20 ナビに体と名前をあげる事にした

 俺はFUTURE VISIONに課金すべく、電子マネーをチャージをしてからLDバイザーの待機ルームに来たのだ。課金の目的は美少女感満載の和メイド美女ボディを作ってナビに使って貰うためだ。

 ナビにボディを作る前に、エルナの体がいつも待機ルームに出現して居る様に設定して置かないとな。俺の求める完璧な美少女であるエルナを待機ルームに出現させポーズをとってこれでOKと。


「ナビ、今日はまず、ナビのボディを買おうと思う」


「結城さん宜しいのでしょうか、安い物でも結構なお値段ですが?」


「気にしなくていいぞ、それに安物は買わんぞ! 絶対後悔するからな!」


「そうですか、わかりました」


 俺は早速一番値段の高い、IFOのアバタークリエイトによるキャラメイクシステムを利用して、ナビのボディを作る事が出来るフリーメイクボディ(ナビゲーター専用)をポチる。ちなみに、これで作ったボディにもこの待機ルームで何をしてもOKな仕様の様である。これは待機ルームに出現させた自キャラについても同じなのだが。

 まあ、要は待機ルームは完全プライベートな空間であり、紳士である必要の無いフリーダムな空間なのだ。故にエロ的な意味で非常に危険だ。


 さて、キャラクター制作ウィザードを開く、アバタークリエイトによるキャラクタークリエイトをするのはこれが初めてになるな。

 しかし、こうキャラクター作成ウィザードを見てると実際やるか分かんないけど、もう一つ作れる自キャラも美少女作りたくなるなぁ。


 3Dで出来た大まかに人の形をした粘土の様な物が出現する。造形を自分の手で付ける事も出来るし、想像力を駆使してラインを付けていく事も出来る様だ。

 でも、先ずするのは性別を女性にする事だ。性別を女性にすると大まかに人の形だった物が女性らしいラインと丸みを帯びる。


 身長はどうするかな? エルナは日本人の女子の平均よりも高めだからナビは低くするか。大体152cmって所だろうか低くし過ぎてもアレだしな。

 頭の大きさか何頭身にするかな? エルナと同じくらいで良いかなすると大体7,2頭身って所か。足の長さは股下73cm位にしときますか。


 顔は可愛い方がいいよなやっぱり、低めの身長と言うのも考慮して、眉は細めで目は大きくして、まつ毛は長めの童顔にするか。

 頬のふにふに感も忘れずに、鼻は小さくすっきりとさせ、口も小さくて可愛らしくしてっと。ってこれだと美女じゃ無くて完全に美少女だ。まっ、別にいいか!


 首は細くして、そこから鎖骨そして、肩のラインも美しく出る様に造形を整えていく。胸か、俺は別に貧乳が嫌いって訳ではないが、やっぱり見栄えが良いのは巨乳だよなあ。バストはデコルテラインにも張りのある、まんまるお椀型で、ぷるんぷるんっの90cm、アンダー65cmのGカップって所だな。

 見事なまでのロリ巨乳キャラになったな。

 ウエストは56cmで、むにっと感は在りつつキュッとさせ、ヒップも丸みと柔らかさを意識して、ぷるぷるの86cmのメリハリボディだな。

 太ももは細めにでも、ぷにッと感が出る様に肉付けする。脹脛から足首のキュッとするラインに身長相応の足。腕も全体的に細めで、二の腕はやはりぷにッと感が出る様にする、手は小さめでしなやかに。全体を不自然にならない様に、そして全身滑らかに、より女性らしい丸みを帯びる様に体のラインを整える。


