかったのか、この吐き気は……)
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