120 護法合呪 炎骸鬼カコルクス戦2
サレス視点
さて、信徒に止めを刺すにあたって、ウサギ達が信徒を倒した時に発生した黒い煙を、如何にかしないと行けない。恐らく、俺が倒した時に発生しなかったのは、『コスモシェイヴスナッチ』の効果の所為だろう。多分、発生する筈だった黒い煙の元を、信徒の体事CEに強制的に変換したからだと思う。
『コスモシェイヴスナッチ』は、エネミーをCEに強制変換して、コスモアバターの暗黒宇宙ボディに取り込むアビリティだ。だから使うなら武器越しよりも、コスモアバターに近い方が良い。このアビリティを巨骸甲冑で使うには、パッシブ『外力甲冑』を駆使すれば出来るだろう。でも、それだと射程は短いし使い難いのだ。
そこで、巨骸甲冑を使っていて分かって来たのだが。『外力甲冑』の効果は、巨骸甲冑の中に有る力を巨骸甲冑に対応した形で外に出すと云う物だった。
だから、サレスが装備して居る武器や防具のアーツを、巨骸甲冑でも使用できるって訳だ。つまり、サレスに行っているアーマーの改造や、サードアームの追加等を巨骸甲冑にも出来る様に為ると云う事だ。多分巨骸機構甲冑の方でも出来るだろうな。
と言う訳で、巨骸甲冑にも追加の腕を生やそうと思う。
『コスモリアライズ』に『コスモアーマー』、更に『コスモハンド』も使えば、巨骸甲冑でも機能する副腕が作れる筈だ。如何せならムカデっぽいデザインを活かして、手の甲に当たる部分は、サレスが装備して居る盾の力を適応しようと思う。
アレだよ。金棒振り回すのに、やっぱり腕に着けてる盾が邪魔だったんだよね。
だから今、腕に着けているコスモマテリアルの盾は外すよ。
これは、サレス本体の方もブルームシードイスカチェオンを、追加でサブアームを強化して無理やり付けるかな? 小さい盾だし、ルナティックアトラクトと一緒に、多分装備できるだろ。無理ならサブアーム増やせば良いしな!
で、巨骸甲冑に腕を生やす訳だが。デカいの一本か、手数優先で二本生やすのか、どちらにしようかって事何だよな。
いや、待てよ? デカい腕の先が分かれるなんて言うのも有りだな!
良し。デカい腕が、指に沿って分かれる様な構造にしよう!
となると、手の甲の部分には、ブルームシードイスカチェオンの盾を模した上で効果を適応して、ルナティックアトラクトの効果を人差し指に適応すれば、丁度良いんじゃないだろうか。
デザインはメカムカデって感じにして、関節が多く自由に動かせる様にしようかな。これなら、長く作っても折りたたんだり、節を使って短くしたり出来るだろうから、使用しない時の収納もバッチリだろう。
まあ、背中から生やすのが無難かな?
『強化エクストラアーム ギガセンチビートアームを武装構築』
カシュッ!! ギュイィィィ――――――――ン!!! 甲冑の背面の、ムカデの節に当たる部分が開口し、キリキリカリカリコリコリと音を立て、コスモマテリアル製メカムカデ風デザインの、第三の腕が構築される。
巨骸甲冑の背よりも長く伸びる様に作って行く。
一応折りたためるが、節を伸ばして距離を稼ぐ形をメインしたのだ。
巨骸甲冑の背中から、新たに構築されたメカムカデを思わせる巨腕が姿を現す。
尻尾見たいに見えなくもないな。
ちなみに指の数は、左右どちらの手の感覚でも使える様に。六本にして置いた。
早速、『コスモシェイヴスナッチ』を発動し、生贄1号に合図を出す。
ドゴン!!ドゴン!! 重い打撃音が響くと、ウサギの蹴りによって灰呪教信徒二人が、こちらに空に向かって打ち上げられていた。
ブオンッッッ!!!! 打ち上げられた信徒二人を、俺はギガセンチビートアームで薙ぎ払う様に振るい捉える。
パシュッ‼ と小さな音を立て、CEの光を残してひと二人が消え去る。
黒い煙も出なかったし成功だろう。
しかし、これでまた人を食った事になるのかねぇ?
