61 神骸飛空船・スペシネイト船内チェックと強化改造
神骸飛空船・スペシネイトの船内に入って最初に思った事は、ラグジュアリーなラウンジと明らかに船の外観よりも船内が広いと云う事だった。
それに、船内はセーフティゾーンに成っていて、この飛空船を活動拠点にしろと言っているかの様だ。ちなみに、船内に入るにあたってタラップ等は無く、入りたければ自力で入れと言うスタイルだ。
この飛空船は元ダンジョンコアモンスターだった、スペシネイトの力が作用して空間が拡張されて折り、船内がやたらと広く部屋も沢山ある。まるで超一流ホテルの様に、船内の調度品や備え付けの家具も全て豪華で、気品が有り調和が取れているお陰で、嫌味な感じが全くしない。
船内の部屋は、アメニティ付きのロイヤルスイートルーム見たいな部屋が幾つも有る。厨房には様々な調理器具に各種調味料、その上冷蔵庫も有り中には食材がたっぷりと入っていた。開放感のある大浴場もそうだが、どの部屋からも何故か外が見え、チナも終始楽しそうであった。
まあ厨房に関しては、エルナが料理スキルを持っているけど、俺自身に料理の知識があまり無いから生かせるか微妙だがな。
ブリッジでは船の操作方法のチュートリアルなどが有ったが、この船には人工知能が搭載されている様で、基本オートパイロットにするだろうなぁと思うのだった。人工知能の名前をスぺちゃんにするのは、問題が有るのでスイちゃんと呼ぶ事にした。
スイちゃんに、ダメ元でスペシネイトのドロップアイテムを、この船で活用できないか聞くと、スペシネイトの空間の神石は人工知能であるスイちゃん自身の強化、ダンジョンコア・Gランクは動力の強化、スペシネイトの鉱骨は船体の強化。
湯聖石は船内の大浴場含む全水回りを、浄化と癒しの効果のある聖水&温泉にできるとの事。自己改造については、元ダンジョンであった時の名残の吸収能力で、使えそうなアイテム取り込む。そして、そのアイテムを空間改変能力で組み込み、強化改造する事が出来るようだ。
こうしてスペシネイトのドロップは神骸飛空船・スペシネイトの強化に使われて無くなった。他にも強化に使えそうな物は皆使った。
もちろん、魔宝石は属性変換を覚えてから船の強化に使ってるからな。
ちなみに、ラヴァマンディブラのドロップ、マグマの魔宝石でサウナや岩盤浴施設が増えたり、フリージングゲーターのドロップである氷の魔宝石で、巨大冷凍庫に氷菓製造施設が何故か作られ、テリスタナトス・デスデイノスクスのドロップである死の魔宝石では、クリーンルームの設置と船内のクリーンシステムの強化に、医療施設が設置された。
あと、氷菓製造施設は、多分称号【コスモプレイヤー】の影響受けてスイちゃんが作ったんだと思う。そうでなくともIFOは、記憶読み取る位簡単に出来るだろうし、それに共有倉庫を通じて待機ルームと繋がってるからな。そう言う事もあるだろう。
神骸飛空船・スペシネイトを強化改造した後。
船外に出ると、入る時には無かったタラップが出来ていた。
如何やら此処も改造されていた様だな。
船から降りずに甲板の上で、今度は討伐報酬の確認をしようと思う。甲板も銀色で皆一様に空の色を映していた。討伐報酬は皆宝箱の様だし、ダンジョンで手に入れた他の宝箱も開けようじゃないか。
「エルナは今度は何をしゅるのじゃ?」
「ふっふん♪ 気になる? ダンジョンで手に入れた宝箱を開封するんだよ♪」
「Σふにゅっ!お宝なのじゃっ!?」
やはりチナも
まずは、罠の可能性が無い討伐報酬の宝箱から開けるか?
中ボスの討伐報酬は皆霊木の宝箱で四つ、ダンジョンボスの討伐報酬は神樹の宝箱が一つ、そしてスペシネイトは世界樹の宝箱三つに神樹の宝箱が一つだ。
他にダンジョンで手に入れた宝箱が、木の宝箱が八つに魔木の宝箱が六つだ。
ちなみに、アナウンス機能解放したお陰でログを見直せるから、討伐報酬の宝箱の見分けがついて良かったよ。
う~む。討伐報酬じゃない宝箱は、皆レアリティ低いな。
罠付きの可能性は有るが、沢山ある低レアの宝箱から開けた方が気分的にも盛り上がるので、やっぱり討伐報酬の宝箱は後で開けよう。うん、そうしよう。
それじゃあ。まずは、罠設置,罠解除,罠隠蔽,罠発見の1次スキルが、統合進化した3次スキルである罠術を使って、木の宝箱と魔木の宝箱に罠が無いかチェックして、罠が有ったら解除しよう。
この罠術のスキル統合スキルなだけあって、かなり優秀なスキルなんだよなぁ。
まあ、何でエルナが覚えているのか分からんけど。
「Σにゅ、どのお宝から開けるのじゃっ!?」
「まずは、罠チェックだよ。チナ」
「うみゅ、わなの確認はだいじなのじゃ!」
ダンジョンで手に入れた討伐報酬以外の宝箱、十四個の罠の有無を確認する。
確認した内、六つの宝箱に罠が仕掛けられている事が分かり、早速罠術のスキルで解除する。罠術による罠の解除は、スキルを意識すると罠の構造が何となく理解できる様になり、罠解除の手順も教えてくれる。
道具は、セレスティアラインとエレアロードヴェインが形状変化する事で解決。
多分これ、解錠とかも出来るよね? まさに神器様々だね。
あのダンジョン、通常モンスターとボス格のモンスター強さに、やけに差が有るなぁと薄々思っていたが。宝箱の罠の難易度が低くさと、実は一度入ったら強力なボスを倒さないと脱出できない仕様から、通常モンスや宝箱は侵入者を油断させ。確実に仕留める、ダンジョン自体が罠見たいな物だと、何となく理解できた。
何はともあれ、罠はサクッと解除できたので、早速宝箱を開けて行こうと思う。
そう、宝箱開封の儀だ。
「それじゃあ、いよいよ宝箱を開けましょうか! やっぱり開けるなら、低レアリティっぽい木の宝箱からかな?」
「ふみゅ、低レアの宝箱から開けるのは、ていばんなのじゃ!」
宝箱に対するチナのテンションの高さから、
「おや? チナ先生お宝に詳しいんですか?」
「にゅ? エルナくん、わちはこれでもダンジョンお宝学のけんいなのじゃよ!」
チナがエッヘンと腰に手を当て、どや顔しながら俺にノリノリで答えてくれる。
これが、チナが思い描いた偉い学者さんのポーズなのだろうね。
やっぱり、チナは可愛いよね~。
「それじゃあ、お宝の鑑定はチナ先生にお願いしますね?」
「Σふにゅ!? うにゅ……うおっほん、わちに任しぇるのじゃ!」
ちょっと動揺して慌てた様子のチナも可愛いなぁ。と思いながらも、本霊であるエナがダンジョンの管理と討伐をしている位だし、お宝含むその知識は豊富な筈なんだよね。それにその知識はチナにも共有されている筈なので、割とちゃんとした事が聞けるのではないかと俺は思っている。
さて、チナ先生の解説を聞きながら、宝箱の中身をチェックしますかね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます