174 〈呪霊灰山 7合目〉修練場への道行き
上級修行者達の修練場を目指して、金色千手阿修羅の金輪と念動機動操手の黄金の弾丸で、餓鬼どもを殺戮しながら歩みを進める。
うん。視界に光景はアレだがめっちゃ楽だ。
『星覚』のスキルが前方に、結界の反応を感知する。流石は上級修行者達の修練場。修行者達の集落もそうだったが、ちゃんと結界が張ってあるな。
そう思っていると。『星覚』スキルの3Dマップに、今までの餓鬼どもよりもサイズの大きい個体が、チラホラと映り出す。
「グギャァァァッ!!」
金色千手阿修羅が目立つのか真っ先に向かって来る。
チュドドドドドッ!! そんな餓鬼どもを容赦なく黄金の弾丸が蜂の巣にして行く。
「グギャッ……!?」
「グヘッ!?」
「ギャギャッ!?」
餓鬼どもが何が起こったんだ!? って顔で死んで逝く。
これはファンタジーに良く有る、強キャラがゴブリンを虐殺のする図って奴なんじゃ無いだろうか? それに何か、心成しかコミカルに死んで逝ってるな?
え、違うって? 餓鬼とゴブリンに種族的関係性は皆無だって?
そもそもエネミーには、エルアクシアの原生生物産とダンジョン産,迷宮化による変異,異世界産とあって……、ってもう良いよ!
ふぅ~、エルナの滅多に役に立たない知識系スキルが、無駄に反応してたわ。
それにしてもやっぱり、ソフィーちゃんは無反応状態だなぁ~、何が忙しいんだろうね?
金色千手阿修羅が、器用に空中移動しながら座禅を組み、餓鬼どもを虐殺すると云う、何とも言えない光景を見つつ移動していると。3Dマップに映る餓鬼どもの反応が、金色千手阿修羅の攻撃以外で消えて行ってる事に気付く。
3Dマップには、巨大な球体が物凄いスピードで、こちらに向かって移動して来ていると表示される。
なんだ!? デカい球状の物体がこっちに向かって来てるぞ!?
ドドドドドドドドッッ!! ドン!!!! 餓鬼ども身体が絡まり合い巨大な球体と為った物が、近くの岩壁から物凄い勢いで飛び出して来る!!
¶徘徊BOSS 猩々大餓鬼玉に遭遇しました。
Σうおっ!? こいつ徘徊ボスかよ!
「金剛傍牌宝鏡!」
サレスが透かさず金剛傍牌宝鏡を取り出し、猩々大餓鬼玉に向かって構え。
『
そして、躊躇せずに必殺アーツを放つ!!
シュワァアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!
金剛傍牌宝鏡から強烈な光が放たれ、猩々大餓鬼玉を分解して行く!!
『ボォアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!?!!?』
球体だった体の中から巨大な人影が現れるが、そのまま金剛傍牌宝鏡の光でバラバラに分解されて行く。
¶徘徊BOSS 猩々大餓鬼玉を討伐しました。
討伐報酬がギフトボックスに送られます。後でご確認ください。
えっ? もう終わったの?
しかもこいつ、討伐報酬までくれるの?
これは金色千手阿修羅が強いのか、この徘徊ボスが弱かったのか。
どちらだろうな?
「ふぉぉっ! 金ぴかロボがぼしゅを瞬殺なのじゃ!」
機動仏尊 金色千手阿修羅の活躍に、チナが目を輝かせてめっちゃ興奮している。
まあ、ロボの活躍に興奮しているのか、金ぴかに興奮しているのか分からんけどな。
取り合えず、サクッと討伐報酬を確認しようか。
まずは、チエの討伐報酬のチェックだな。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
おなかいっぱい満腹蓬莱玉
フレーバー:ああっ! 何と言う幸腹!! 俺は幸せだ……!!!
三千年に一度実を付ける
パッシブ 空腹無効・神 穢れ探知 穢れ反転
専用アーツ 蓬莱の玉の枝
HP+80000,SP+100000,VIT+4100,LUK+9390,AUR+3310
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
えっ? 名前はアレだけど、これかなり強いのでは?
一撃で倒されたボスの討伐報酬とは、とても思えない代物だよねこれ。
御仏の有難い光で浄化されたからかな? んな訳無いか。
「これは、主様が使ってくださいね!」
「うにゅ。しょれが良いのじゃ!」
「ですね!」
「え。うん、分かったよ」
サレスも無言で頷き、何だかなし崩しで、おなかいっぱい満腹蓬莱玉をエルナが装備する事に為った。
う~む。『空腹無効・神』とかエルナには必要ないかなぁと思ってたし、ほんとはそのままチエに使って貰おうと思ってたんだけどなぁ。まあ、いっか。
ちなみに、おなかいっぱい満腹蓬莱玉を、星矢ノ剣帯ステラレインに近付けると。
紐が伸びて来てクルクルと巻き付き、見事にステラレインのストラップの一つに為るのだった。
今度は、エルナの討伐報酬の確認だな。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
危急饑渇猩々面
フレーバー:ああっ!! 今すぐこの餓えと渇きを満たしてくれっ!!
俺に理性が有るうちにぃぃっ!!!!
餓え渇き苦しんだ猩々達の怨念が宿った呪われた面。
パッシブ 飢渇誘発 飢渇狂乱 餓獣激怒
専用アーツ 無尽噛み千切り 酒乱暴飲 暴食猿舞
HP-300000,MP-150000,SP-75000,STR+46800
DEF+27900,INT-34650,AGI+36720,IMA-43560
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
タイムリーな装備来た! ……と思ったんだがこれは無いな。
完全に呪われてるし、ステ補正も高っ! と思わせて置いて、STR,DEF,AGI以外全部マイナスなんだよな。
しかもこのステ補正値、BP換算で見てもマイナス値の方が、明らかに数値高いんだぜ? 絶対装備しないわ。
呪いを解除したら普通に装備その物が消えそうだし、仮にマイナス補正が無かったとしても、やっぱり使わないな。蓬莱玉で餓えは何とか為るかもしれないけど、渇きは乾燥耐性程度では如何にも為らんだろうから、装備したら結局可笑しくなりそうなんだよな。
あ、でも『精神状態異常無効・神』で何とかなる?
まあ、どちらにせよ。これは処分決定だな。
「チナ、これの処分お願いできる?」
そう言ってチナに、痩せこけた鬼気迫る表情の猿の面を渡す。
「うにゅ。時を掛ければ何とかなると思うのじゃ」
あっ、これ直ぐに浄化出来ないんだ。
うん、やはり処分するのが正解だ。とんだハズレアイテムだったな。
チナが、エナの神域に面を送ってから直ぐに移動を再開する。
目的地と思われる場所は、もう既に『星覚』のスキルが捉えているし直ぐに着くだろう。
再び現れる様に為った餓鬼どもを駆除しながら進むと、漸く結界の張られた場所を結界の外から見る事が出来た。結果の張られている場所は、今いる場所よりも下に降っておりパッと見すり鉢状の地形に為っていた。
すり鉢状の地形の端には幾つかの小屋が並び、そのすり鉢の中に岩が幾つも積み上がって出来た、小さな岩山と為っている場所が幾つも有る。
あの小屋に、多分上級修行者の人達が住んでいるのだろう。
しかし、ここでどんな修行をしているんだろうか?
ちょっと予想が付かないよな。
まあ兎に角、修練場の結界の中に入ろうか。
目的地が見えて、自然と足が速くなり進んで行く。
恒例と為っているとも言える、エリアボスが出現する何て事も無く。
無事、修練場の結界の中に入る事が出来るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます