212 道塞大鬼熊 大日金剛太郎リザルト3

 さて、次は特殊条件達成報酬の確認と行きたい所だが。

 エナに送られた討伐報酬がどんな物かも気になるんだよね。

 でも、所謂報酬の分配的なヤツとか、エナとは何も決めて無いからなぁ。

 これって、MMOで良く有る揉め事に繋がる案件だよねぇ。

 まあそれでも、エナがどんな物を貰ったのか気になるし一応聞いてみるかな?


「ねえねえ、エナ? エナの討伐報酬はどんな物だったの? あ、もちろん欲しい訳じゃ無いよ? ほら、こう云う時に貰えるアイテムの性能とか気になるじゃない?」


「ふむ。褒美のお宝がどんな物か気になるのは真理じゃな!」


 うんうんとエナが頷く。

 お宝が、どんな物か気になるのは真理とまで言いますか。

 う~ん。確かにそうかも。


「もちろん、エルナ達にも見せるのじゃ。それにのぅ。先程のボス戦、わしは途中参加じゃったしのぅ。この装備、必要ならエルナ達が使うと良いのじゃよ。そうでなくともわしは、お主らの強化を優先すべきだと思っておるしのぅ。まあ、遠慮する事は無いのじゃ」


 おおっ! 流石エナ様! 竜神様!

 自分の討伐報酬をこちらに回してくれる見たいだ。 


「ふふん♪」


 エナが、「わしの事を褒めても良いんじゃよ」とドヤ顔アピールだ。

 エナ、可愛いぞ~とわしゃわしゃする。

 いや~、本家のドヤ顔久々に見た気がするなぁ。


「なでなでじゃ……ない……じゃと!?」


 なんか、わしゃわしゃされてエナが驚愕しているけど、気にせず装備の確認だ!

 で、エナの討伐報酬がこれだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

黄金熊手 陽炎

フレーバー;陽炎は触れない……故に無敵!

大日金剛太郎の鉤爪と陽炎の力を持った黄金の手甲鉤。

パッシブ 金剛煉爪 金剛大熊力 幻身陽炎

専用アーツ 金剛力 転身陽炎 熊手閃爪 貫手陽炎 熊襲爪嵐 無双陽炎 煌爛

STR+16900,DEX+4640,AGI+5040,IMA+18800

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 他の大日金剛太郎クマの討伐報酬から考えるとステ補正は低く見えるけど、この手甲鉤は外力甲冑関連じゃないから別に低い訳じゃないか。

 でも、朱厭狒緋童子の報酬の錫杖よりもステ補正が低いんだよなぁ。明らかにあの大日金剛太郎クマの方が強かったのに……って、ああそっか! この手甲鉤は能力が強力なのか!


 それで、能力を確認して見た所。

 確率で攻撃回避&防御無視の貫通攻撃が発動するパッシブ『幻身陽炎』に、確定回避のアーツ『転身陽炎』,確定防御無視の貫通攻撃『貫手陽炎』、極めつけは必殺アーツの『無双陽炎 煌爛』の無敵連続攻撃だ。

 この必殺アーツ、自身が一切攻撃や反撃を受けず、防御無視の連続貫通攻撃で相手を一方的にボコると言うエグい必殺アーツなのだ。

 うん。黄金大鉞にも装備機体に自動回避とか付いたけど、これはそれに輪をかけてヤバい能力だな。ちなみに、鉤爪は出し入れ可能なタイプだ。


「ほほぅ、やはりあのクマさん。全身黄金なだけあって、創天様の褒美も皆キンキラじゃのぅ♪」

「ふにゅ! カッコイイのじゃ! わちが使いたいのじゃ!」


 チナがワクワクと身体を上下に揺らす。

 チナが黄金熊手 陽炎を装備して使いたい見たいなのだが、今チナが使っている神顎手甲の日に三回復活できる効果は大きいんだよ。

 それに、神顎手甲のお陰で攻撃のバリエーションも増えてる訳だしなぁ。

 チナに新装備を使わせて上げたいとは思うんだよ? でもなぁ……。


「チナの今使ってる神顎手甲は、効果が強くて外し難いんだよね……。でもやっぱり、黄金熊手も能力が凄いし、それに補正値が段違いに高いんだよねぇ……う~ん。どうしようかなぁ? エナ如何思う?」


「ふむ。わしはこの鉤手甲、チナが使うのは存外良いと思うのじゃがのぅ? それに、チナの奴があまり活かしておらん霧の衣との相性も良さそうじゃしのぅ」


 霧の衣? Σああ、霧霞の衣アッセムミストの事か!

