102 〈呪霊灰山 1合目〉霧の花園の駆除
今も灰混じりの霧を、もくもくと生産する灰色の花園。
このヤバ目の物質が、大量に含まれる花の駆除を、凍結攻撃で実行しようと思う。
初手は桜に攻撃して貰い、後は三人で凍結攻撃の連続使用だ!
『ディメンションエクスターミネイト!!』
桜は最大出力で、『ディメンションエクスターミネイト』を発動する。
灰色の花園上空に、何処へ繋がるとも分からない、巨大な次元の穴が開く。
掃除機がゴミを吸い込む様に、花の呪物イスロフォージュチャイルドを吸い込んで往く。
あれー? 吸い込まれてるの花だけじゃないな?
なんかデカい虫も吸い込まれてるし、もしかしてあの花園生態系有るの?
花園上空の穴が塞がり、今度はエルナ達の攻撃開始だ。
『コスモフリーズクラッシュ!!』
「『竜撃砲・爆流氷河』なのじゃ!!」
『ウラヌスコールドレイン!!』
『コスモフリーズクラッシュ』が、花園前面の花を凍結粉砕し、『竜撃砲・爆流氷河』が今見える範囲の中程までを、押し潰し砕く様に蹂躙する。
そして、『ウラヌスコールドレイン』の、天王星の極寒の冷気を纏う無数の矢が、氷河が蹂躙した更に後方へ雨の如く降り注ぐ。
見える範囲を一網打尽に出来たが、霧の奥からイスロフォージュチャイルドが、わさわさと動いて移動して来る。如何やらまだまだ沢山いる様だ。
第二射、第三射とアーツを撃って、流石にこちらに気が付いたのか、灰色と黒のカラーリングをした蜂のエネミーが、群れとなって飛んでくる。
『ディメンションスクラッチ!!』
しかし、蜂の群れがこちらに届く前に、桜の『ディメンションスクラッチ』が、ガリギャリィギリガギュリィッ!! と不快な音を立てながら、群れ事蜂をバラバラにして行く。
その後も、テントウムシやバッタ,カマキリ等、花園に居そうな虫のエネミーが出て来るが、遠距離からの凍結攻撃の連打と、桜の次元攻撃により安全に戦える。
時間が経つと流石に、花園の花が前に移動して来なくなったので、こちらも移動しながら攻撃を加えて行くと。
星覚のスキルが、花園の奥から接近する縦長の大きな虫のエネミーを感知する。
これは、かなりデカいけどムカデかな?
ドドドドドドドドドドッ!! 土煙を上げながら、そいつは花園の奥から姿を現す。大きな触覚に、一見口から生える顎に見える捕食用の
胴の長さ70mは有りそうな巨大ムカデは、花園を守る様に体を横に向ける。
¶フィールドBOSS 花園の守り手 ツァディドギガセンチビートの接近により周囲がBFになりました。
いや、このフィールドボスめっちゃデカいんですけど!
胴の厚みも4mは有りそうだし、レイドボスにしか見えんぞ!
まあ、〈腐灰水源〉に居たゴーレムの方が、全体的なボリュームは上だけどさ。
それにしても、こいつ本当は花園にもっと近い所か、花園の中で戦う相手だったんだろうな。実際そうなってたら、詰んでそうだけどな。
「でっかいムカデなのじゃ!」
「ムカデって、こんなに大きいんですか……なんか気持ち悪いです……」
巨大ムカデにチナは平気そうだが、桜はちょっと生理的に無理と言った様子だな。
「ほう、あのムカデ。エルナ殿の矢が刺さっている様です」
「うにゅ、ダメージも入っているようなのじゃ」
この巨大ムカデ、サレスの視界で見た通りエルナの矢が刺さっており、既にこちらの広範囲凍結攻撃のダメージを受けている模様。
それに、近くに来てくれたお陰で、サレスの『コスモフリーズクラッシュ』も当たるし、チナのブレスもしっかり当てられる。それにあの巨体なら、桜の大雑把になりがちな次元攻撃の格好の的だ。
と言う訳で。明らかに近付いたら危険だと分かるこのボスは、こちらが相手のキルゾーンに行く必要は無いし、向こうがこっちのキルゾーンに飛び込んで来たのだから、このまま攻撃させて貰う。
『ディメンションスプリット!!』
先制攻撃は、桜は『ディメンションスプリット』だ。次元干渉により、空間事ムカデを引き裂く力が働く。ダメージは入っている見たいだが、流石に引き裂く事は出来なかったようだ。
