217 〈呪霊灰山 8,9合目 灰影庭園〉3 騒ぎに引き寄せられるもの
それじゃあ、まずは『
なので、俺が使うのこれだ!
『
『
シュン!ヒュン!! と紫の軌跡が影鎖によって宙に磔にされた様にも見える六匹の巨大サメに命中する!
ゴキン!バキン! バリバリバリィッ!! サメの身体の内側から紫の氷晶が急成長し突き破る!
ガガァアアアァァァ……!?! 氷晶が大きく成長すると共にサメの動きが鈍り、完全に紫の氷晶のオブジェと化す! まあ直ぐに、死体も手に入った筈のドロップも、消えてしまうんだけどね。
「まずはサメ六匹と。残りのサメ二十一匹は、為るべく仲間を呼ばれない様にサクッと倒したいね」
「それじゃあ今度は、サメを捕まえたら直ぐに隔離して見ましょうか?」
「うん。それが良いかも」
桜と言葉を交わしている間に、エルナ達の周りの砂地を泳ぎ旋回していたサメ達が、こちらを向かって勢いを付け突進して来る!
「ふむ。サメ達もこちらを攻撃する決心がついた様じゃのぅ!」
周囲を泳ぎ回りながら様子を見ていたサメ達が、時間差をつけ次々とこちらに向かって加速する! そう、シャークアタックによる波状攻撃だ!
「ふむ。まずはわしがサメの動きを止めるのじゃ。『永久凍土』!」
エナが軽く灰混じりの砂地を足を踏みつける。
サァ――っと冷気が広がり霜が降りる様に砂地を硬く凍て付かせて行く!
ドゴン! ガガァアアア!?! 砂の中を泳ぐ様に直進して来たサメが、壁に衝突した様な音を立て動きを止める!
凍り付いた砂が壁と為って砂中を泳ぐサメを進路を遮ったのだ。
そして、そのサメはそのまま『永久凍土』飲まれて行く。
波状攻撃を仕掛けたサメ達は、次々と広がる『永久凍土』の砂氷の壁に打つかりそのまま凍て付いて行く。流石に後続のサメ達は気が付き、慌てて『永久凍土』から逃れようと砂中から飛び出して来る!
中にはジャンプに失敗して、砂から脱出しきれずに『永久凍土』の餌食になる。
『
砂地から飛び出て来たサメを冷静に『
そして、『永久凍土』に捕まったサメ達は、ゴキュ!ミシィ!キュィッ! と砂に含まれる水分が凍り付く事で起こる凍結膨張の異音が響く中、圧迫され身動きが取れなくなる。しかし、それではサメ達に止めを刺すのに至らないため、桜の追撃で仕留める。
『
ジャララララララァァァッ!!! ガァアアァァ……?!? 大量に出現した影鎖が『永久凍土』で身動きの取れないサメ達をドスドスと仕留めて行く。
最後の一匹にも『
どうやら、追加の仲間を呼ばせずにサメ達を始末出来たようだな。
サレス視点
体長20m前後、足元から甲羅の先端まで約28mもある巨大ガメの一体が、
『グラベルブラスト・グランブレス』
ボボッ!! ボボゴゴォオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!
砂嵐でも起こせそうな大量の砂利が、巨大ガメの口から超高速で吐き出される!!
『大山幽玄』
『グラベルブラスト・グランブレス』が
大型外力甲冑専用装備、黄金大鉞 深山熊谷のパッシブ『大山幽熊』が発動し攻撃を回避&無効したのだ。ちなみに、先に発動したアーツ『大山幽玄』は、『大山幽熊』の効果発生率を上げるものだ。
俺はブレスの中、
「『煉剛熊体』『熊掌剛破』『サンシャイン・ベアクロー』」
『七星爪撃!!!!』
ザンザンザン!ザザザン!! ドシュッ!!!! 巨大ガメの前に躍り出た
ウォオオオオオオオオオゥゥッ!!!!
巨大ガメが絶叫を上げ全身から血を噴き出し絶命する!!
はい、これで一匹っと。
ちなみに『七星爪撃』は、『拳聖技』の必殺アーツの一つ『七星拳撃』の爪バージョンだ。そう言えばこれは、オリジナルの必殺アーツという事になるのかね?
まあ、良いか。
とにかく、残りのカメを倒さないとな。っとチエとチナに視線を向ける。
『龍撃砲・光波銀雷弾』
ドゴゴォォ――――――――ン!! ドゴゴロゴロガガァァ――――――――――――ン!!!!! ゴッボォオオオオオオゥッ!!??!
丁度、銀色に光る雷球が巨大ガメに命中し、爆雷が荒れ狂っている所だった。
うん。これはもうチエの方は決着ついてるな。
残りはチナが相手にしているカメだけだが。
『『竜撃砲・焔水滅閃』なのじゃ!』
シュバッ!!!!!! チナの口から放たれたブレスは完全にレーザー光線のそれで、巨大ガメは真っ二つになって絶命そのままドロップも残さず消えていた。
なるほど。俺達の方が過剰戦力だったか。
ポーン!
Σうお!? 何の音だ!?
――警告――
ベアノーズレーダーに敵性反応有り。
ビックリしたなぁ、今の
しかも、ベアノーズレーダーって要はクマの嗅覚の事だろ。変なレーダー機能だなぁ。
で、敵の反応だって?
エルナ達の方は上手くやった見たいだし、これはチエの龍撃砲がちょっと五月蠅過ぎた所為かな?
エルナ視点
さっきサレスから、パーティチャットでエネミーの接近を伝えられた。
どうも巨大ガメを倒したチエのブレスの爆発が、流石に五月蠅過ぎたようだ。
『星覚』をサレスに教えて貰った方向に広げると、夥しい数の影鬼が接近して来る事が分かった。
「うわ、物凄い数の影鬼が近づいてるよ。数が多くてちょっと気持ち悪いね……」
「むむ。どうやらその様じゃなぁ。それに、影鬼共の中に少し毛色の違うモノもおる様じゃぞ?」
毛色の違う奴が混じってるねぇ?
もしかして、影鬼達の親玉でも出て来たのかな?
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