131 天壌の楽園アルケシオン1
ゲートを開いた時に見た島のビーチに、チナ達が見えコチラに手を振っている。
それに応えながら翼を広げ、エイルさんと共にビーチに降り立つ。
「皆、お待たせ~」
「ふにゅ、全然待ってないのじゃ!」
「こちらに来て、エルナ殿だけ居なかった事に少し焦りはしたがな」
「そうですよ! 私も焦っちゃいましたよ! それでそちらの方は?」
お、サレスが演技してるぞ?
ああ、そっか。エイルさんが居るからか。
取り合えず、エイルさんに自己紹介をして貰おう。
「こちらの方はエイル・シオンさん、この小世界〈天壌の楽園アルケシオン〉の管理人さんかな? 詳しくはエイルさんからお願いします」
「はい、かしこまりましたエルナ様」
エイルが優雅に一礼し、改めて自己紹介を始める。
「今、エルナ様にご紹介預かりましたエイル・シオンと申します。ワタクシは、この〈天壌の楽園アルケシオン〉誕生と共に生まれた管理天使の一人です。主な管理担当は生態系の管理ですが、小世界の統括的な管理もワタクシの仕事です。ですので、僭越ながらワタクシが、島主代行主席管理者となっております。今後は、島主であるエルナ様の意向に沿って、アルケシオンの管理を行って参りますので、皆様よろしくお願い致します」
「うにゅ、わちはチナなのじゃ! エルナの守護神をやっている者なのじゃ! よろしくなのじゃ!」
「俺はサレス。エルナ殿と契約を交わした召喚騎士だ。エイル殿、今後ともよろしく頼む」
「私は、サレスさんと契約している精霊の桜です。エイルさん、仲良くしましょうね!」
「はい! よろしくお願いしますね♪ それと、エルナ様達の歓迎の準備が整っていますので、是非こちらへいらしてください」
エイルさんに案内されてビーチから島内に移動すると、〈ようこそ天壌の楽園アルケシオン島へ!〉、〈歓迎!! 島主様御一行!!〉の横断幕が目に入る。
横断幕に近づいて行くと、島民の人達が盛大に出迎えてくれる。出迎えてくれた島民達は、この島固有の種族半精霊のムンモイに海に近いからか人魚やマーマン、そして、横断幕を空中で広げて見せていた天使と小妖精達だ。
ちなみに、ムンモイはデフォルメされた2頭身から3頭身程のアニメキャラの様な見た目の種族だ。彼らはムンモイと言う言葉しか使わない。正直可愛いし癒される。
小妖精は所謂フェアリー、と言っても島の固有種らしい。
あと、人魚とマーマンについては特に説明は要らないだろう。
ハワイ等の南国で、歓迎の印として良く見られるレイを首にかけて貰い、南国のフルーツなどを振舞われる。まさにリゾ-ト気分だ。
チナが、マーマン達から次々と差し出されるフルーツや、新鮮な魚料理を美味しそうにもしゃもしゃ食べ、桜も何時の間にかフェアリーの娘と仲良くなったのか、出されたフルーツを一緒に食べている。
うむ、二人共かわいいな!
サレスも、人魚の娘が持ってきた魚料理を食べて満喫している様だし、酒盛りも始まって完全にお祭り騒ぎだ。
「ムンムン♪」
「モ~イモイ♪」
身長50㎝程のムンモイが、頭に料理やフルーツの盛り合わせを乗せエルナに振舞ってくれる。ムンモイの持って来てくれたおもてなし料理を味わっていると。
エイルさんが、横断幕を持っていた三人の天使を連れて来る。
「エルナ様、まだ他にも三人居りますが。まずは、こちらの者達をご紹介させて貰ってもよろしいでしょうか?」
「もちろん、お願いするよ」
「左から順に、ファナ・シオン,セルメ・シオン,ナミュラ・シオンです」
三人の天使が、名前を呼ばれた順に一礼して挨拶をしてくれる。
そして、それぞれの見た目だが。ファナさんは、肩に掛からない程度の右サイドテールの明るい金髪に、やや釣り目がちの大きな瞳で、右は青で左は金色のオッドアイ。身長は150㎝未満のスレンダーな体型で胸はストンだ。服装は、上下別の白い服でへそ出しスタイル。上は、生地がクロスして巻き付くカシュクールの様なデザインで、下は斜めにカットされた白いフレアスカートに黒いスパッツ、足元はブラウンの編み上げサンダルだ。翼は二対四翼の白で時折銀色に見える。
目元や見た目の雰囲気から、ちょっと強気なロリかわ美少女って感じだ。
セルメさんの髪は艶々の濡羽色のロングヘアで、左側の髪を一部三つ編みにしている。ファナさんと同じ二対四翼の翼も髪と同じ濡羽色だ。大きな瞳は右は金で左は青のオッドアイ。服はやはり白でノースリーブのワンピース、足元は色違いのファナさんと同じデザインの黒い編み上げサンダル。身長は150㎝代半ばと言った所かな?
