260 〈呪霊灰山 山頂 呪界儀式門〉7 五色鬼灰神 炎獄紅蓮灰禍ウルザスマ真諦2
『フム。なかなか面白い攻撃だった。返礼だ。受け取るが良い。『
ゴウッ!! ウルザスマが、妙に引き付けられ目が離せない不可思議な炎を、まるで太陽であるかの様に頭上に出現させる。
ウルザスマの頭上で燃え上がる炎から目が離せない。
その上心に猛烈な渇きと、あの炎に身を焦がしたいと思う欲求が生じる。
うん、間違いない。これは精神攻撃だ。
ちなみに、この精神攻撃が割と平気な理由は、ヴァジュラの『精神状態異常無効・神』のパッシブ効果が有るお陰だ。パーティメンバーは、桜が一瞬お目々グルグル状態になってヤバそうな感じになったけど、泥中之蓮袈裟のパッシブ効果で直ぐに回復したし皆割と平気そうに見えるな。
『ははっ! 己が身を焼き焦がしたいであろう? 今貴様らの望みを叶えてやろう! 『
ウルザスマが、無明の闇の炎獄をこの神域に現界させる!
「誰がそんな物望みますか! 『天爛金色星空 天写斬光』!!!!」
世迷言を言うウルザスマにチエが啖呵を切り、ラーフの力で散々ウルザスマから奪い溜め込んだ光を解放する!
ブゥ――ン!! ラーフから放たれた光が、巨大な光剣となり無明の闇に光を齎しそのまま一閃する!
斬ッッッッッ!!!!!!!!!
巨大な光剣の刃が、ウルザスマを闇の炎獄ごと叩き切る!!
『ぐっはあっ!? ははっ今のは効いたぞ……!』
漸くウルザスマが、ダメージを受けたと分かり易い反応をする。
『フム。今ので分霊が一体消えた……だが、分霊一体の消耗だけで収まったとも言える。如何やら、我が上位分霊をお前達に倒させなかったのは正解だったようだ』
「ふにゅ、話が長いのじゃ! 『影龍ロンヌの鋭き刃よ! 影を断ち全てを乖離せよ! 『乖離影爪』』なのじゃ!!」
チナの背中で魔導書がかってに開き、ページがパラパラと捲れ魔法陣が浮かび上がる。
グルオオオゥッ!! 魔法陣から溢れ出した影が巨大な龍の姿を取り、ウルザスマの作り出した闇が残る炎呪神域の中を自在に駆け、ウルザスマの影と周囲の闇を切り裂いて行く!!
『ゴフッ!! な、これは!? ぐはぁっ!!』
スパスパとウルザスマの影と周囲の闇が切り裂かれる度に、それに連動する様にウルザスマの身体が切断されて行く!!
この影繰ノ魔導書ロンヌの専用スペルアーツ意外と効果時間が長いし、精神にもダメージが入るとウルザスマには攻撃がより効いている様に見える。なんせウルザスマの身体は、炎その物であるため簡単に元に戻るから尚のそう感じるな。
「おらぁっ! これも喰らえ!! 『
ドドドド!ドゴドゴ!ズドゴゴォ――ン!!!!
『乖離影爪』を受け隙だらけのウルザスマに、金色千手阿修羅が殴打のラッシュを仕掛ける! 普通に攻撃するよりも、精神に効く顔面粉砕メンタルクラッシャーを使った方が良いとしての攻撃だ。
ちなみに、『
『ぐほぉっ!! くはっ!!』
金色千手阿修羅のラッシュが続いている間に、星降天断エメスセラティアを構える!
「『
エメスセラティアの専用アーツを投擲発動する!
それも、必殺アーツである『
『ム! それは!?』
フォ――ン!! ギュォオオオオン!!!
金色千手阿修羅が離れたタイミングで、高速回転するエメスセラティアがウルザスマの脳天に見事に直撃する!!
ズンッッ!!!!ゴゴォォ――――――――――――ン!!!!!!
命中したエメスセラティアから、惑星を両断する事も可能な強烈なエネルギーが解放されウルザスマを縦に真っ二つにする!!
『『グゴハァ――ッ!!?!!?』』
キュィ――ン!! ドゴゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!
そして、間髪入れず追撃の隕石が多段HITする!!
『ぐがっはあぁっ!!!? くふぅ~、また分霊が一つ消えたか……』
なんだ? ウルザスマの態度に違和感を感じるな?
そして、そんな事お構いなしにエナが、追撃とばかりにカナンアンキュロアを振り上げる!
「カナンアンキュロア! 深淵圧縮解放せよ! 『
ドンッッッ!!!!! 圧縮された真っ黒な水が黒き流れを生み出し、まるでブラックホールの如く全てを飲み込んで行く!
『グゥッ! これはっ! 先程の神器と言いそれも大神級神器か!!』
「そうじゃ!! 『
キィャァアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!
悲鳴を上げるかの様にカナンアンキュロアが震え一気に振り下ろされる!!
ギュワンッ!!!!ドゴゴゴゴゴゴゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!!!!!!
ウルザスマを圧縮するかの様な黒い奔流の爆縮が引き起こされ、ウルザスマをバラバラに引き千切る。そこに喰い付くかの様に、イシュヴァルナのパッシブ効果の水の龍達が襲い掛かる!!
『グゥガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!??!!!』
ウルザスマが、絶叫を上げ跡形も無く消え去るのだが、黒い奔流が収まるとウルザスマは何事も無かった様に元通りの姿でそこに立つ。
『フム。やはり分霊一体の消耗で済んだか……』
その言葉で違和感の正体に気が付く。
そう言えばこいつ。今まで、こちらの攻撃の相殺はして来たが、攻撃を避けようとは全くしていないぞ!? もしかして、ワザと攻撃を受けてたのか!?
『フム。貴様らの力量は把握した。そして、【神殺し】の力を持つ者も居ない様だ。貴様らの力では我が命に届く事は無い……。終わらせてやろう』
こいつ、うちのパーティの戦力分析をしてたのか!
しかも、『終わらせてやろう』だなんてカッコ付けやがって、こっちはまだまだ使ってない武器も必殺アーツも有るんだぞ!
勝った気になるのはまだ早いって教えてやる!
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