第2話

 暑い日差しの中、いつものように帰っていると彼女が突然急に口を開いた。

「ねぇねぇ天宮くん、夏だし夏祭りにでも行

 かない? 」

「夏祭りかぁ、しばらく行ってなかったし行きたいなぁ」

 夏祭りは母に連れて行ってもらっていたが母と行くような歳でもないと思い、夏祭りに行くことがなくなり、夏祭りのことをすっかり忘れていたのだ。啓人と行った事はあったがろくな事がなかった。

 こんな機会もそうそうないと思い、内心はかなり喜んでいた。詳細を決めて2人は解散した。

 家に着くと母の声が聞こえてきた。

「あ!おかえりー! 」

「ただいま」

 俺は素っ気なく返し、そのまま自分の部屋に向かった。部屋に着くとどうも落ちつかず、俺は啓人に電話をかけた。

「なぁ啓人! 俺、今度人生初デートなんだよ! どうしていいか分かんなくて......なんかアドバイスくれよー! 」

『おい、まずその話詳しく聞かせろよ』

 俺は今日の出来事と夏祭りの予定を事細かに話した。

『はぁーん? 事情は分かった。今週末空けとけ、俺にいい案がある』

 根暗な俺に週末の予定などある訳もなく、予定は既に空いていた。

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だまされじょうず りら @rira0015

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