257 〈呪霊灰山 山頂 呪界儀式門〉4 五色鬼灰神 赤灰炎呪ウルザスマ2
【神威顕現 赤灰炎廷カルマアグネーヤ】
グゥオンッ!! 悍ましくも禍々しい神力が、エルナ達の身体の芯を揺さ振り炎呪神域に広がって行く!
炎呪神域の後押しも有ってか、ウルザスマの『赤灰炎廷』の力が地面を赤灰の砂に変え、其処彼処から真っ赤な炎が噴き上がる。その炎に煽られ吹く風が、赤灰を舞い上がらせ爆ぜる様に宙で燃え上がる!
グゴゴォ――ン!! ギシギシィ!!
『赤灰炎廷』の力がエナとチナの【神威顕現】とチエの【神威発露】とぶつかり、エルナ達の周囲は『赤灰炎廷』の影響から何とか免れる。
「あっつ!?」
「物凄い圧じゃ!」
エナ達の神力で守られている状態の筈なのだが、猛烈な熱気を孕んだ風が吹き抜けて行く!
『ほう。【神威顕現】を為した我が神域内で、我が力に抗するか……。面白い』
「末端でも、流石はエルアクシア世界の神と言った所でしょうかねぇ」
『で、あるな』
ウルザスマが天牙地と話している所だが、ウルザスマとの戦闘で天牙地が絡んで来ると如何なるか分からない。だから天牙地には、何かされる前に速攻で退場して貰う!
「『時空翔箭』、『
五つの紫の軌跡が五芒星を射抜く様に放たれる!
「おっと!? 無駄ですよ! 怨 灰紙瞬転 蘇灰か……なん……だ……と……!?」
メキメキメキバキバリバキィィィン!!!!
命中の瞬間エルナの放った矢が消え、天牙地の『灰紙瞬転』を発動せず不発。おまけに、何時の間にか五つの矢が天牙地に刺さっており、その冷気が生み出す紫の氷晶に身体の内側から飲まれ息絶える! 良し、一発で仕留めらたぞ!
『フム、天牙地を一撃か。これは見事だ。しかし……』
何故か敵に称賛される。
ちなみに、なぜ天牙地の身代わりが発動せずに、『
『フム、天牙地よ。どうやら貴様は、この戦いでは足手纏いの様だ。次の蘇生は、此奴らを倒してからにするとしよう』
天牙地の魂らしきモノをウルザスマが回収する。
如何やら天牙地をこの戦闘中に蘇生する気が無いようだ。
なので、今の攻撃で天牙地を排除出来たと見て良さそうだ。
うん。天牙地が残って面倒な事に為らなくて良かった。
「エルナよ、ナイスなのじゃ! 『小龍尖浪』!」
「にゅ。『小龍尖浪』に『波乗り』なのじゃ!」
『神速光身!』
ウルザスマが、天牙地の魂に気を取られている隙を逃さずに、エナは足元に漣を立たせ一気に加速してウルザスマに向かって飛び出す! そして、チナはエナが出した波にひょいと相乗りしてエナに追随、チエも自身を光に変え最速でウルザスマに突撃する!
もちろんサレスも、しれっと金色千手阿修羅をウルザスマに向かって発進させる!
「フッ!」
『フム、この世界の神は随分とせっかちな様だ』
ウルザスマに最初に攻撃を仕掛けたのはチエだ。チエは、光を纏った銀扇と自在空手の打撃、それにラーフによる斬撃をウルザスマに仕掛けるが、ウルザスマの炎の身体がブレる様に揺らめきチエの攻撃を捌く。
ちなみに、ウルザスマにグラディオリギュムで攻撃しなかったのは、グラディオリギュムが木製でウルザスマの身体が炎だからだな。
「ん! ラーフ!『蝕光暗空』!」
ウルザスマに初手が通じなかった原因を、チエは直ぐに見極めラーフに光を喰らわせる!
『ははっ! 『炎魔煉獄』!』
ウルザスマはラーフの生み出した闇に、炎の槍が生み出す炎波と薙ぎ払いを連続で叩き込み直ぐ様ラーフの闇を払う!
そして、そのタイミングでウルザスマに肉迫したエナとチナが攻撃を仕掛ける!
「ゆくぞ! 『撃墜重爆水』じゃ!」
「みゅ! 『貫手陽炎』『幻水氷流波』なのじゃ!」
膨大かつ圧縮された水気を纏った巨大なハンマー振り下ろしと、『貫手陽炎』の不思議な光の揺らめきを帯びた氷の波がウルザスマを襲う!
『ムゥ! 『幽炎三法輪』!』
ドドン!!バシュワァアアアッッ!! ズドドドォバキシャァ――――ン!!!!
ウルザスマの背で燃え盛る三つの炎環が飛び出し、カナンアンキュロアの纏う水気爆ぜる一撃を受け切るが、イシュヴァルナの『重掌濫龍』の水龍達の追い打ちが命中。更にチナの放った氷の波を炎の槍で払おうとするが、『貫手陽炎』の力が乗った氷の波は炎の槍を擦り抜けこれも命中する!!
『グゥゥッ!! やるでは無いか! 『炎嗟羂縛』!』
『
『神速光身!』
ウルザスマが腰に着けたロープを投げ放つ!
それを見て桜が影に潜り、チエは再び自身の身体を光に変える!
投げられたロープは三又になっており、宛ら炎のポーラと言った所だ。
その炎のポーラは、桜を除いたパーティ人数分に分裂し高速で飛来する!
多分、桜の分のポーラが分裂しなかったのは、桜が影に潜った時点でキャンセルされたからだろう。
「くっ!?」
「なんと!?」
「にゅぅっ!?」
「うお!?」
ジュッ! 避けたと思ったポーラが纏わり付く様に伸長し絡みつく!!
それも、金色千手阿修羅にも絡みつく位にだ!
しかもだ。『炎呪神域』と『赤灰炎廷』の効果も合わさって、ポーラが絡みついた面々に強烈なスリップダメージが発生する!!
更にウルザスマが次の行動に移る前に、ポーラを回避して光から戻ったチエがウルザスマに一撃入れようと闇を生み出す!
『蝕光黒陰!』
自らの龍威と神威の光も飲み込んでしまい、その効果を減退させてしまうラーフの力をウルザスマにぶつける!
『ムゥ! またそれか!』
「今です! 『
ウルザスマがラーフの闇に対応しようとするが、桜の『
『グッ! 何だと!?』
ちなみに、この一連のやり取りの間に、俺はポーラの拘束の解除と回復を行っていた。
『グァアアアアアアアア!!? 力が吸われるっ!??』
うん、これは効いてる。
どうやらまたもやラーフがメタった様だな。
「『
拘束も解除され地味に接近していたサレスが、金色千手阿修羅の手に顔面粉砕メンタルクラッシャーの力を出力&強化し、その上『コスモフリーズクラッシュ』の力を溜め込む!
「打ち抜けぇっ!! 『
ギィィィビシッ!! ドゴガッシャァァ――――――ン!!!!!
何かを掻き乱しひび割れる音と共に、顔面粉砕メンタルクラッシャーを使ったサレスのオリジナル必殺アーツが炸裂する!!
『ギィャァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!?!!!!!?』
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