258 〈呪霊灰山 山頂 呪界儀式門〉5 五色鬼灰神 赤灰炎呪ウルザスマ3
影鎖の拘束を受けラーフの闇に蝕まれるウルザスマに、心身が底冷えするかの様な凶悪な見た目のメリケンサックの一撃が、金色千手阿修羅の拳から地面に叩き付けられる様に放たれ押し潰す!!
金色千手阿修羅が拳を引くと。『
「チャンスですね! 追撃を入れさせて貰います! 『
ジャラララララララァァァッッ!!!!!
夥しい数の影鎖が影など存在しないと思えるような場所からも出現し、瞬く間に意識が朦朧とするウルザスマに絡み巻き付き影鎖の檻に閉じ込める!
『
「更に追い撃ちです!!」
霊山之燈火ネヴィヤエルフォスと、縛霊影鎖スキュンレスツェカリア二つの神器の力が合わさり、ネヴィヤエルフォスに影の燈火が灯る!
『
ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ オ オ オ オ オ オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッッッッッ!!!!!!!!!
『
『アアアアアアアアアアアア ア ア ア ア ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッ!!!!!!!』
叫びとも呻き声とも取れる声が、崩れ落ちる『
まだウルザスマは顕在の様だ。なら、ここは俺が止めを刺してやろう!
キィィィ――――――ン!!! アステルエルアクシアを構え『
影鎖の中から赤い炎が垣間見え、物凄いプレッシャーと共にゴゴゴと大気が振動する!! どうやらウルザスマは、めっちゃお怒りの様だ。
『キッ、貴様ラァァッ!! 許さんっ!!! 因果の炎に焼かれて果――『
シュバァァァ――――――――ン!!!!!! 何か大技を繰り出そうとしていたウルザスマに、全てを白に染め上げる極寒の冷気を撒き散らす白い閃光が突き刺さる!!
ビシッ!!メキバキバキィィッ!!!!
ウルザスマの神域と神威の力などお構いなく、一瞬で全てが白く凍り付き炎その物と言えるウルザスマすら白く凍り付いて逝く!!
『……な……こん……と……』
今にも息絶えそうなウルザスマ。
「みゅ! やったのじゃ!?」
チナ、それはフラグだ!
『霊灰魂逓』
声が響く。すると、もう半ば氷像と化していたウルザスマが消え、何時の間にかウルザスマにソックリな炎鬼が、代わりとばかりにその場に立って居た。
チナの立てたフラグ速攻で回収されたわ。
で。このソックリさん、見た目は略ウルザスマ一緒で、違いと言えば炎の色が深紅思わせる赤と言う所だろうか。でも、明らかにウルザスマよりも強い気配を持ち、身に着けている装備の数も多い。
特に強力そうな物は、ウルザスマが持って居た三つの炎の装備の別バージョン版の様な物だ。いずれも、炎の色が装備の中心に近いほど赤く、外側に行くにつれ影の炎を思わせる様な黒い炎となり、赤い炎から黒い灰が生み出される過程を示すかのようだ。
『危ない危ない。折角神域を開いたと言うのに……。まさか、今にも我が分霊が滅ぼされそうに為っているとなぁ。驚いたぞ? エルアクシアの者共よ』
奴が口を開けば、なんて事は無い。ウルザスマにそっくりなのでは無く。
此奴こそが本物のウルザスマ、ウルザスマの本体なのだ。
恐らくウルザスマの本体は、エナがチナの元に転移したのと同様、あるいはエルナの【特異分霊法】にも有る『アバタースピリット・リプレイス』に相当する能力を使って転移して来たのだ。
フーッとウルザスマ本体が息を吹く。
ゾクッ! 背筋が凍る様な悪寒が走り、『
ええ? 何だこれ? ウルザスマの本体、装備の所為もあるかも知れないけど。
さっきの分霊とは別格の強さをビンビン感じるんだが、これマジでヤバくないか!? だって『
ふぅ~、クールに為れ静流。確か、ウルザスマの分霊は上位分霊だった筈。
まあ、その時点で最高位の神格で格上なんだけど。上位分霊は、大体本体の能力の3/4だった筈だ。
装備の強さを加味したとしても、ちょっと別格直ぐやしませんかね?