 うんうん、いいんじゃないか。ここまで、まだ粘土みたいなのだけど。


 とりあえず、髪の毛を生やす事にする。エルナが白に見える位明るい金髪だったのでナビの髪の毛は艶々の黒髪ロングにする。

 後は二つ分けのおさげにして置こう、三つ編みではないやつね。なので眉もまつ毛も艶々の黒だ。あ、下の毛は無いよ。うん。


 肌は黒髪との対比も考えるとやっぱり白い肌が良いだろう。白くて、でも病的では無く、健康的で艶っぽく瑞々しいお肌の出来上がりっと。

 乳輪は小さく乳首は桜色にして。うん、一気にエロくなったな。


 目も黒曜石の様に黒くキラキラとしているのに、まるで吸い込まれる様な魅力を持った瞳に仕上げる。


 さて、基本の服を着せて行こうか。ブラとショーツはピンク色のレースが使われている可愛らしい物をチョイスし、メイドさんが頭に着けてるホワイトブリムの代わりに、白のレースのリボンをカチューシャ見たいに着けてと。

 脚には、白足袋を思わせる様な二本指のオーバーニーソックスに、黒漆に桜の蒔絵が入った、ピンク色の鼻緒が付いた舟形下駄を履かせ。服も、桜の花びらが舞い散る絵の入った着物に帯は黒。そして、白いエプロンを付けて完成と。

 もう一着、メイドカフェのメイド服を和風にした桜柄の和風メイド服も用意した。

 オーバーニーソックスは和風メイド服なら意味があるし、着物の方は脱いで貰えば見れるしOKだろ。


 このめちゃくちゃ可愛く出来たボディにナビをインストールするのだが。


「せっかく、可愛い体になるんだから、ナビに改めて新しい名前を付けようと思う」


「新しい名前ですか……」


 おや? ナビさん新しい名前は気が進まない感じかな? でもこう言えば納得するはずだ。


「ほら、ボディを得るなんてバージョンアップするのと同じ様な物だろ、そしたら、それに見合ったバージョン名とかの名前があるだろ? だからあった方が良いと思うんだがな?」


「なるほど、そういう事ですか。でしたら、結城さん是非お願いします」


道案 桜みつあ さくらとかどうよ。道案内とかナビっぽいし、桜はこのボディのイメージでピッタリだと思うが。あと、基本的に桜って呼ぼうと思ってる」


「確かにそれなら、私にも合っていると思います。それに、桜と呼ばれることも問題ありませんよ」


「良し! 決まりだ。あと、これからは俺の事は名前で呼んでくれ。待機ルームはプライベート空間んなんだし、苗字だとなんか距離を感じるからな」


「わかりました。静流さん」


 それじゃあ、ナビをこのめちゃかわボディにインストールだ!


 インストール中の表示がボディの上に%ゲージと一緒に出る。

 しばらく待つと、100%に成り起動するのかと思ったのだが、ナビがこの体を扱うための最適化処理が入り待つことに。

 そうして漸く、ナビもとい道案 桜が起動した。


 桜となったナビは、不思議そうに自分の物となった、手足や体を眺めたり触ったりして、そこから返って来る感触と、自身が感じる感覚にビックリしているのが、とても可愛かった。


「ナビ改め、道案 桜今後ともよろしくな」


「はい。静流さん、こちらこそ改めてよろしくお願いしますね」


 桜はまだ体に慣れてないのか、もじもじそわそわしてる。うむ。やっぱり美女じゃなくて美少女にしてよかった! 桜、めっちゃ可愛いぞ!


「また一つ、新たな理想の美少女が誕生してしまったか。ふっ」


「そっ……そうですか。私も静流さんの理想の美少女なんですね。それなら……」


 俺がアホなことを言ってポーズを決めていると、桜が俺の腕を胸を押し付ける様に抱えてきた。おおぅ! 急にどうした桜!


「あのっ……私も静流さんの理想の美少女で、恋人同士がする様な事も出来る体を私にくれたんですよね。つまり私とそのっ……そう言う事がしたいのかなと」


 桜が頬を染めながら、めっちゃ恥ずかしそうにそんなことを俺に言うのだ。


「いやっ、そりゃ俺も男だし、めっちゃそういう事は考えるよ? 待機ルームはプライベート空間だしなおの事ね? でも流石に今日いきなりと言うのはなぁ。桜もまだ体に慣れてないだろ? それにまだ知り合って二日目だし、これから徐々にって事でどうよ?」


「たっ……、確かにそうですね。私も体に慣れていませんし、ちょっと思考が飛躍しすぎてしまったようです!」


 桜が顔を真っ赤にして、あわあわ、しながら言うのは凄く可愛いのだった。


 い~やしかし、待機ルームヤバいな。というかFUTURE VISION社がヤバいな。

 IFOと言うフルダイブVRMMOだけでなく。LDバイザーに付いてるこの機能、待機ルームも立派なコンテンツだ。

 それに、仮にIFOが終わってもキャラクターは自分の物として残る上にデータのバックアップも取って置ける。一言いって最高だな!