 そう言えばそれ、チナの感知能力を上げる事くらいにしか使ってないよな。


「ふゆ?」


 可愛く小首を傾げるチナがとっても可愛いのだが、取り合えずアッセムミストの能力を思い出そう。


 確か、空気中の僅かな水分から情報を得る力と、姿を朧気にする認識阻害。

 それと、専用アーツによる霧や霞に姿を変え同化する能力だったっけな。

 それにしても、霧や霞に姿を変えるって属性的にはチナにも出来そうだけど、普通に強力なアーツだよなぁ。もしかして、使えたり?


「ふみゅ? もともと魔法を使えば出来るのじゃ!」


 もともと霧化出来たんかい!

 ま、魔法を使う必要が有るらしいけどさ。


 それで、当然魔法を使うよりもアッセムミストのアーツ、『変幻霧在』の方が使い易い。では、何故アーツ使わなかったのかと云うと。アッセムミストを手に入れて直ぐは霧化するのは危なかったし、もともと自力で霧化出来る事も相まってチナはそのまま忘れてしまったので様ある。

 ちなみに、認識阻害効果の方は、パッシブだけど度合いを変えたり効果を切る事も出来る優秀な効果だが、味方にも影響が有るから使ってない。


 う~ん。ま、まあしょうがないかぁ~。

 でも、これを使っていれば、チナはデスを免れた場面が結構あるんだよねぇ~。

 という訳で、モヤモヤするのでチナの頬っぺを摘まんでむにむにする。


「Σうにゅにゅっ!?」


 一頻りチナの頬っぺたをむにむにした後、改めて黄金熊手 陽炎と霧霞の衣アッセムミストの相性を確認した。

 相性はバッチリで、アッセムミストの『朧霞』と『幻身陽炎』が互いに効果を高め、『朧霞』の認識阻害に至っては味方にも影響があった物を、味方には影響しない様出来るようになった。

 そして、アッセムミストの専用アーツ『変幻霧在』を、黄金熊手の『転身陽炎』と『貫手陽炎』に併用すると単発効果が複数回になり、『無双陽炎 煌爛』と併用すると必殺アーツの効果が時間が延長されるのだ。

 うん。この組み合わせ強い。


 という訳で、神顎手甲はチエに渡す事にした。

 もちろん、クマさんぬいぐるみグローブをその上から被せて装備するのは確定だ。


「姉様。この神顎手甲、有り難く使わせて貰います!」

「うにゅ! 良きに計らうのじゃ!」


 チエがチナから神顎手甲を「はは~」っと恭しく受け取る。

 うむ。微笑ましい光景だ。


「ふっふっふっ♪ これで無茶が出来るのですよ!」


 あれれ、チエさん? 幾ら日に三回の復活が付いたからって、いきなり敵に特攻仕掛けたりしないよね?


「うみゅ! とうとうわちは無敵の力を手にしゅてちまったのじゃ!」


 チナもドヤ顔で黄金熊手 陽炎を構えて、ポーズを決め何か言ってるけど。

 気にせず、陽炎の上からクマさんぬいぐるみグローブを被せて着ける。


「ふみゅ!?」


 さて、なんでクマさんぬいぐるみグローブを重ね装備させたのかと云えば、もちろんステ補正が適用されるからなのだが、一つ懸念がある。

 それは、黄金熊手 陽炎の鉤爪の出し入れだ。

 流石に重ねた状態で鉤爪を出したら、グローブに穴が開くんじゃないかと思うのだが。まあ、例え穴が開いても直せるだろうし、試しにその状態で陽炎の爪を出して貰らおうと思う。どの程度破損するか確認のためだな。


「うにゅ? クマさんの爪を出して大丈夫なのじゃ?」

「うん。壊れるにしても、どんな感じなのかの確認だからね」

「ふみゅ、分かったのじゃ。『金剛煉爪』なのじゃ!」


 シャキ――ン! とグローブから陽炎の爪が生える。

 見た感じ穴が開いた様に見えない。陽炎の爪を引っ込めて貰っても、グローブは切れたり破れたり穴が開いてたりしていない。まさかの無傷だ。

 いやまあ、グローブが破損しなくて、直す手間が掛からないのは良いんだけど何でだろうね?

 う~ん。クマ繋がりで無傷? それとも鉤手甲の名前が陽炎だから?

 あるいはその両方なのかねぇ?


 分からないけど、まあ良いか。

 次は、特殊条件達成討伐報酬の確認だな。


 ちなみに、パッシブ効果の『金剛煉爪』で爪の出し入れが出来る。

 もちろん、わざわざ口に出す必要は無いよ。

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