『コスモフリーズクラッシュ!!』
次いで、サレスの放つ青く凍て付く波動が、巨大ムカデを襲う。
その攻撃で、こちらの居場所を特定したのか、巨大ムカデがブレス攻撃を仕掛けて来る。
咄嗟に『オーロラリフレクションベール』を展開しブレスを散らす。
今の毒液のブレスだった様だ。
「ふにゅ、時間を掛けると囲まれそうなのじゃ」
チナに言われ、感知の方に意識を向けると。花園が、こちらに回り込む様に広がって移動してきている。如何やらこのボスは、周囲の環境も気にしないといけないらしい。
「わちはムカデを直接叩いて来るのじゃ、サレスも一緒に来るのじゃ!」
チナは、そう言うとムカデに向かって突撃する。サレスも、チナに追従してバーニアを吹かす。
ならば、巨大ムカデに向かうチナとサレスを、援護しようじゃないか。
『アステルイリスフェザーアロー』に権能【閃星】で絶対零度に近い極低温と、桜から見て学んだ次元属性乗せ、折角エルナも権能【コスモフォース】が使えるので、『コスモショック』を加える。
ちなみに、『コスモフリーズクラッシュ』は、今のエルナでは、この構成に乗せられそうになかったので、『コスモショック』にした。
『
鮮やかな紫色に輝く矢が、レーザービームの様に放たれ、巨大ムカデに命中する。
ゴンッ!!!! 矢が当たったとは思えない音がすると、ギチギシィッ!! と空間が軋む。次の瞬間、バギャシャアアアアアアアアアン!!! と紫色の宝石を思わせる美しい氷の結晶が、巨大ムカデの内側から爆発する様に出現する。
¶コスモプレイヤーエルナが条件を満たしたため、称号【新たなる力を導きし者】を獲得しました。
おおっと! いきなり称号獲得か。多分、テラ由来の権能【コスモフォース】と、【閃星】を合わせたのが原因だろうな。
ギ ギ ギ ギ ギギギ ギ ギギギィィィイイッ!! 巨大ムカデが藻掻きながら大きく啼く。
称号獲得アナウンスに気を取られたが、まだボス戦中だったな。いかんいかん。
「おお! エルナ、ないすなのじゃ!」
「ははっ、これは良い。チナ殿、一気に止めを刺せそうですね」
「うにゅ、わちの
チナは、『竜尾暴流撃』,『フリージングテイル』,『流氷爆裂』,『永久凍土』,『竜撃剛打・連撃』のアーツを、五重起動し跳躍する。
跳躍したチナは、尻尾から大量の水流を生み出す。水は直ぐ様、激しく流動する氷へと変貌する。その様は、チナの尻尾から、まるで激しく流動する氷河が生み出されているようだった。
「『竜撃尾打・乱流氷河暴流爆裂』なのじゃ!!!」
ブゥオンッ!! チナの巨大化した氷河の尻尾が、巨大ムカデに振り下ろされる!
ドガッシャアアアアアアアアアアアアアン!!!! 激しく打ちつけられ、巨大ムカデが地面にめり込む。もちろん一撃で終わるはずも無く、チナの竜尾が巨大ムカデを滅多打ちにする。
ギギギ…………
¶フィールドBOSS 花園の守り手 ツァディドギガセンチビートの討伐に成功しました。
討伐成功によりBFが解除されました。
討伐報酬はギフトボックスに送られます。後程ご確認ください。
あれ? 第二フェイズとか無いのか?
んん? そうか! ボスを倒してもこの花園の駆除は終わって無いのか!
つまり、残党狩りをしないといけないって訳ね。
この後、花園の駆除を続けそれが終わると。これまで通って来た道、フィールドの霧が晴れて行く。
そして、未だ霧が晴れない山頂への道を見つける。
多分この先に、花園を作った奴がいるんだろう。
さて、ドロップも沢山あるけど、価値の無い物は放置する。
新たに回収したのは、呪灰蜜と言う蜂蜜と、灰花大蟷螂の死呪の鎌くらいだ。
ボスはドロップを残さないタイプの様で、ギフトボックスの討伐報酬に沢山入ってそうだ。
それじゃ、ギフトボックスを見てから先に進もうか。
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