うん。気持ち悪なりそうだし、あんまり考えない様にしよう。
さて、残りの信徒は、ウサギ達とオオカミ達に生け捕りにして貰い、俺が止めを刺せば大丈夫だろう。じゃあ、炎骸鬼を倒そうか!
ゴウッッ!!! ジュワアアアアァァァァッ!!!! 炎骸鬼が灰色の炎を噴き上げ、氷隕石を溶かし立ち上がる。如何やら時間を掛け過ぎてしまたらしいな残念。一方的にボコる心算だったのに。
『カッカッガガアッ!!!』
炎骸鬼は相当ご立腹な様子だ。もう一回頭を冷やして貰おう。
『コスモフリーズクラッシュ!!』
『ガガッ!!『ヘルブレイズダウン』!!』
青く凍て付く波動が放射されるのと同じタイミングで、炎骸鬼の口から地獄の猛火が解き放たれる。
ギシィッッ!!!! 一瞬拮抗するが、青の波動が灰色の獄炎押し返す。
好機と見た俺は、『コスモフリーズ』,『コスモフリーズクラッシュ』,『ワンハンドフルスイング』,『グレートバッシュ』,『マスグラビティブレード』の、アーツ五重発動で切り掛かる。
『氷壊凍衝大切刃!!』
青い波動が灰色の獄炎を押し切る様に、猛烈な冷気が白く立ち昇る刃を振るう!
炎骸鬼も反応するが対処は間に合わず。
ギャバリイィィッ!!! 袈裟切りに撃ち込まれた凍刃は、獄炎と炎骸鬼の左鎖骨から右腰に掛けて一気に切り裂く。
『ガガッ!? ガッハァッ!!!』
バキバキバキィ!!! 最初に放った『コスモフリーズクラッシュ』の冷気と、『氷壊凍衝大切刃』の冷気を纏めて喰らった炎骸鬼は、全身に霜が降りたかの様に凍り付き、パラパラとその真っ黒な身体が砕けて往く。
間違いなく大ダメージだ。この勢いで追撃を加えれば倒せる!
『コスモフリーズ』,『コスモフリーズクラッシュ』,『ワンハンドフルスイング』,『グレートインパクトラッシュ』,『怪撃 岩砕山壊』の、アーツ五重発動!
「追撃の『凍撃連破・氷砕壊山』!!」
猛烈な白い冷気を立ち昇らせた金棒が、山を壊すと言う威力秘め棒立ちに為っている炎骸鬼に連続で叩き込まれる!
ドガ!ゴガ!バギ!ゴギ!ベキ!ゴガバキィッッッ!!!!! 炎骸鬼の強靭なボディに瞬く間に亀裂が入り、強烈な冷気がその亀裂を押し広げる。連撃は罅割れた炎骸鬼の体を砕いて行く。
『ガガッ!! ガガッガガガアアアァァァアアアアアアッッッ!!!!』
炎骸鬼の持つ熱が段々と弱まる。
良し勝ったぞ!
¶特殊イベントBOSS 護法合呪 炎骸鬼カコルクスをと……
ん? アナウンスが止まったぞ!?
直ぐに、アナザースキル『直感』と『ESP』が、俺に異変を伝えて来る。
真っ黒な怨嗟の念が氷砕された炎骸鬼に向かって集まって来ていると。
生贄1号:すみません、サレス殿。残りの敵の信徒共を生け捕りにしようとした所。
我らの隙を突き呪法で自害をしてしまいました……。申し訳ありません。
Σああっ!? 呪法で自害とか完全に強化復活フラグじゃん!!
