103 〈呪霊灰山 2合目〉霧の花園と言うよりも森
さて、先ずはボスの討伐報酬の確認だな。
ギフトボックスには、沢山の素材アイテムと装備が三つほど入っていた。
んで、その装備がこれ。
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双毒の大鋏ライセニューロ
溶解毒と神経毒二種類の毒を持ち、双剣として扱う事も可能な大鋏。
パッシブ 双毒
専用アーツ シザークロスデス
STR+6100,SP+13500
自在大盾 百足長尺
フレーバー:自在に伸び、そして縮む。ムカデが這う様にその身を守るだろう。
伸ばす事で、広範囲をカバーする事が出来る伸縮自在の大盾。上下の鋏が攻撃を可能とする。
パッシブ 伸縮自在 カウンターシザー
専用アーツ シザーバイトベノム
VIT+2500,DEF+2200,RES+1500
巨骸甲冑ツァディドギガセンチビート
フレーバー:骸に成っても、未だ守る事をやめない守護者の意思。
巨人用と言われても納得出来るほど大きな甲冑。
生体型パワードスーツの一種で、この甲冑より体が小さければ装備可能である。
パッシブ 外力甲冑
専用アーツ ギガランパートセンチビート
STR+5000,VIT+3200,DEF+4400,RES+2400,IMA+900
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鋏と盾は桜に装備させるとして、この甲冑高さだけでも5mは有る。
見た目は、ムカデの節や触覚,鍔肢,鋏をイメージさせるデザインで、なかなかカッコイイのだが、デカいから普段使いは出来ない。サレスが『コスモアーマー』を着けたままでも、装備可能なので使い道はバッチリあるけどな。
色は黒のままでもカッコイイが、『コスモメッキ』でサレスカラーにして置く。
じゃあ、先に進もうか。
¶迷宮化領域〈呪霊灰山 1合目〉から〈呪霊灰山 2合目〉に侵入しました。
二合目に入ると案の定、辺りは真っ白な濃い霧に包まれており視界は利かない。
そして、やはり活躍するのが星覚のスキルだ。
星覚のスキルが俺に見せる3Dマップは、木の様に成長したイスロフォージュチャイルドの、花園と言う名の森だった。
1合目の花園に居た奴より皆大きく、小さいのでも5m、大きいのは10mは有りそうだ。そしてこの状況、『静星隠し』を切ってたら、いきなり袋叩きコースまっしぐらである。だって、入って早々エネミーに囲まれているんだぞ?
うん、殺意高すぎやしませんかね?
チナも桜も、状況を把握して緊張感が高まる。
『静星隠し』に属性変換で、風,光,闇,空間,次元,宇宙の属性魔力を追加して強化して安全性を高めよう。
「『カレイドファンタズム』! ……これで大丈夫かな?」
万華鏡を思わせる球体が、エルナ達を覆い隠す様に大きく為ると、それはサッと見えなくなる。俺の想定通りなら、これでバッチリの筈だ。
それに、しっかりスペルアーツにも登録されてるな。
あ、ステルス・パーセプションを使うのも有りだったかな?
でもそれだと、戦闘をしたら直ぐに気が付かれるから駄目か。
「うにゅ、エルナバッチリなのじゃ。ふにゅぅ、しょれにちても、これはかなり厄介のじゃ」
エルナが『カレイドファンタズム』を展開する事で、チナはふにゅっと気が抜けた様だ。うむ、可愛い。
「そうですね。フィールドのエネミーに余計な刺激を与えずに、ボスを見つけて倒す位しか思い付きませんね」
同じく気が抜けて落ち着いた桜が、この領域の安全な突破策を言う。
俺も同意見だね。
「先程のボス戦で起こり得た、最悪の状態を強制されている様な物ですね」
サレスに俺の意見を言わせる。星覚のスキルの感知範囲を拡大して見ると、先のフィールドボス程ではないが、巨大なムカデらしきエネミーが徘徊しているのを感知しする。
「上手くエネミーを避けて、ボス戦に入れたとしても、酷い乱戦になりそうだよ。さっきのボスの劣化版が、如何やらこのフィールドを徘徊している見たいなんだよね」
「うにゅぅ、ますます厄介なのじゃ。桜の『ディメンションスペース』と『ディメンションBOX』を使って、巨大ムカデを一匹づつ隔離できないのじゃ?」
「その劣化版? がどの位の大きさなのかに寄りますけど……。エルナさん如何なんでしょう?」
このフィールドの巨大ムカデの大きさね。かなりの速さで徘徊しているのを星覚のスキルで捉え続け。
「大体長さは40m位で、厚みは2,5m位かな?」
「私が、他に何も出来なくなりそうですけど、隔離は出来そうですね」
おお! 桜はあのムカデ隔離できるのか!
