238 〈呪霊灰山 8,9合目 灰影庭園〉24 宝物庫の守護者 銀砂宝環機HGNエングレイブドAR12

 さて、方針も決まった事だし、エナの攻撃が効いてる内に追撃だ!


『無尽砂槍大嵐舞!!!!』


 胸部に内蔵されている、クイック,スロウ,パーフェクトの三つの砂時計の砂を掌握する事を意識して、無尽砂槍イニハレムメスタの必殺アーツを発動する!


 ゴガギャァアッッ!!!! ガリガリガリガリギャギャギャリィッッ!!!!!!

 エングレイブドの内側から何かが暴れ内側から激しく削る様な音が響く!!


『『!!? GUGIGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!?!!?!!』』


 ガシャン!! ザッバァ――――――ッ!!!! 右胸部パーツの隙間から大量の砂が零れ落ちる。確か、右胸部の砂時計はクイックだった筈。これまでかなり厄介な使い方をされていたが、これでグッと楽になるな!


「私も行きます! 『影鎖次元貫刺シャドウディメンションスティング』!!」


 ザワッ、桜の影が大きく広がり、幾本にも枝分れしながらエングレイブドに向かって伸びて行く!


 スッ!! ジャパリパリ――ン!!!! 伸びた無数の影は、砂時計が既に有ると分かっているパーツの隙間に入り込み、内部で稼働する砂時計のギミックを影鎖が串刺しにする!!


「やりました!」

『『!!!!??!!?!!!!?!!!』』


 ドサシャァ――――――――ッッ!!!!!

 左及び中央下部の胸部パーツから大量の砂噴き出す!!


『『GOGAGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!???!!!?!!!!??!! 『perfect hourglass last drive ――THE silver world eternal times』!!!!!!!!』』


 バシュゥ――――――――ッッッ!!!!!!! エングレイブドから天に向かって銀の光が迸り、天には時間を示す様々なモチーフが取り込まれた魔法陣が現れ、天に向かって迸る銀光には幾何学模様が浮かび上がる!!


「むぅ! これは、あやつの仕掛けの一つが発動しおったのじゃな!」


 グゥゥ――――――――――――ン!!!!!!! 幾何学模様を浮かび上がらせた銀光の柱が、周囲を飲み込みながら大きく広がり出す!!


「主様! あれは不味い気がします!」


 うん。これ完全に発動させたら絶対詰む奴だ!!

 そう危機感を覚えると、反射的に体が動き霊伐魂葬アルシュマを構える!!


「大神【囚われ繰返す夢幻死呪の御主】の力を秘めし、大神神器霊伐魂葬アルシュマよ! 私に死を齎す全ての因果を幻想に変え給え!!」


 エングレイブドの白銀のボディなんか目じゃない程美しい、霊伐魂葬アルシュマの白銀のボディが、全てを平等に飲み込む漆黒に染まる!!

 多分、霊伐魂葬アルシュマはこんな風に願う様に使うの正しいのだ。


『死変幻想!!!!!』


 世界を銀に染め上げ様とする無粋な光を、根こそぎ刈り取る様に霊伐魂葬アルシュマが大きく振るう!!


 斬ッッ!!!!!

 世界がゆっくりと斜めにズレ落ち、次の瞬間世界が切り替わる!!


 ガシャァ――――――――――――――――ン!!!!!!!!!!!!


