241 〈呪霊灰山 8,9合目 灰影庭園〉27 宝物庫の守護者 銀砂宝環機HGNエングレイブドAR15

『『AR chain command start drive!!!!!!!!!!!!!!!!』』


 早速、最終フェイズに入ったエングレイブドの周囲に変化が起こる!

 エングレイブドの足元から灼熱する赤錆が広がり地面を侵蝕して往くのだ!


 ゴウッ!!!! ズォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!

 そして、予告されていた通りフィールドに嵐が吹き荒れ、灼熱する赤錆が宙に舞い上がり一気に侵蝕が広がる!!


CAクリアオーロラコーティング!!』


 侵蝕攻撃に実績の有る『CAクリアオーロラコーティング』をパーティ全員に掛ける。『CAクリアオーロラコーティング』は優秀で侵蝕だけなく熱も防いでくれる。

 まあそうでないと、この灼熱する赤錆の嵐は普通に死ねる効果だ。

 おまけにこれパッシブなんだよなぁ。エングレイブドを倒さない限り、ずっとこの灼熱の赤錆の嵐が続くって、どんな地獄だよ。


『『GOGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!』』


 ババババババシュゥ――――――――――――――ッッッッ!!!!!!!!!!

 凶悪な見た目に変化したエングレイブドが雄叫びを上げ、赤錆による変化で若干有機的な見た目に変わったロングバレルキャノンから、捉えた獲物を細切れにするレーザーの檻を作り出す光が放たれる!!


「ふふん♪ それの対処はもう分かっておるのじゃ! 『水透反射境リフレクションアクアレンズ』!!」


 シュジュジュゥ――――ッッ!!!!! エナが発動した魔法が、エルナ達を個々に透明な水のバリアで覆い、エングレイブドの放った無数のレーザー光を屈折させ、その全てを反射あるいは逸らしてエルナ達を守る!!


『『GOGAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!』』


 グルガァアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!

 レーザーが地面を溶かしエングレイブドを焼く中。そんな事はお構いなしに、赤錆で有機的な見た目となった本体よりも、より生物的な見た目へと変化したロボットアームを展開しながら、エングレイブドがエルナ達に突っ込んで来る!!


 うわ、気持ち悪っ! あのロボットアームどう見ても叫んでるよな!?

 キマイラって言うのはそう云う事なのか!?


「とにかく、動きを止める!! 『次元氷結五芒星爆裂ディメンションペンタグラムフロストノヴァ』!!!!!」


 ヒュバババァ――――――――ン!!!!! ズドトトォ――――ン!!!!!

 五つの紫光の軌跡が五芒星を描く様に、突進して来るエングレイブドに突き刺さる!


『『GAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!』』


 メキビシバキドバキャァ――――――ン!!!!! スドドドブシュゥ――――――――ッッッ!!!!!!! 強烈な冷気と共に爆ぜる様に紫の氷晶が現れ、エングレイブドの機体が内側から凍り付く。しかし、エングレイブドはそれらを完全に無視して、自らの機体パーツを砕き蒸気を噴き上げ尚も突っ込んで来る!!


「うっそ!? 止まらないのっ!?」


 ズゴゴォオオオオオオオオオオッッ!!!! 慌てて回避行動を取り、獣じみた動きをするロボットアームとエングレイブドの突進を何とか躱す!

 まさか少しも動きが止まらないとは、スーパーアーマーか何かか?

 それに、エングレイブドは赤錆化する事で脆く為ってる様だけど、機体パーツは砕けた端から再生してるし、これは常に捨て身状態って事か? 厄介だなぁ。


『『GOGA? GAGAAAAA!!!!』』


 突進を空ぶったエングレイブドはこちらに向き直りながら、溶鉱炉の如く輝く唯一残った砂時計からその輝きとは別の光を発する!

 確か。次に仕掛けて来るのは、爆炎の火柱を上げる攻撃だったはず!


 ヒュガッ!! ズドドォオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!

 膨大なエネルギーが詰め込まれた炎弾がバラ撒かれ、爆炎の火柱が幾つも上がる!

 これは、エングレイブドが予定していた通りの攻撃なので、反撃を入れながら余裕を持って躱す。


「ふにゅ! これは消火も兼ねた一撃なのじゃ!! 『竜気・激流乱水爆裂掌』!!!!」


 何時の間にかエングレイブドの懐に潜り込んだチナが、エングレイブドのコアの名を冠する砂時計に水の暴威を圧縮した水塊を叩き込む!!


『『GA……!!?』』


 ドッ!!!! ゴババァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!

 ジュボボボボォ――ッッッ!!!!!!! ドゴゴゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!


 解放された荒れ狂う水の暴威がエングレイブドとその周囲を飲み込むが、エングレイブドの発する膨大な熱エネルギーと水が一気に反応して、大規模な水蒸気爆発を引き起こす!!


「やったのじゃ!?」


 チナ、それはフラグだぞ!


『『GOGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!』』


 ドッパァジョボバァ――――――――ン!!!!!!!!!

 赤錆の嵐とエングレイブドが新たに発動した暴風の力が相まって、荒れ狂う洪水と化した水の暴威を吹き飛ばす!!


『『GUGOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!!!』』


 エングレイブドの核たる砂時計が新たな輝きを見せ、エングレイブドの機体とその周囲に光の爆発が顕現しようとする!


 やはりエングレイブドは、予定通りの攻撃を仕掛けて来るらしいな!


「ふふっ、このタイミングですよね! 『空絶黒導明滅』!!」


 蛇の如き冷酷な笑みを浮かべたチエが、エングレイブドの前に躍り出て金蝕星剣ラーフを一閃、光を飲み込む闇を生み出す!


 まあ、予定通りに行動してくれるんだからメタを張るのは当然だよな!


 グオン!! グボォオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!

 文字通り、全ての光がラーフの生み出した闇に飲み込まれる!!


『『GAGA!!??』』


 エングレイブドの機体と砂時計が、熱によって発する光も灼熱する赤錆の嵐もレーザーの檻も、そしてたった今爆ぜ様としていた光の爆発も、全てラーフの闇が飲み込んだのだ。その光が持つエネルギー事。そして、透かさずチエが次の行動に移る!


「ラーフ、光を吐き出しなさい!」


 ズオン!!!! ラーフの剣身から黄金の光が噴き出す!

 多分、発動したのはラーフのもう一つの必殺アーツだ。


 ラーフから噴き出した黄金の光は、今までと違い天に届く様な物では無く。

 巨大な光の剣と言った体を保ったまま、空に何時もの様な変化も起きない。

 恐らくあの黄金の光で作られた剣に、ラーフが飲み込んだ光の全ての力が凝縮されてるのだ。


『天爛金色星空 天写斬光!!!!!』


 斬ッッッッ!!!!!!!!! 黄金の光の刃が振り抜かれる!!

 チエはラーフの必殺アーツをアレンジしたのか!


 グギギィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!!!!!!

 コアグラスと称される砂時計は、激しく火花を散らし傷付きはするが砕けない!


「これは、一撃で終わりでは無いのですよっ!!」


 斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬斬ッッッッッ!!!!!!!!!!!

 ガキガキガキガキガキガキガキガキガキガキガギィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!!!!!!!!


『『GIGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!?!??!!!??!!』』


 バザシュゥッ!!!! コアグラスに付いた傷から超臨界状態の砂が零れ落ちるが、直ぐに膨大な熱量の影響の所為か傷が塞がってしまう!

 そう簡単にコアグラスを破壊できないって事か!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る