116 突発強制イベントクエスト『真夜中の夜襲』
サレス視点
エルナ達が風呂から上がった後、早速俺も風呂場に行き装備を外す。俺は、エルナ達が風呂に入っている間、エルナと視界をや感覚を共有して居なかったし、コスモアバターで入る風呂が楽しみだな。て言うか俺、殆ど視界や感覚の共有してないよな。
コスモアバターの、宇宙の闇を体現したかの様な姿をさらし、美少女が入った湯船にゆっくりと浸かる。うん。俺、これじゃなんか変態っぽいな。
まあそれは兎も角、何も感じない体と言えど、『ESP』と『シックスセンス』。それと、二つのちょっかんスキルである、『直感』と『直観』を駆使すれば、エルナ達がどの様に風呂に入っていたのか、手に取る様に分かるのだ!
うん。やっぱり俺変態だったわ。
「ブフォッッ!!」
青白く、キラキラと輝く神秘的な輝きが、勢い良く宙を舞う。
はぁ~っ、すぅ~ふぅ~、思わず口? からCEを吹いちまったぜ。
やれやれ、ゲージもしっかり減ってるし、ダメージに成ってるわ。
それにしても全く、エルナとエルナに入っている俺は、一体何をやっているんだ?
て言うか、なんて高度な一人目隠し&拘束プレイしてるんだ!?
ふぅ~、全く実にけしからん! 良いぞもっとやれ!!
特に泡立ったボディスポンジが、『
後チナと桜は、明らかに可笑しい状況なのに、何で感心してるのかな?
風呂から上がり、リビングで備え付けのソファに座り
もう一人の俺の意識が眠ったのに、それに俺が引きずられて眠く為るって事は無い様だな。俺は眠くないし、ウサギ達でも呼び出して、夜狩りにでも行くかな?
そうそう、『ラビットボムズ』はサレスでも使えるんだよ。なので、早速お供となるウサギ達を、『ラビットボムズ』で半ダースほど呼び出す。
「「「「「「きゅっ!」」」」」」
アーツにより呼び出されたウサギ達は、ビシッと息の合った鳴き声を上げる。
ウサギ達を見ると、何時もと姿が違う事に気が付く。具体的にどう違うのかと言うと、何かコスプレっぽい服を着ているのだ。
頭に鉢金を付けたウサギに、盗賊っぽくスカーフを巻いてるのや、魔女が持って居そうなとんがり帽子に、ゲームで良く見かけるプリーストが被って居る四角い帽子に、兜を被っている物もいる。
他にも、ド〇ゴ〇ボ〇ルのス〇ウ〇ー見たいなのを着けてる個体も居るな。
「お前達は、もしかして進化したのか?」
「きゅう?」
何それ? と言うような素振りする鉢金ウサギ。
「きゅきゅ~?」
それの事じゃないの? と、鉢金をぺしぺし叩く魔女帽子ウサギ。
「きゅきゅー!」
何するんだよー! と怒る鉢金ウサギ。
うん。こいつら進化してないわ。多分、装備がUPデートされただけなんだろう。
「Zzz……」
兜を被って居るウサギが、いきなりいびきを掻きだす。
ええ!? こいついきなり寝ちゃったよ。夜だからウサギも眠いのかね?
それに、他のウサギも何だか眠そうだな?
するとそれを見た、神官帽を被ったウサギが『きゅ!』と短く鳴くと、兜ウサギに緑色の光がパッと弾ける様にフラッシュする。
「Σきゅっ!?」
兜ウサギがガシャッビクッ!! と目を覚ます。
今のは、生活魔法の『ウェイク』かな?
そう思っていると、神官帽ウサギが『きゅっきゅ~る!』と鳴く。
今度は緑色の光が、ベールの様に降りて来る。
眠そうだったウサギ達が、まるでエナジードリンクを飲んだ見たいに元気になる。
「きゅきゅぅ!」
神官帽ウサギが、もう大丈夫ですと言っている様だな。
ウサギ達の様子を見て、何となくだが新しいアーツの、『メテオウルブズ』も使って置こうと思った。多分、サレスでも使えると思ったし、後はそうだな「『直感』のスキルが俺に囁いたのさ」、なんて感じだな。
『メテオウルブズ』
星型の光が降って来てパァッと弾けると、金色にも見える白く輝く様な毛並みと、青く澄んだ瞳に金色の虹彩が時折キラッと光る、美しい六頭のオオカミが現れた。
その姿はまさに、『ラビットボムズ』のオオカミバージョンだ。
大きさは、体高80㎝を超えるデッカイわんこだ。
ちなみに、六頭いるのはウサギ達と数を合わせようと思ったからだな。
「クゥ~ン?」
いや~、これは素晴らしいもふもふ様だ。
コスモアバターが感じられないもふもふの感触を、『ESP』と『シックスセンス』を駆使して感じられる様にする。後はわしゃわしゃするだけだ!
オオカミの首の辺りをわしゃわしゃすると、素晴らしいもふ感を堪能できた。
「さて、お前達。ウサギ達はオオカミ達にRIDE ON! だ」
「きゅ!」
「ウォン!」
オオカミの上に、ウサギがちょこんと乗っていてとても可愛い。
もふもふの上にもふもふが乗って、これはもう如何見ても最強だな!