『『GOGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!??!!!????!!!!!!???!!!』』


 盛大にガラスが割れる音と、エングレイブドの絶叫の最中目に映ったのは、白銀の装甲の隙間の至る所から大量の砂を噴き出すエングレイブドと、大量の銀砂を滝の様に垂れ流す巨大構造物である砂時計のオブジェクト姿だった。

 それと、砂時計のオブジェクトが垂れ流す銀砂は、三つの砂時計が合体交差した様な構造の砂時計の内の一つが、綺麗に断ち切られそこから流れ出ている様だ。


 なるほどね。これがアルシュマの力の一端か。

 こちらに不利となる事柄を事象改変で消し去り、おまけにその原因まで排除する。

 恐らく。カーベルカ―ロッタが、エルナに伝えようとした『死変幻想』の使い方はこう云う事なんだろう。


 うん。チートかな? しかも、今の奴でもこれ、【第零形態】のアルシュマの力を全然発揮出来ていないっぽいんだよなぁ。何故かと言うと。【第零形態】とは云え本領発揮出来ているのなら、今ので終わっていたとアルシュマから伝わって来るからだ。ほんと、大神の力はヤバいね!


 それじゃあ、『天道日輪金剛不壊』の効果時間が残ってる内にあのデッカい砂時計のオブジェクトを完全破壊しよう!


『AR drive start……『EHGN energy boost charge ――1,2』』


 とこちらが動く前に、砂時計のオブジェクトを支える三つのリングが高速で回転し出し再びカウントを刻み出す!


「なんだ!? エングレイブドの奴はダウンしてるのに、勝手にカウントダウンを始めたのか!?」


 確かにサレスが言う様に、エングレイブドは言い方は悪いかも知れないが、まるでゲロを吐く様に大量の砂を垂れ流しグッダリしている様に見る。そして、気が付く。


 あっ、なるほど! ARってオートローテーションの事か!

 って事はだよ。もう、エングレイブド本体がカウントを刻まなくても、自動で勝手にカウントダウンを刻んで往くって事じゃん!

 これは、マジで早く破壊しないとダメなヤツだ!!


「これは不味いな! エングレイブドの本体が動き出す前に、後ろのデッカい砂時計をぶっ壊す!!」


 大日金剛太郎マグナ・アウルムウルサスEXの右手が黄金に輝くと、その手には太陽に瞳を宿した超巨大な黄金の鮭が握られていた。


 キュピ――ン!! ここでカットインが入る!

 大日金剛太郎がやって居た様に、大日金剛太郎マグナ・アウルムウルサスEXがビタンビタンと暴れる太陽大王鮭をヌンチャクの様に振り回し、大日金剛太郎マグナ・アウルムウルサスEXの口に当たるフェイスパーツがパージされ、隠されていた牙を剥き出しにして太陽大王鮭に噛みつき合掌、大日金剛太郎がしていたポーズを完全再現する! うわっ! かっくいいっ!


 大日金剛太郎マグナ・アウルムウルサスEXから黄金のオーラが噴き上がり、合掌した大日金剛太郎マグナ・アウルムウルサスEXの手から太陽大王鮭に黄金のオーラが注ぎ込まれる!


 そして、ゆっくりと一本の芯を通す様に合掌した手を左右に広げて行く! 太陽大王鮭がピンと真っ直ぐに芯が通ると同時に、黄金のオーラが太陽大王鮭の全身に染み渡りその身に黄金の太陽が輝く!!

 最後に太陽大王鮭を構え、エングレイブドの背後の巨大砂時計をピっと指差す!!


「喰らえ! 一撃粉砕!! 『サーモンサンライトブレイカー』!!!!!!」


 大日金剛太郎マグナ・アウルムウルサスEXが、光背から黄金の光を噴き出しながら大跳躍する!!


『!? intercept!! 『assault fire ――DD8×2』!!』

『assault shooting ――SCB-BF720!!』


 ダウン状態から回復したエングレイブドが、オブジェクトに向かって大跳躍した大日金剛太郎マグナ・アウルムウルサスEXに気が付き、脚の機関砲と小型かつ高速なミサイルを大量にバラ撒く!!


 エングレイブドは迎撃する心算か! 確かに、『天道日輪金剛不壊』はノックバックが効くしこの密度じゃ避けられないし、大日金剛太郎マグナ・アウルムウルサスEXが撃墜される可能性が高い。これは、攻撃失敗か!?

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