如何考えても、俺に止めを刺されるのを避けての自害だ。
これはしてやられたな。相手が狂信者だと云う事を考慮すべきだった。
サレス:恐らく炎骸鬼が強化復活する。皆こちらに直ぐに集合だ!
生贄&軍狼達:了解!
真っ黒な怨嗟の念がバラバラに砕けた炎骸鬼の残骸に集まり真っ黒な炎を噴き上げる。
『我が主!【
黒き炎から亡者と為った信徒の声が響き渡る。
!? こいつ大神の真名を唱えやがった!!
これは思ったよりもヤバい強化が来るぞ!!
ビシッ! ビシビシピシィッ!!! 空間に無数の亀裂が入りパラパラと砕ける。
亀裂の先に有ったのは灰色の炎。それが一瞬、三つの左目と二つの右目もつ異貌の鬼顔となり、炎骸鬼の残骸を見つめる。
スキルを通して出なければ何も感じない筈のサレスの体が、凄まじい怖気と次元を超えた強烈な存在圧力により動けなくなる。
あ、これ絶対に勝てないヤツだ。そう思っていると。
しかし、【
流石に、あんなのといきなり戦闘に為る訳ないかと、少しほっと安心する。
直ぐに、エフィカグレイアッシュが送った火種の行方を見る。
灰色の火種は、炎骸鬼の残骸の方へ落ちて往き、炎骸鬼の残骸をゆっくりと燃やして逝く。残骸全てが燃やし尽くされ、全てが灰に還った瞬間、世界が灰色に染まる。
¶特殊イベントBOSS 護法合呪 炎骸鬼カコルクスが の介入により特殊イベントBOSS 灰呪の使徒 黒炎獄使ヘルカコルクスへと昇華しました。
灰色の世界に黒い炎が灯る。炎が大きくなるにつれ、灰色の世界は狭まり世界に色が戻って往く。黒煙が灯るのは炎骸鬼の残骸のある場所で、そこでは黒灰と黒炎が混ざり練り込まれ、真っ黒な骨を新たに形成して往く。真っ黒な骨が重力に逆らう様に組み上げられ、16mは有ろうかと言う四本腕の大鬼の姿をした骸骨が組み上がる。
ボウッッ!!! 一際黒炎が大きくなると、四本腕の大鬼の骸骨は真っ黒な法衣を身に纏い、第一の右腕には錫杖第,二の右腕には金剛杵,第一の左腕には剣,第二の左腕には宝珠を持った姿に変わる。
目と口の中に灰色の炎を灯らせると、全身から黒い炎を迸らせシャンッ! と錫杖を鳴らす。
『カーッカッカッカッ!!』
¶特殊イベントBOSS 灰呪の使徒 黒炎獄使ヘルカコルクスが顕現しました。
侵略者の使徒が顕現しました。抗う力を有さない場合、大変危険ですので避難をお勧めします。
あっ、これは不味い。今外にいるパーティーメンバーでは勝てない。
何故なら、二つの『直観』,『直感』スキルが、エルナ達を起こさないと勝てないと、猛烈に訴えかけて来るからだ。
サレス:神官帽ウサギは、直ぐに寝てるエルナ達を起こしてきてくれ!
最初に起こすのチナだ。そうじゃないと、エルナが起こせないからな!
生贄11号:! 分かりました! 直ぐに起こしてまいります!!
取り合えず、俺がやるべき事は巨骸機構甲冑を装備する事だ。
『ブロックガード』,『オーラシールド』,『コスモリアライズ』,『コスモバリアシールド』,『ギガランパートセンチビート』の、アーツ五重発動で守りを固めて装備の時間を作る!