ラビットウルフライダーの完成だぜ。
俺も装備を整え準備万端! 良し外に行くか!
俺は、安らぎの別荘の扉をバンッ! と勢い良く開け放つ。
ガンッ!! 扉に何かが
「おおっと!? すみません……?」
扉を開け外を見ると、僧侶の風体をした男が倒れている。この倒れている男以外にも、似た様な風体の者達が見えているだけで二人、見えてない位置にも二人居て何やら慌てている。
『グッ……! まさか不意打ちを喰らうとは……!!』
『あの香炉は大僧正様から頂いた、【色無くただ灰となる呪鬼】様の御力が宿った物だぞ!?』
『馬鹿な!? 何故こんな奴ら如き起きているのだ!!』
あ~、うん。これはアレだ。エピッククエストの敵の襲撃だわ!
¶突発強制イベントクエスト『真夜中の夜襲』が発生しました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
エピッククエスト以前から、修行者達の集落に入り込んでいた灰呪教の信徒達を撃退し集落を守ろう!
クエスト達成条件:集落に居る灰呪教信徒の全滅
クエスト失敗条件:PTの全滅
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
クエスト失敗の場合、集落が無くなりますので頑張ってください。
はい、イベクエでしたぁ~。しかも強制と来たもんだ。所謂、拒否権は無しって奴だな。おまけに、クエスト達成できないと集落の壊滅が確定か。
まあもちろん、強制されなくてもやるけどな!
『コスモショック!!』『チャージダッシュバーニア!!』
シュバアアアアアアッ!! 青い宇宙の光を宿した衝撃波が抜けた後を、鎧からスパークを発生させながら、CEの青白い粒子を噴射し突進する!!
そう、俺は躊躇なくアーツ『コスモショック』を前方の灰呪教徒に放ち、予め作って置いた突進攻撃のアーツ『チャージダッシュバーニア』を打ち噛ましたのだ。
『グッハァッ!!』『ギャアッ!!』『ブェバラァッ!!』
扉の近くに居た奴は俺に轢かれ、扉から見えていた二人はピンポン玉の様に跳ね飛ばされる。交通事故に遭うのって、こんな感じなんだろうな。
「ラビットウルフライダーズ、GO!!」
俺の合図に反応して、ウサギとオオカミ達が別荘の外に飛び出る。直ぐに、『コスモハンド』で別荘の扉を閉め、認証システムで鍵を掛ける。
これで安心して戦えるな!
『おのれ、我らの崇高な使命の邪魔をする邪教徒め!!』
『我々は、【色無くただ灰となる呪鬼】様の御力で、この世界を清めなければならんのだ!! それを邪魔する貴様らは穢れだ!!』
まだノーダメージの灰呪教徒が、何かピーチクパーチク言っているが。
お前ら、完璧な邪教徒ムーブして何言ってんの?
如何考えても邪教徒って、この世界じゃ間違いなくお前らの事だろ!
「うちには可愛い神様が居るので、宗教の勧誘はお断りしてます。邪教徒の糞坊主は、お引き取りください」
『何だと! 貴様の様な者を勧誘などするか!』
『我々を邪教徒共と一緒にするだと! 許さん!!』
おうおう、怒ってる怒ってる怒り心頭って感じだな。
敵は五人。こちらは、ウサギ六羽にオオカミ六頭、そして俺を含めて十三人? パーティだ。と言っても、実際はパーティ組めないからレイドかな?
まあ兎に角、数的有利はバッチリって事だな!
ん? あれ? パーティメンバーの表示が11個有るぞ!? どゆこと?
¶特定条件を満たした為、コスモプレイヤーエルナが、称号【異次元世界交流者】を獲得しました。
称号の効果により、パーティシステムのロックが解放され、ミドルパーティを組む事が出来る様になりました。今後ともIFOをお楽しみください。
ミドルパーティは、最大十三人とパーティを組む事が出来るらしい。
ミドルって事は、ラージが有る事になるよね?
一パーティの人数がかなり多いけど、このゲームのレイドボスとかって、一体どれだけの人数を想定してるんだ? う~ん、分からんな。
ちなみに、称号の獲得条件は、パーティメンバー枠の一枠を除き、テラの住人及びコスモプレイヤー以外の、一定レベル以上の知性ある存在で埋める事だそうな。
サレスはコスモアバターで桜はEEアバター、どちらも待機ルームの住人で有りテラの住人ではない。そこに、ウサギとオオカミをパーティに入れたから、称号を得られたのかね? まあ、テイマーとか召喚士なら、いずれは取れる称号だろうな。
それにしても、なんでパーティメンバーが11人何だ?
表示されているパーティメンバーを良く見ると、ウサギとオオカミが別々に登録されておらず、セットで1枠使っていた。
なるほど。ウサギとオオカミは、ラビットウルフライダーで、1枠扱いなのか!
これもしかして、ペアになって漸く、一定レベル以上の知性存在認定なのかね?
それに、エルナとチナ,桜に眠りのバットステータスアイコンが付いている。
後で神官帽ウサギにチナと桜を起こして貰い、エルナはチナにバットステータスを治して貰うしかないだろうな。
まあ兎に角、まずはこのイベントクエストを、クリアしようか!
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