26 チナとスキルの特訓をした後、ゆっくり温泉を楽しんだ

 ログインしてからエルナがもやったり、ご飯を食べた後にダンジョンで可能な限りモンスターを倒して、LVが上がり難く成ったらダンジョン討伐をして終った。


 何でこんなにあっさりとした報告になって居るのかと云うと、エナにとって攻略済みのダンジョンであると言う事と、エナとチナは無双状態で俺はちまちま端っこでモンスターを狩ってたり、他の確認してないスキルやアーツのチェックや権能がどんなものか確認をしただけからだ。

 ちなみに、JOBアーツは超必殺技って感じだった。

 権能はスキルのアーツの代わりにアビリティがあり、その中のアバタースピリット・リザレクションと言うアビリティがあって、エナの言っていた分霊は倒されたら終わりと云うのを覆す物じゃないかと思ったくらいだな。


 まあ後、あった事と云えば、丸二日でご飯を一回しか食べなかったと云う事くらいだろうか。エルナは余程消耗してない限り食事不要だし、エナとチナは竜なので食溜め可能で省エネ活動もできる上、神なのでその気になれば食事は不要。

 これは睡眠も同じなんだよな。

 つまり、何かに集中したり夢中になってると、食事や睡眠は別にしなくとも問題ない為、そのまま忘れてしまうんだよな。

 だから、これからも食事と睡眠は忘れる可能性大だな。


 そんな訳で、冒険者ギルドでドロップアイテムの換金して貰う事にした。

 やはりと云うべきだろうか、完全にエルナの事を忘れていたカチュアさんの事は、チナのお蔭で問題にならずに済んだ。

 ちなみに、ドロップアイテムはエルナの取り分だけでも3000万エアを超えた。

 ゲーム始まって二日目で所持金が3000万超えるとか、確かにオンゲーでは所持金の桁は馬鹿みたいに増える物だが二日でこれは増えすぎだよな。

 あ~増えたと言えばLVの馬鹿みたいに上がった。まあ、おそらく適性LV1000超えのダンジョンを落としたのだから当然と云えば当然なのだが。

 流石にスキルLVは、戦っていないから上がって無いのだが。

 だが、これは不味い。二日でBALV140超えたのは、もうチート疑われても仕方がない。だから俺、他のプレイヤーに会っても現地民の振りをしようと思うわ。

 うん、決定だな。


 さて、エナは用事があると何処かに行ってしまった。

 ログアウトするにしても、まだ微妙に時間が早いし、ギルドの依頼もパッとした物は無い。どうするか? 町の外でスキルLVを上げるのが妥当な所かな?


「チナ、町の外でスキルLV上げる特訓でもしようと思うんだけど、付き合ってくれる?」


「もちろん、良いのじゃ!」


 はあ~、元気なチナが可愛くて癒される。チナは元気な良い子だね~と一頻り撫でた後、町の外に出てモンスターや魔物を探しながら、スキルLVを上げる為にスキルを意識して色々やって見る。


 ステータスも、ちょっと考えられない位上がっている為、アニメとかで見たこと在る様な動きがすんなりとできる。

 いや~、これは普通に楽しいな。そうだ! 折角、空でも使えそうな、翼撃とか翼守のスキルを覚えたんだし、今度は空を飛んで色々やって見るか?


「ねぇ、チナ。今度は空を飛んで色々やろうと思うんだけど、チナは空を飛べたりするの?」


「しょらか? もちろん、だいじょうぶじゃ! 本体にできることは、わちも大体できるのじゃ!」


「良し! それじゃ、空飛ぼっか!」


 空を飛ぶと決めると途端にウキウキして来る、これはエルナの心の影響も大きいのだろうけど、俺自身も回数は少ないが空を飛ぶのは楽しいと感じてきている。


 早速、空を飛ぶ為に翼を出すのだが……。

 気になるのはチナがどんな風に空を飛ぶのかだ。観て見ると。

 チナは、エナが前にダンジョンで遊んだ時に、背中から出したヒレ? の様な物。

 まあ、もう翼でいいか。それと同じ物を背中に出した。

 続いて、その片翼三枚の翼を三枚で一枚の翼になる様に、背中から水が噴き出して覆う。エナから話だけ聞いていたが、チナが背中に作り出した水で出来た一対の翼は、太陽の光がキラキラと反射していてとても綺麗だった。


