14 回帰の加護とLVキャップ&カンスト

 でわでわ、転輪神の回帰の加護を語ろう。

 さて、この回帰の加護プレイヤーにとっては主に二つの事に関わっている。

 一つ目はもう気付いているかもしれないがリスポーンの事だ。

 そして、二つ目がBALVのカンストに関わっていてその所為で結果的にはBALVのキャップにも関わっている。

 ちなみに、回帰の加護は現地民もそれなりに持ってる人がいる。


 転輪神は緩くウェーブのかかった鮮やかな赤い長髪と瞳を持ち、髪や瞳と同じ様な色のドレスを着た。

 幼さの残る女性の姿をしているとされ、正式には転輪神ルージュネアと言う。


 何故、回帰の加護がBALVに関わるかというと。

 この回帰の加護BALV3000以下で得るとBALVカンストのLVが500下がるのだ。所謂、寿命以外での死が無くなる事のデメリットである。

 これは、現地民でそうなって居るので転生者は同じ仕様なので分かるが。

 来訪者がどうなるのか分からない、でも影響は確実だろう。

 ちなみに如何してこうなったのかと云う経緯が神話で語られている。


 そもそも、この加護は転生の女神である転輪神が、この世界に侵攻してくる敵対大神との戦いに置いて、いかに犠牲者を出さずに戦いを続けて撃退するのか、という事を試行錯誤して生まれた加護だということ。

 そして、この加護の完成には三柱の大神が関わっている。

 まず、この加護のを生み出す切っ掛けと為ったのが、第二次大神大戦の戦後この世界の復興のために訪れた大神ラーカシャ-ルだ。別名【幽冥より蘇る春陽の清輝】の名を持つこの大神は復活の奇跡を起す御業を持っていた。

 ちなみに、この大神は日傘を持った貴族令嬢の様な姿をしているとされ、今もこの世界に居る大神の一柱だ。

 この力を見た転輪神は自分の力でも、これと似た様な事が出来るのではと考えたのだ。そして、ここから転輪神の研究が始まる。

 ちなみに、大神大戦とは複数の大神が戦いに加わった世界規模の戦争の事でIFOのゲーム的に言うならレイドバトルの最大規模の物である。


 彼女はラーカシャールに弟子入りし復活の奇跡の力の模倣を行う事から始めた。

 大神の力である、この力を学び模倣し行使できるようになるには長い時間が掛かったが、第三次大神大戦が起こる前には何とか奇跡の模倣が可能になったのである。

 これは後にリザレクションの神聖魔法としてこの世界に広まる。


 ちなみに、ラーカシャールと同じ時期に【廻り繰り返す次元の回天】の別名を持つ大神クールスクートきており、かの大神は破壊と再生の奇跡を使えたが。

 転輪神はクールスクートの力は自分の力に似ているし、新しい視点が欲しかった為かの大神には弟子入りしなかった。

 ちなみに、クールスクートは性別不明だ。ついでに言うと分霊ではあるがこの世界に住まう大神でもある。


 そこからさらに、長い年月をかけ研究を進めて行ったがどうにも上手くいかない。復活の際どうやって自動で復活に必要なエネルギーを集めるのかで悩んでいたのだ。

 これが解決する切っ掛けは第五次大神大戦の最中であった。

 後に【ヴァールスレーヴァの誤算】とも言われるこの大戦で敵対する大神として、それはこの世界に現れた。

 【囚われ繰返す夢幻死呪の御主】の別名を持つ大神カーベルカーロッタである。

カーベルカーロッタはこの世界の神々と世界その物を気に入り、エルアクシア側に付いたことなども含め、エルアクシア側の圧勝で終わったのだが。

 転輪神にとって重要のは此処からで、大神カーベルカーロッタの力こそが求めていたエネルギーを得る手段だったのだ。

 カーベルカーロッタは死の際に生じる死のエネルギーをロスすることなく自身を復活させる事に使うことが出来た。

 もちろん、其れだけでは無かったのだが転輪神にとってはそれこそが重要だった。

 転輪神は直ぐにカーベルカーロッタに弟子入りし、もう一人の師匠であるラーカシャールの力も有って死のエネルギーを利用した自力復活の奇跡を模倣した。

 修行は、失敗して死んだらラーカシャールに復活を行って貰うという物だった。

 この奇跡の模倣は後にリヴァイブの魔法として広まる。


 ちなみに、カーベルカーロッタは黒髪ツインテに赤いメッシュの様な髪が混ざったロングヘアで、右目が髪に隠れた黒い瞳に頭の上に赤い天使の輪持ち、背には黒い翼を有する少女の姿をしているらしい。