『コスモヴァレイション・バリアウォール!!』
『カカッ!?』
宇宙の神秘の力を秘めた青く輝く巨壁が、自分達とセーフティハウスを含む一帯を囲う様に出現する。青く輝く巨壁は出現した後、形状を変化させながら成長し、完全に空を覆う様にドームを築く。
『ガッガッ!!』
ガンガンガンガン!!ガンガンガンガン!! ヘルカコルクスは、こちらがいきなり防御を固めて、壁の中に引き籠った事に怒りを覚えたのか、壁を激しく叩いている様だ。
良し! これでエルナを起こす時間と、巨骸機構甲冑を装備する時間はバッチリ稼げただろ!
自在大剣を地面に刺し、巨骸機構甲冑を『コスモストレージ』から取り出す。
巨骸甲冑が、コスモマテリアルで覆っても黒が際立つのなら、巨骸機構甲冑は本来の装甲の複雑な輝きが、コスモマテリアルで覆っても装甲に白く現れ、コスモマテリアルの青は淡く現れるだけだ。
巨骸機構甲冑は、ムカデがモチーフでは有るがムカデっぽさは略なく、巨骸甲冑と比べて明らかに機体プロポーションが良くカッコイイのだ。所謂、リアルロボット系ってヤツだな。
「巨骸機構甲冑プレアディドテラセンチビート
ブオオオン! カシュッ!プシュ――ッ!! 巨骸機構甲冑の胸部パーツが開き、サレスを巨骸甲冑とその装備事纏めて収納する。自在大剣を地面に刺して置いたのは、自在他県は巨骸機構甲冑でも普通に装備できるからだ。
巨骸甲冑と巨骸機構甲冑は互換性が有る為、スンナリとパッシブ『外力甲冑』と『外力機構甲冑』との接続同期が成される。フォーン! 巨骸機構甲冑の視野が開け、巨骸甲冑を装備した時の様に、巨骸機構甲冑に神経が通うのを感じる。
自在大剣に触れ、最大サイズにして装備する。
さあ、巨骸機構甲冑でも改造をやって見ようじゃないか!
ヘルカコルクスが四本腕を持ち、巨骸機構甲冑がリアルロボット系の外見であると云う事を踏まえ、こちらも四本腕にしようと思う。普段は腕だと分からない様に、隠し腕仕様にするかな。
パッシブ『外力機構甲冑』を通して、『コスモリアライズ』,『コスモアーマー』,『コスモハンド』で、二本の追加の腕を構築して往く。普段は折りたたまれていて、モ〇ル〇ー〇のバックパックとか、スラスターっぽく見せる様に設計する。
いっそ翼かスラスターカバーに見える様な盾でも取り付けるか!
『コスモシールド』で、隠し腕に翼っぽく見える様な盾を、左右の隠し腕に取り付ける様にイメージする。右にルナティックアトラクト、左にブルームシードイスカチェオンの効果を発揮させれば良いかな。
『強化エクストラアーム シルエットシールドアーム武装構築』
カンカンカンカンカンカン!カシュッ!カシュッ! キュイィィィ――――ン!!
巨骸機構甲冑の背面部に、折りたたまれた二本の腕になる構造体が構築されて往く。ボディに干渉しない様に、スラスターカバー風の盾を背中に背負う様な形で取り付ける。一応盾専用の腕だ。
更に続けて、仮想武装を作ろうと思う。『外力甲冑』では無理そうだったが、この『外力機構甲冑』なら、『コスモリアライズ』を駆使する事である程度ならば、サレスが今装備している物を巨骸機構甲冑用に合わせて再現できそうなのだ。
で、仮想武装として作るのは、爆裂砲撃スチームシードシェルランチャーだ。
これなら隠し腕でも、必殺アーツとか使わなければ十分使えるだろうし、命中率とか気になるなら普通の腕で使えば良いからな。
『
カチカチカチカチ! キュオォォォ――――ン!! 巨骸機構甲冑サイズのバズーカが、コスモマテリアルの青く輝く物質でしっかりと構築される。これは、普段サレスの腰にマウントして居る様に、巨骸機構甲冑でも腰にマウントして置こう。
これで、後はエルナ達が起きて来れば、準備万端だな!
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