 チナと一緒に空を駆ける様に飛ぶ。

 チナの翼は水で出来ているのでチナが飛ぶと虹が出来てより綺麗だ。

 もちろん、エルナの翼も虹翼と云うくらいなのでとても綺麗な虹色だ。

 記憶には無いが、形は違うが同じ虹色に見える翼で空を飛んだりして、エルナとエナは仲良くなったんだろうなと思う。あながち間違いでは無いと思うね。


 思いっきり、チナと二人で空を飛んだら、空で出来る事を色々試行錯誤してみる。

 所謂、空中戦とかの特訓だ。最初はうまく体が動かなかったり、バランスを崩したりしたが、チナに教えて貰いながら慣れて行き、そのままチナに手加減して貰いながら模擬戦をしたりした。

 幼女に軽くあしらわれる美少女の図が暫く展開された後、流石に暗くなって来たので町に戻る事にした。


 宿で恒例と為りつつある、エルナが忘れられている事に関するやり取りをした後。

 チナの分も用意して貰い夕食をゆっくりと味わって食べた。

 ちなみに、チナの宿泊や食事代は只になったどころか、チナがエルナを守護している事を宿のオーナーが知り、エルナの宿泊及び食事代は取らないし、何時泊まっても良いと言い出した。

 これにはちょっと困ったが、この町の守護神エナの分霊であるチナを連れているのだから仕方ないと諦めた。

 取り合えず、何とか既に支払ったお金を返そうとするのは止めて貰えた。

 まあ、分かり易く言うと巫女とか聖女見たいな扱いなんだよな、正真正銘エナは神様なんだし致し方ないってやつだよな。


 何か色々あって疲れたので、部屋に戻ったら源泉掛け流しの露天風呂に入ってリフレッシュしよう!


 さて、お風呂に入るにあたって、チナをお風呂に入れてあげないのは良くないだろう。チナは分霊とはいえ水竜な訳だし、本体であるエナもこんな温泉がある宿を紹介したぐらいだしね。


「私は、温泉に入るけどチナはどうする?」


「むむ! わちも温泉はいるのじゃ!」


「そっか、じゃ一緒に入ろうか」


「いっしょに、入るのじゃ!」


 ご機嫌な様子のチナと露天風呂に行く。

 もう、辺りは暗いのでエルナも恥ずかしさを感じない時間帯だ。

 チナは見事なまでのロリっ子ボディをしていた。

 子供特有のぷっくりとした体つきにぺったんボディである。

 まあ、そんなチナの体の事で気になるのは、やはり頭左右に生える金色の角に、本体であるエナよりも明るい色になっている綺麗な水色の尻尾だ。

 チナは尻尾を器用に動かして、お風呂の中をスイスイ泳いでいて楽しそうである。

 角と尻尾にどうしても触りたくなった俺はチナに聞いて見る。


「ねぇチナ。チナの角と尻尾に、触って見たいんだけど良いかな?」


「? 別にかまわんが、角としっぽにしゃわって楽しいのかのぅ?」


 すーっと、エルナの近くにチナが来たので、早速角を触らせてもらう。

 金色の角はツルツルとした触り心地で、ひんやりと気持ち良いまるで金属見たいな感触で、温泉の中だとひんやり感がより気持ちいい。

 ついでに、チナの髪を梳かすように頭を撫で、何時までも触って居たくなる、髪の毛と頭の撫で心地がとても良かった。


「ほほ~♪、チナの角こんな感じなんだね~♪」


「こしょばゆいのぅ」


 次は尻尾を触らせてもらう。まるで宝石みたいにキラキラした尻尾を触ると滑々として居て其れでいてとても滑らか感触。鱗が引っ掛かる事もなくとても気持ちいい。

 尻尾をにぎにぎしてみると適度な弾力があって、時間を忘れてにぎにぎし続けてしまう。


「ほ~♪、しっぽまっさーじとはエルナは気がきくのじゃ~♪」


「Σえっ……、好評で何よりだよ……」


 夢中に為ってにぎにぎしてしまったが、竜にとってはちょうどいいマッサージだった様だ。


 ドポンっ!