これはもう、上位分霊の強さが本体の3/4の強さって嘘なのでわ?
『シズル様。それは嘘では有りませんよ』
『んぉ! ソフィーちゃん!?』
『はい! 貴方にお仕えする忠実な神器ソフィーちゃんです!』
『ソフィーちゃん、相変わらず急にテンション高く為るなぁ……』
『それよりもです。上位分霊の能力が本霊の3/4と言うのは本当です』
『温度差ぁ』
『ただし』
『スルーですか』
『称号や一部の権能やスキルが、上位分霊には適用されていないと言う事を除けばですが』
『え!? それって……』
ソフィーちゃんの話を要約するとだ。その適用されていない称号や権能スキルと言うのは相当デカく。特に神格に纏わる称号や権能の影響はめっちゃ大きいとの事。
特に称号は関連はステータスの数値に反映されない。なのに神格関連の称号は、馬鹿みたいな倍率で色んな能力を強化する。つまり、上位分霊と本体は別物、強さの次元が違うのだ。うん、ほんとにヤバい感じしかしないんだがな!
『どうします、シズル様?
『う~ん。いや、ソフィーちゃんはこの戦いに参加しない方が良い気がするな……何と無くだけど』
『なるほど……『直感』ですか。分かりました。
ちなみにこのやり取りは、ウルザスマ本体が息を吐いてから極僅かな時間で行われた物だよ。多分、一種の思考加速が行われているんだろう。
ま、出来そうなスキル持ってるしな。
『分霊を作るのは手間が掛かる。特に上位分霊と為れば尚の事。それに、幾らでも分霊を作れるとは言え、倒されれば不都合が起こる事も有る』
ん? つまりこれって、ウルザスマの上位分霊に止めを刺せなかったって事か?
あ。一応これは、ウルザスマが俺らに話しかけてるんだよね?
『フム。我が分霊を召喚した所為で、この地に貯め込んだ力が大分消費されてしまった様だな。再び貯め込み、我らが
凄まじい威圧を伴って、ウルザスマの視線がエルナ達に突き刺さる。
あ、分かりますよ。殺して魂を捕えるって事ですよね?
さっき、アナタの分霊が同じ事言ってたんで!
¶敵性侵略者の最高位神格の顕現を確認しました。
世界に対する危機が増大した為、クエストランクが逸話級から叙事詩級に昇格しました。
はっ? クエストランクが上がった?
なにそれ? そんな事あるの!?
【神威顕現 炎獄紅蓮灰禍カルマアグニサティヤ】
ウルザスマの焼け付く様な禍々しい高密度の神力が、息苦しさと共に炎呪神域全体に広がり一気に満たす!
あ、うん。ちょっと落ち着いた。
とにかく、これはもう戦うしかないって事だよな!
ドン!ドドン!! ドン!ドドン!!
幾本もの火柱が地面から噴き上がり、同時に夥しい数の火の粉が舞い上がる。
当然、辺り一面全て炎の海で地面が見える場所など一切なく。エナ達の『神威顕現』の力で守られていても、相当なスリップダメージが生じる。
まあ、エルナは回復量の方がまだまだ上回ってるんだけどな。
でも、エナ達はそうも行かないから、しっかりとHPを回復しないとな。
特にサレスは、HP管理を気を付けないと。
¶サーガクエストBOSS 五色鬼灰神 炎獄紅蓮灰禍ウルザスマ真諦が顕現しました。
世界の脅威が現れました。力ある者は速やかに討伐を行ってください。
確実に確実に世界の危機に踏み込んでいますので頑張って倒してください。
期待しております。
byエーランブラム山の星精より
あう、ここで宝物庫の忖度が効いて来るのかぁ。
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