 それと、ヴァールスレーヴァは第五次大神大戦の切っ掛けを作った大神の真名だ。


 さっきから、別名の事を語っていると思うがこれにも意味がある。

 先ほどの【ヴァールスレーヴァの誤算】は現地民は【ヴァールスの誤算】と呼んでこの大神の真名を言わない様にしている。

 別名を持つ高位クラス以上の神々や大神達の真名には、強い力があり何が起こるか分からないため、しっかりとした目的でもない限り別名か略称で言う事になる。

 ましてや、この世界に敵対する大神の真名など危険すぎて言えないのだ。


 さて、続きだ。転輪神はカーベルカーロッタの奇跡を模倣した後。

 いよいよ、【転輪神の回帰の加護】と言われる加護の力である、【復活回帰】を作り出すために術法を駆使して生み出そうとする。

 だがこれもが非常に難しく困難であった、特に完全自動化のプロセスが上手くいかずに悩んでいたのだ。

 この頃この世界は第四次,第五次と大神の感覚では、非常に短い期間で起こった大戦の世界の修復と復興が終わろうとしていた。

 そんな折に、この世界にいつの間にか勝手に住み着いた大神が居るらしい。しかも、その大神は理を司る奇跡の御業の化身たる大神だという。

 転輪神はそれだ! って思ったわけだ。

 早速、その大神の元に出向いた転輪神は、その時丁度その大神とお茶をしていた。エルアクシア神に頼んで、「弟子にして貰えないか一緒にお願いして」と頼んだそうだ。最終的に三柱の大神の弟子になったこの事が、【転輪神の三度弟子】という故事になったとか。

 で、その時弟子入りしたのが、【不可思議なる魔と法の大摂理】の別名を持つ最古の大神の一柱エレジュナリクレイユであった。

 エレジュナリクレイユは通称魔女の大神と呼ばれ、夜空の様な髪と瞳を持った妖艶な魔女の格好をした、スタイルのいい女性の姿をしているらしい。

 ちなみに、転輪神はエルアクシア神にとっては親にあたる神の一柱で、きっと複雑な気持ちになったに違いない。


 こうして、三柱の大神の弟子になりその奇跡の御業を模倣し、漸く作り上げたのが【復活回帰】の力であり。

 これを自身の加護として与えた物が【転輪神の回帰の加護】と言われる、一般的には【回帰の加護】と言われる物である。

 転輪神は当然の如く、生き残った全ての神々にこの加護を与えた。また、将来有望そうな者達にも惜しみなくこの加護を与えたのである。

 こうして、運営にとっても有りがたいリスポーン機能ができ上がった。

 しかし、しばらく経つとこの加護には、神にとっては少しで済む特定条件で発生するデメリットがある事が分かる。

 それが、BALV3000以下でこの加護を得ると最終BALVが500下がるという物だった。

 このデメリットが後で、判明したのには分かり易い理由がある。

 幾度もあった大神大戦を生き延びる様な神々に、BALV3000以下の神なんて居なかったからである。

 当然の如く皆BALVカンストして、修行とかを何十万年とか続けて来たやべー奴らなので、神に成ったら寿命無くなるし、これ位なら別に修行すれば良いだけだと。

 別に問題ないと判断された様だ。

 BALV3000以下で加護を得た者達も、より厳しい修行や戦いに身を置けばこの程度のデメリットは問題ないとしていた様だし。

 それ以降は、この加護は加護を得る資格のある者が望んだ時に授かる物となった。


 この加護は来訪者や転生者の称号に含まれており、プレイヤーはこのデメリット避けられない仕様だ。

 まあ、プレイヤーにとっては問題だが、これ一応ワールドシミュレーターなので仕方ないのかもしれない。

 という訳で、エルナはもちろん、プレイヤーは全員がこの【回帰の加護】を有している事になる。


 LVキャップやカンストについても語っておこう。神にはBALV1800で試練を受け突破する事で成れるらしく。

 BALV1800は三回目のLVキャップでもある。

 それ以前のLVキャップも種族進化でLVキャップ開放と為っている。

 もしBALV1800時、神に成れなくとも後でいつでもチャレンジ出来るし神になると種族が神種に進化する。

 神に成らなくとも、BALV1800のLVキャップを開放する事は簡単で、超越種に種族進化するだけでよい。

 ただし、超越種は神種よりも種族成長ボーナスやスキルの強化も低く。

 後から神種に成れるが損するだけらしいので公開設定資料でも、BALV1800で止めて神に成る事がおススメされていた。

 神に成ると神格に合わせてBALVキャップがあり、BALV3000以上になるにはロールが関係しているらしい。

 ちなみに、超越種は神種よりも損してる分、BALV3000までLVキャップ無しでLVが上がる様だが。それ以上は、やはり神に成るしかない様だ。

 この事から【回帰の加護】はBALV3000のキャップに為っていると分かる。

 ついでに、現地民のBALVカンストは例外を除いてLV5000、なので転生者はLV4500がカンストだろう。

 まあ、これは冒頭の方でも言ったが現地民の仕様で転生者にも適用されると言うだけで、来訪者が如何なるかはやっぱり分からないけどね。


 とまあ、こんな所かな。まだまだ明るいし、ちょっと依頼でも受けてみますかね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る