 突然、何かがお湯の中に落ちる音がして、驚いてそちらの方を見るとエナが服を着たまま湯船に入っていた。


「えーっと、エナは何で服を着たまま温泉に入ってるの?」


「風呂の時間じゃったか。ちょっと時間が出来たから遊びに来たのじゃ」


 時間が出来たエナはエルナを驚かそうと、分霊であるチナを座標にして、瞬間移動できるアーツを使って跳んで来たとの事。

 ん? そう言えば、エルナも権能にそれっぽいアーツがあったな、今は分霊が居ないから意味ないけど。

 まあ、それはともかくエナも折角来たのだからと、温泉を楽しんで行く事にしたらしい。エナはいつの間にか裸になって居た。どうやら、エナの服は自分の鱗を変化させた物らしく簡単に消せるとの事。


 チナと一緒にエナも音を立てずに湯船の中をすーっと泳ぐのは、尻尾の所為か動物番組なんかで見る水中を泳ぐワニを思わせなんか面白い。

 改めてエナを見ると、暗めの水色の髪は深みのある綺麗な水色で、青に近い水色と言った所だ。どちらにせよ青系の色なんだけどな。

 角もチナの金色の角よりも深みがあって、その角はまさに黄金と言っても良い色をしていて、とても綺麗だ。

 瞳の色も同様で、エナの暗赤色のガーネットを思わせる瞳も、その暗めの色合いが深みを出してる。

 チナの明るい色合いとエナの暗めの色合いは、分霊と本体の違いをを色の濃淡でその違い、或いは深みを示しているかの様で面白い。

 ちなみに、エナはゆったりした服の所為で分らなかったが、ちっこいクセに結構胸がある発育が良い幼女の様だ。


「ねえねえ、エナ。さっきチナに、角と尻尾を触らして貰ったんだけど。エナの角と尻尾はチナと違うのか、とても気に為るから触らせて欲しいな~? だめ?」


「ん? 別に良いぞ。わしの自慢の角と尻尾なのじゃ、存分に触ると良いのじゃ!」


「ほんと? じゃあ触らしてもらうね」


 では、早速触らせて貰う、まずは角からだな。どや顔をしているエナの角に触れた瞬間。俺は思わず声を出していた。


「わわっ! えっ、何これ!? 何だかよく分からないけど凄いよ!」


「そうじゃろう、そうじゃろう」


 とエナがふんぞり返ってドヤァが増す。

 いや、本当に何これ? 触れた瞬間にひんやり滑々なのにピタっと吸い付く様な不思議な感触、それでいて何時までも触って居たくなる様な、不思議な力を感じる。

 まさに魔性の角だ! これが神たる竜の角なのか!

 ファンタジーで欲に駆られた王様なんかが、竜の財宝目当てに竜退治させるなんてあるけど。定番……いや、それ以上に竜自体がお宝なんだなぁと思わせる程衝撃的な触り心地だった。


 次は尻尾を触らせて貰う。!! 今度は声を出さなかったが、これもとんでもない触り心地だ。触った瞬間その深みあるの水色の尻尾からは考えられない、暖かく柔らかでいて弾力なある感触、それでいて非常に滑らかに滑々つるつるしており、この尻尾本当に鱗が付いてる? っと思うほどだ。

 う~む、むにむにと病みつきに為るこの感触ヤバい手が止まらん。


「ふゆぅ~、エルナよ。お主なかなか尻尾マッサージが上手いのぅ。心地よいのじゃ~」


「Σはっ……、うん。そ、そう見たいなんだよね~。さっきもチナがマッサージが上手だって喜んでくれたんだ~……」


 いかんいかん、また夢中に為ってしまったな。前はこんな風になる事は無かったと思うが、もしかしてこれってエルナの影響だったり? どうして分かったの? 見たいな感じがするので、俺の予想は合ってる様だ。

 エルナはどうも、可愛い物や気持ちの良い感触の物を触ったり、もふもふしたりすると、度々時間が飛んでいると云う様な事を俺に伝えて来る。

 うん。アプリンの件も或るし納得である。

 多分これって今は覚えてないけど、俺がそういう性格付けをエルナにしてたんだろうな。まあ、あれだよ。何かに夢中に為っている娘って可愛い! ってやつだよ!

 しかしこれ、DDSの所為で現実の俺にも間違いなく影響出てるよな、桜にした悪戯が止まら無くなったのって、エルナの夢中に為って我を忘れてしまう性格の所為っぽいもんなぁ。


 その後もしばらく、源泉掛け流し露天風呂を楽しんだ後。

 本日二度目のログアウトをするのだった。

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