均整の取れた美しい肢体で、女の子らしい華奢な体付きだ。胸は大き過ぎず小さ過ぎない手のひらサイズだ。オッドアイだけど正統派黒髪美少女だ!
ナミュラさんは、新緑を思わせる様な明るくて艶々のゆるふわカールロングヘアに、右は青で左は明るい翠色の瞳。服は白の肩出しベアトップのワンピースで、沢山フリルがあしらわれている。足元は膝下近くまで編み上げられた白のサンダルだ。
翼は空が透ける様な半透明の一対の翼を持っている。身長は160㎝弱と言った所で、胸は控えめのスレンダーなモデル体型だ。
ニコニコと楽しそうな笑みを浮かべているのが印象的な美少女だな。
って言うか。天使の子達皆オッドアイ何だけど、オッドアイ率高くない?
ちなみに、如何でも良いかも知れないが、俺個人としては胸は無いより有った方が良い。だが、ちっぱいも嫌いでは無いと言って置こう!
「もしかして、天使は皆エイルさんの姉妹なのかな?」
「そうですね。ワタクシたちは、この〈天壌の楽園アルケシオン〉と共に生まれた七人姉妹ですね」
「エイルさん達姉妹は、皆オッドアイなの?」
「オッドアイですか? 余り気にした事はありませんでしたが、そう言えばそうですね♪」
姉妹全員オッドアイなのかぁ。オッドアイキャラが大量だな!
ちなみに、他の三人の天使は少し手が空かず、何時来れるか分からないそうだ。
ちょっと残念。
「姉様。そろそろ私達も、島主様にきちんと自己紹介したいんだけど良いかな?」
「ファナ、そうねごめんなさい。エルナ様よろしいですか?」
「うん、大丈夫だよ」
きっと、この子達が何を担当しているか、自ら教えてくれるって事だろう。
「それでは、島主様。改めて、先程ご紹介に預かったファナ・シオンと申します。私はセルメ,ナミュラと共に、アルケシオンの昼夜の時間運行を管理しています。私個人としては、この世界の朝と光を管理していますね。この世界で明かりをご所望の時は、私に呼び掛けてくだされば、何時でも光をお届けしますよ☆」
真面目な感じ自己紹介してたけど、最後のウィンクがおちゃめで可愛い。
ツンロリ系の見た目だが、なんだか非常に高い姉力を感じるぞ!
「次はわたしですね。わたしもファナの言った通り、昼夜の時間運行とこの世界の夜と闇の管理をしています。素敵な月夜や星空をご要望の時は、何時でもわたしに言ってくださいね。ふふっ♪」
この子も最後にウィンクしてくれたけど。ファナとはまた違って、ちょっとミステリアスな感じがグッド! いいねぇ~。
「最後私ね。私も昼夜の時間運行を管理してるけど。私のメインのお仕事は、この世界の大気を操り天候を管理する事なの。だから、何時でも島主様のご希望の天気にして見せるわ。よろしくね、エルナ様♪」
この子は、最初っから砕けた口調でニコニコしながら喋るから、若干不思議ちゃんっぽさを感じるな。そして、やっぱりウィンクしてくれた。
いや~、俺がウィンクされて喜んでるのを、天使の子達は目敏く感じてますねぇ。
可愛くて良き。それにしても、一気に周りの美少女率が増し増しだぞ!
「エルナ様、よろしいでしょうか?」
チナが酒盛りに参加し、お酒をぐびぐび飲み始めた頃。
少し席を外していたエイルさんに、戻って来て直ぐに話し掛けられる。
「なに、エイルさん?」
「島民達も島主様が現れ、喜び盛り上がっておりますが。そろそろ、お屋敷にエルナ様達をご案内したいと思うのですが、構いませんでしょうか?」
「お屋敷?」
「アルケシオン島の島主様専用のお屋敷です」
ほぅ、島主専用の屋敷があるのか。
ちょっと有るかもと、予想していたけど本当にあるんだな。
「島主専用のお屋敷が有るんだね。良いよ行こう!」
そう言えばまだ、全然島を見て回ってないしお屋敷位見とかないとな!
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