12 あざといのじゃロリ美幼女に案内してもらった
俺が、次は何処に行くか考えて居ると。さっきチェリーベリーを上げたのじゃロリ美幼女が話しかけて来た。
「のう、お主よ名前を教えてくれんかのう、わしの名前はエナじゃ」
どうやらエルナの名前が知りたい様だ。しかも、エナという名前らしい。やはり、水竜ブエナとしか思えないな。
「私の名前はエルナだよ。よろしくね!」
「おおっ! そうか、お主はエルナというのじゃな! わしもよろしくなのじゃ! なんだか、わしと名前が似てて親近感を覚えるのう」
「そういえば、一字違いだねぇ」
この子の名前がエナでもブエナでも一字違いだなぁ。
「お主、この町にはどの位居るのじゃ?」
エナが目をキラキラさせながら聞いて来る。ふむ。いつまで居るかねぇ。
「まだ、どの位居るかは決めてないんだよね。宿も決めてないし。とりあえず、冒険者ギルドには行きたいかな?」
「ふむふむ、分かったのじゃ。ならば、まずは宿じゃな! わしについて来ると良いのじゃ!」
ふむふむ、と首を上下させてたエナが、パッと顔を上げ自分について来いと行ってしまう。俺はエナの後をに付いて行くのだった。
慌てないのかって? 追跡のスキルが有るんだから、別に慌てる事も無いだろう。
エナが連れて来た場所は、湖が見渡せる湖畔近くの宿。〈水神の寝床〉という名前の外観もしっかりしている、冒険者の宿と言うよりはちょっとお金のある人達が、観光に来て泊まるリゾートホテルの様だった。
ちょっと、お高そうだが大丈夫だろうか。
「ここの宿はわしが贔屓にしておるのじゃ!」
エナがエッヘンと可愛く胸を張ると。上目遣いで目を輝かせて「わし偉いでしょ? 褒めてもいいんじゃよ?」わくわく、とエルナを見て来る。
うん、なんだこの可愛い小動物幼女は!
「そっかエナは偉いねぇ、よしよし」
俺はエナの頭を撫でながら褒めてあげるのだった。
早速、ホテル……じゃない。宿の中に入り、エナと一緒に受付に行く。エナが受付カウンターにうんしょうんしょ、顔出し自分がお客を連れてきたと旨を伝える。
受付の人がエナの紹介だと驚き俺を見てまた驚いていた。
俺を見て何を驚いてるのかと、一瞬を思ったが俺は今美少女だったな思い出し勝手に納得しといた。
「エナ様のご紹介なのでサービスさせていただきます」
おおっ! どうやらお得なお値段で泊まれる様だ。
エナがまた褒めて褒めてオーラを出すのでなでなでする。
実に幸せそうである。
「現在は閑散期という事もありますので、80%引き1000エアでいかかがでしょう?」
あ、うん。やっぱり、ホテルだったわ。ここ。
「私、加護持ちなのですが。大丈夫でしょうか?」
「もちろん大丈夫でございます。当宿は加護持ちの方々、特有の問題にも対応しておりますよ」
さすがはエナ様だとか、受付の人が言っている間にお金を取り出しておく。
「そうですか、それは良かった。では、10日間でお願いしますね」
俺は1万エア払い部屋の鍵を受け取り、自分の部屋を確認する。
部屋は広く清潔でゆったり出来そうなソファに大きなベット。
そして、大きな窓からは湖の畔近くの森と、湖の水が光を受けてキラキラと輝く自然の景色が見える。
ベットには直ぐにエナがダイブして、ぽよんっぽよんっと跳ねていて楽しそうだ。
うん。やっぱり、ここはリゾートホテルだな。
日本円で元々5万円の部屋らしいしいが、ほんとはもっと高い可能性もあるしな。
「どうじゃ、エルナここは良い部屋じゃろう? わしの好きな部屋じゃ」
「確かに、エナの言う通り良い部屋だよね。ゆっくり出来そうだよ」
そうじゃろ、そうじゃろ。と言ってうんうんと頭を上下させ、撫でてもいいんじゃよ? って顔をするエナはとても可愛い。
ベッドでぽよんっぽよんっ、としてた所為か。
ちょっと上気して頬の赤くなったご満悦な様子のエナをまたなでなでする。
この幼女、撫でるのを誘ってやがるな!