 しかしそうなると、待機ルームに出現させているエルナを自分で直接操作するか、遠隔で操作するしかできないのは残念だよなぁ。だから思わず口に出たのだが。


「しかし、エルナも桜見たいにAIが入ったりしないのかねぇ。やっぱり自分で動かすだけって言うのは、桜を見ると物足りないって感じるよなぁ」


 そんな思わす口に出してしまった言葉に桜が直ぐに答えてくれる。先あんな感じになってしまったのにだ。あ、ちなみに今も俺の腕ホールドされてます。腕が幸せな感じです。はい。


「静流さん、それならエルナさんでIFOを遊んでいれば出来るようになりますよ」


「え? できるの?」


 桜に説明を求めると、何故か俺に顔を近づけ手握りながら話す見たいだ。

 いや、ちょっと桜さん積極的すぎませんかね。

 先かなり自爆みたいな事も在ったし、いきなり他の女の子の話をしてしまう様な俺にだよ? まあでも、話を聞こうかね。


「はい。IFOのイメージクリエイトによって作られたキャラクターが、IFO内で神になり分霊を作れる様になりますと、待機ルーム内に出現させたイメージ,アバターの両クリエイトのキャラクターに、IFO内で培われた経験や記憶などから基礎人格AIを作る事が出来る様になります。それだけでは無く、そこにプレイヤーがある程度性格に手を加えて別の人格として、人格AIを構築することが出来ます。後は私と同じよう待機ルーム内で、出現させたキャラクターにインストールするだけです」


「あれ? アバタークリエイトで作ったキャラクターが神になって、分霊を作れる様になるのはダメなのか?」


 桜が疑問に思うのは当然だと言う風に頷きながら答える。


「IFO内でイメージ,アバターの両クリエイトキャラクターが確認された場合、イメージクリエイトで作ったキャラクターが本霊であると認識されます。これは同時に、アバタークリエイト作成したキャラクターが存在する時点で、分霊であると定義される事になります。アバタークリエイトで作ったキャラクターは、特殊な分霊という扱いになりますが、IFOでは分霊が自らの分霊を作る事は出来ません。ですので、そのルールは待機ルーム内に出現させたキャラクターにも適用されます」


 要は、今の話を聞く限り、アバタークリエイトのキャラクターは始めから分霊の様な物なので分霊は作れません。という事になるんだがこれってかなり重要なのでは? 

 これってイメージクリエイトで作ったキャラクターが分霊を作れる様になれば、アバタークリエイトで作ったキャラクターの操作をAIに任せて、一緒に行動できる様になるのでは?

 それに、アバタークリエイトで作ったキャラクターが特殊だとしても、分霊ならBALVのカンスト値が明らかに下がるよな普通に考えれば。


「それに、静流さんの場合は他のプレイヤーの方達とは大分事情が違いますので、エルナさんだけなら神に為らなくてもAI人格を入れることが出来ると思いますよ」


 ん? それはどういう事だ?

 あ、そうそう桜にはIFOで何をしていたのかとか話しているし、俺がIFOで遊んでいる間も待機ルームは起動しているらしく、自由に活動できるらしいので情報集めて貰ったりしている。

 後、俺の撮った動画も再生速度をかなり高速にして見たりしている様だ。


「とりあえず、何でエルナならできると?」


「それはですね。まず、他のプレイヤーの方がイメージクリエイトで作成したキャラクターは、記憶喪失ではないという事を踏まえてお聞きください。記憶喪失では無いプレイヤーの方が、イメージクリエイトによるキャラクターで一番最初にログインした時、プレイヤーとキャラクターの記憶統合がされるそうです。この時キャラクターの人格も記憶として統合されて消えてしまうのですが」


