202 突発強制クエスト『餓鬼の乱』リザルト2
「巨骸甲冑か……。金色千手阿修羅の方が、機体スペックも高くて使い勝手も良いからなぁ。確かに今使っていないし宝の持ち腐れだよな。ふ~む。どうせならエルナが乗って見るか?」
「う~ん。そうだねぇ~、やっぱり私が使うのは微妙だと思うな~」
「まあ、そうか。エルナのスタイルとは噛み合わないか。でも、それを言うとチナとチエも合わないよな」
必然的に二つの巨骸甲冑を問題無く扱えそうなのは、桜だけなんだよねぇ。
「私ですか? じゃあ、少し試して見ましょうか?」
「うんうん。お願い、桜」
二つの巨骸甲冑を、サレスの『コスモストレージ』から、桜の『ディメンションストレージ』に移す。これで二つの巨骸甲冑は、桜の【次元干渉】の力に掌握された状態になる。そして早速、掌握下に置いた巨骸甲冑で何かする見たいだ。
「えいっ! 『ディメンションピース』!」
ドンッ!! 唐突に巨骸甲冑の腕だけが出現し地面を穿つ!
よく見ると、その腕からはホログラム映像っぽさを感じなくもない。
そう思って見ていると、ザっとノイズが走り腕が消える。
やはり実体では無かった様だな。
これは多分、巨骸甲冑の次元面の一部分を写し取って、腕だけ出現させたのかな?
しかも、ちゃんと物理的な破壊力もあるのか。
これは、かなり使えそうなアビリティだな。
「もう一回! 『ディメンションピース』!!」
ブンッ!! 今度は巨骸甲冑の全身が現れ、殴る掛かる動作してノイズが走り消えて行く。いやぁ、これはアレだな。超有名RPGの最後の幻想的なヤツで使われる召喚魔法まんまだよなぁ。
取り合えず、この使い方なら巨骸甲冑に乗らなくても使用可能って感じか。
「あ! 今ので『
ブウンっと音がすると、地面の一部が綺麗に切り取られていた。
ふうむ。これは、『
効果範囲が狭いから、逆に使い易いそうだな。どちらにせよ、『
今度は普通に巨骸甲冑を外に出す。
「新しいスキルも有りますし、多分問題無く行けるはずです! 『
桜から空間の歪みを思わせる様な何かが飛び出し、それが地面に置かれた巨骸甲冑の中に飛び込み見えなくなる。
ブオン!! キュイ――ン!! と言う、巨骸甲冑が起動する音が鳴り響き機体が起き上がる。
「ん、大丈夫そうですね」
お? 憑依なんて言うから、ここに居る桜の意識が無くなったりするのかと思ったけど、如何やら違う見たいだな。
さっき習得したスキル『分割思考演算』で、実質的に増えた意識を【次元干渉】の権能の力に乗せ憑依させたらしく。憑依させた意識の方を巨骸甲冑の搭乗者にして、ここに居る桜も巨骸甲冑も何方も自由に動かせると言う状態にした様だ。
それに、懸念事項の一つであった、CEの自然消耗による『コスモマテリアル』の消滅が起こらなかったのも大きい。
実は称号の【CEプロテクト】が、マスクデータ的に進化してたりするのかね?
あと、巨骸機構甲冑の方も問題無く扱う事が出来る様で、桜曰くスキルLVが上がれば二つの巨骸甲冑を別々に動かす事も出来そうとの事だ。
これは、実質的に戦力が大幅にUPしたと言えるんじゃないか?
しかもこれ、直接乗って無くても桜にとっては装備状態になってるらしく、巨骸甲冑のステ補正の恩恵を常に受けられる見たいなんだよなぁ。
うん。これは『多次元装備』のスキルが強過ぎるのでわ?
ちなみに、サレスが巨骸甲冑を装備しなくなっても、エルナのステ補正的にはあんまり下がった感じはしない。なんせ金色千手阿修羅に、サレスがずっと乗ってるからな。
まあ兎に角、巨骸甲冑の宝の持ち腐れ問題は解決って事で、報酬の確認に戻ろう。
取り合えず、エルナの報酬は何かシリーズっぽいので後にしてだ。
先に、チエの最多ガード報酬の確認をしよう。で、それがこれだな。
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聖域結界エリフィウェンティア
フレーバー:まさか、聖域の輝きをこの身に宿す事になろうとは……。
身に着けた者とその周囲に、聖域の守護と力を与える銀のブレスレット。
※チエ専用大神級神器。『餓鬼の乱』最多ガード報酬のため装備制限無し。
パッシブ 移動聖域結界 自在拡張操作 所有者固定
専用アーツ
専用スペルアーツ
HP+400000,MP+400000,SP+100000,VIT+8800
DEF+9200,MAG+9600,RES+12000,LUK+5600
IMA+3900,AUR+21000
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おお! チエ専用大神級神器! しかも装備制限無し、これは絶対強いだろっ!!
シンプルだけど強力そうな専用アーツとスペルアーツに、エナの神具に匹敵する高いステ補正。そして極め付けが、どう考えてもヤバくて強力なパッシブ効果だ。
要はこのパッシブ効果、移動可能な拡張機能付きの強力な結界で、しかも結界の内側が聖域に相当するって言うヤバい効果なのだ。
いやぁ、こんなの絶対強いに決まってるじゃん!
チエのギフトボックスに送られて来たチエ専用装備なので、当然チエが装備した。銀のブレスレットだし、チエのイメージにピッタリでとても良く似合ってる。
そう思っていると、急に強烈な光が目に飛び込んで来る。
「って、まぶしっ!?」
「ふにゅ!?」
「~!?」
「Σにゅっ!? 皆さんすみません!」
俺はもちろん、チナと桜も眩しくて思わず目を瞑る。
うん。エリフィウェンティアの効果のパッシブ所為なのか、チエとその周りの空間が白く強烈に輝きとても眩しいのだ。
ちなみに、サレスは金色千手阿修羅に乗っているから全然眩しくない見たいだ。
「直ぐに調整するのです!」
流石にこれは目立つし、このままだとチエを直視できないため、エリフィウェンティアの聖域結界の光が見えなくなる様にチエが慌てて調整する。
如何やら、チエの神力とエリフィウェンティアとのシナジー効果で、聖域結界の光が必要以上に明るくなり過ぎたようだ。聖域と神力なんて
パッシブ関連のシナジー効果では、こう云う事が有るって知れて良かったと思って置こう。これは眩しいだけで済んだけど、他の物がそうとは限らないしな。
それじゃ、エルナの報酬の確認をしようか。
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