でも、桜はそれで一杯いっぱい見たいだから、エルナは隔離次元空間に入らずに、外から『
「ふみゅ、隔離できるのならムカデの駆除はできそうなのじゃ!」
ふむふむ。チナさんは如何やらムカデ駆除をしっかりする積もりの様だな。
「ならば、ムカデを駆除しながらボスを探すと云う事で良いですかな?」
サレスに方針の決定を促せる。
なんか、もう一人の自分と話してるって変な感じだよな。
「うにゅ! わちはしょれが良いと思うのじゃ! ボス戦に巨大ムカデが何匹も乱入しゃれたら
「私もそれで構いませんよ」
「それじゃ、ムカデを駆除しながら、ボスを探すという事で決定ね!」
と言う訳で探索開始だ。
移動を開始すると、1合目の花園の戦闘でも見た、虫のエネミーも見受けられたが、2合目という事も有り新しい虫のエネミーが追加されていた。
現実世界では、高温のガスを噴射する事で有名な、ミイデラゴミムシの様なエネミーに、ただでさえ霧の中だと言うのに、光学迷彩能力を持った人間大の巨大トンボ。地面の下にはムカデほどではないが、5m~10mは有る巨大ミミズが活動していると、エルナの星覚スキルの情報から知る事ができた。
もちろんドロップは気になるが、1合目のボス戦の事を考えれば、恐らくここも似た様な事になるだろう。なので無視する。
探索を続けて漸く、一匹目の巨大ムカデがこちらに接敵しそうだ。
それに合わせて、桜が『ディメンションスペース』と『ディメンションBOX』を使い、新しいアビリティを発動する。
サレスも念のため、巨骸甲冑ツァディドギガセンチビートを装備して置く。
やべぇこれはマジでロボだな!
『ディメンションアイソレイト!!』
巨大ムカデを、次元空間の隔離障壁が一瞬にして覆い、見事に消し去る。
うん、ダイナミック神隠しだな!
巨大ムカデは、隔離された次元空間の中で暴れているらしく。桜が顔を真っ赤にして、気合で押え付けている状態の様だ。
それでも桜に頑張って貰い、『カレイドファンタズム』の効果範囲に、隔離次元空間を移動して貰う。外から攻撃するにしろ、隔離次元空間に入って直接戦闘するにせよ。『カレイドファンタズム』内で行った方が、安全な筈だからだ。
桜が頑張って、巨大ムカデの隔離次元空間を、『カレイドファンタズム』内に引き込んだ所で、桜に矢の通る一点だけ通過可能にして貰う。
『
隔離次元空間の中に居る巨大ムカデに向かって、複合アビリティ『
エルナが放った矢は、紫色に輝くレーザービームの様になり、桜の作り出した隔離次元空間の中に消えて行った。
ちなみに、如何なったかは桜に確認して貰うか、中に入らないと分からない。
「ふぅ~、エルナさんのお陰でムカデの動きが止まりました。良かったです」
「どういたしまして」
桜が、暴れる巨大ムカデを押え付けるのは、随分と骨が折れた様だ。
「ふにゅ、なら後はわちとしゃれしゅが中に入って、ムカデを殴って来るだけじゃな!」
「付き合いましょう」
そう言うと桜に頼んで、チナと巨骸甲冑ツァディドギガセンチビートを装備したサレスが、巨大ムカデが居る隔離次元空間に飛び込んで行く。
サレスが隔離次元空間の中に入ると、中が如何なってるか分かるから、やっぱりコスモアバターは便利だよなぁ。
サレスが中に入ってまず見えたのは、巨大ムカデが紫色の宝石を思わせる巨大な氷の結晶、氷晶により凍り付き身動きが取れず次第に弱って行く姿だった。
なんかこれはもう簡単に倒せそうだぞ?
これを見ると。『
もう既に、この巨大ムカデ死にそうだし、オマケにこれバインド効果も有る見たいだ。流石、称号が貰えるアビリティなだけあるな。
「ふみゅ、もう虫の息の様なのじゃ。虫だけに」
チナのダジャレをスルーして話を続ける。
「これは、止めを刺すだけで良さそうですね」
「うにゅ、エルナの新しい必殺技は凶悪なのじゃ」
チナとサレスは、巨大ムカデを殴って速やかに止めを刺すのだった。
ほ~、『
桜が巨大ムカデが倒された認識して、『ディメンションアイソレイト』を解除すると、チナとサレスが姿を現す。巨骸甲冑ツァディドギガセンチビートやっぱりデカいなぁ。
「エルナの『
「我々は只軽く殴っただけですね」
さて、問題なく一匹目の巨大ムカデを倒したので、探索を続ける訳だが。桜は『ディメンションアイソレイト』とは別に、捕獲専用のアビリティを作る事にした様だ。
顔真っ赤にして、頑張っていた桜は可愛かったが、大変そうだったし当然かな。
サレスに、自分の装備を仕舞って貰ってから、探索を再開しようかね。
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