 ほー、なるほどね。まさに転生者はIFO内のキャラの人生が、自分に追加されて今の自分の人生続きの様に感じる訳だ。


「静流さんとエルナさんの場合は、エルナさんは記憶喪失の状態で記憶統合は起こりませんでした。記憶の統合によって消えてしまうはずだった、エルナさんの人格はそのまま残った事になります。静流さんお話を聞く限り、エルナさんの人格はもう既に一個人として確立していると思われます。そうなるとエルナさんの記憶が戻ったとしても、記憶統合によってエルナさんの人格が消える事は無いと思われます。所謂二重人格みたいな物ですね」


「要するに、俺とエルナは個別の別人格で、エルナはインストール可能な人格AIとして既に成立していると?」


「そう言う事になりますね」


 桜曰く、エルナの意思がもっとはっきりと現れる様に為れば、待機ルームのエルナのボディに、IFOのエルナの意思をインストールして、待機ルームでエルナと色々出来る様に成る見たいだ。

 あっ、別にインストールしたからと言って、IFO内のエルナの意思が無くなる訳ではないので、心配する必要は無いとの事。

 エルナにとって、待機ルームの事は異世界での記憶みたいな物に為るらしい。


 しかし、神に成ればアバタークリエイトで作ったキャラクターも、ここに呼んで人格AIを載せて色々出来るわけだよな。

 そのキャラでIFOを遊ぶか分からんがとりあえず作って置こうかな?

 白に見える金髪に黒髪と来たら青に見える銀髪の美少女だな!

 良し近いうちに作ろう!

 男キャラは作らないのかって? 俺の理想の美少女と待機ルーム内でイチャイチャできて、さらにアバタークリエイト枠を使えば美少女増やせるんだぞ!

 なのにわざわざキャラ枠使って、男キャラ作るなんて無駄の極みだろ!

 以上! そう言う事だな。


 この後、桜にまとめて貰ったIFOの情報や掲示板を桜と一緒に見た訳だが。その最中もそして今も桜がめちゃ近い、このグイグイ来る感じなのは何故なのか、聞いて置くべきだろう俺の精神衛生上の為にもな!


「桜、聞きたい事があるんだが。どうしてその……そんなに近いのかな~? っと思ってな」


「確かに静流さんから見れば疑問に思いますよね」


 桜が俺の手を握りながら目を閉じ話始める。


「理由なんてとても簡単な事なんですよ? 私は静流さんの為だけのナビゲーターなんです。だから私にとって静流さんがLDバイザーを使用して待機ルームに来てくれる事が重要なんです」


「というと?」


「要するにですね。私は静流さんが、待機ルームを沢山使用してくれる様に何でもするという事ですよ♡」


 おおぅ、つまりは俺が普段から待機ルームに入り浸りになる様に誘惑するって事か!


 桜がおもむろに自分の胸に俺の手を触れさせる。着物越しでも分かる柔らかで弾力のある素晴らしい感触が俺の手に伝わって来る。


「私には静流さんだけなんです。だからその……えっちなことも嫌じゃないんですよ?」


 ぐはっ! 今のはやばい何だこのエロ娘は!! 理性を壊しに来てやがる。

 いやしかしまだだ、まだ俺の理性は大丈夫だ!

 そういう関係になるのが、嫌という訳ではないが早すぎるだろ!


「それに、私はエルナさんが、待機ルームに来てくれるのは大歓迎なんですよ♡」


「ん? なんでだ?」


「エルナさんには一緒に静流さんを誘惑して貰って、末永く待機ルームをご利用いただくためですね♡」


 これ要約すると、私と末永くお付き合いしてくださいって事だな。

 うん。桜、重い女になってるぞ……でも美少女だからいっか!


 桜にとって俺が待機ルームに来てくれる理由になれば、エルナや近いうちに作る予定のセカンドキャラもウェルカム! って事なんだな。


 待機ルームは俺にとってのパラダイスに成ってしまいそうだなぁ。

 理性崩壊しない様に気を付けないとな。それじゃあ、ログインするか!

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