「それじゃあ、宿は確保したし。冒険者ギルドギルドに行こうと思うけどエナはどうする?」
「ふむ、冒険者ギルドか。ギルドもわしが案内するのじゃ。でも、その後はわしも用があるのじゃよ。すまんのぅ」
「良いよ、気にしなくて。冒険者ギルドまで、案内してくれるだけでもうれしいよ」
エナが、ギルドまで案内してくれる様なので道に迷う事はなさそうだ。
その後、用事があるらしくとても残念そうである。
エナに連れられ歩いて行くと、町は北西から南東に伸びている事が良く分かる。
ザックリと北と南に区画が分かれていて、俺が入って来たのは北の区画ある北東の門で、観光施設,観光向けの飲食店,観光向けの宿,神殿,生活雑貨店,町の住民達の市場などがメインの区画となって居る。
北東の門って聞くと鬼門じゃん! とか思うが、エルアクシアには関係ないかな?
南の区画は東門あり、武器屋,防具屋,鍛冶屋,魔道具店,冒険者ギルド,冒険者向けの飲食店,歓楽街などはこちらの区画にあるようだ。
南区に来て漸く異世界物でお馴染みの中世ヨーロッパ風の街並みになってきた。
町の至る所に機械式の魔道具が使われているらしく。所々メカメカしい物が見えるけど調和がとれた風景だ。
エルアクシアの世界は現実並み、一部はそれ以上に魔導科学技術が発展している場所が、それなりに存在するため割とメカが有るらしい。
田舎ほどみんなの良く知る、ファンタジー世界の町や村に近くなるようだ。
ちなみに、ブエナの町は観光地な所為か、それなりに魔導科学技術が導入されて居る様だ。門を抜けた時に見た結界の中継点とかな。
そう考えると北区のあの光景の方が、自然を意識した綺麗な街並みだったんだなと分かる。
そうこうしてると、エナが南区の建物でもかなり大きな建物前で止まった。
具体的には、此処まで見て来たブエナの町の建造物の中で三番目位の大きさの建物。おそらく、これが冒険者ギルドかな?
「ここが、この町の冒険者ギルドじゃ!」
またもやのじゃロリ美幼女のエナが「もっとわしを褒めて、なでなでしてもいいんじゃよ?」とアピールしてくるので俺は「しょうがないなぁ」と言いつつエナの頭を撫でるのだった。
クッ、この幼女恐ろしいまでの撫でオーラ出しやがって手が止まらないぜ!
なんて、あざといんだ!
「ここが冒険者ギルドなのね。ちょっとだけ楽しみ」
そう冒険者ギルドと言えば、異世界物あるあるで色んなテンプレ展開が有るとされる。あの! 冒険者ギルドである。
しかも、プレイヤー俺しかいないだろうし。こんな美少女が、現地民しかいない冒険者ギルドに現れたらテンプレ展開の一つや二つ起こるのでは?
あ、でも観光地の冒険者ギルド出しそれは無いか。
「ふむ。わしは用が有るのでもう行くのじゃ、また会おうなのじゃ!」
「またねー!」
エナにバイバイと手を振り別れた後、いよいよ冒険者ギルドの中に入る。
しかし、エナは凄く撫で心地のいい頭をしていたなぁ。
というかエルナが勝手になでなでしてたな。エルナは幼女好きなのだろうか?
なんか風評被害だと、エルナの意識が訴えてるような気がするが。
気の所為としておこう。
んじゃ、ギルドに入りますかね。
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