10 ステータスチェック忘れてた
朝日の光がエルナを照らす。さぞ、幻想的で美しい光景だろう。ギャルゲとかならきっとイベントスチルになったに違いない。後で動画をチェックしよう。はい、そんな訳で俺です。
サービスが始まって現実では1日も経っていないが。ゲーム内では三日目の朝だ。
なので、今日はエルナの直観で在ると判断された、南西にある湖の畔にある町に空を飛んで行こうと思うのだ。
早速、種族特性である【極光の虹翼】を発動する。以前とは違い、パッと美しい光が舞い背中に翼が現れる。前回は力を入れ過ぎたのだろう。
「今日は、空を飛ぶのに良い天気ね」
直観と翼を強く意識して俺は今まさに飛び立つ、Icanfly! ってやつだ。 ふっと体が浮き上がる。
おお! 浮いてるぞ! 良し、行ける!
そのまま翼を動かし上昇する事を意識すると。
自分の思ったように翼が動き羽ばたいて行く。ある程度羽ばたくと、翼から出る光の粒子が方向性をもって放出される。
きっとエルナが空を飛ぶ姿は、二つの尾を持つ彗星の様に見えるだろう。
空から見る景色はとても広くて、何処までも広がっている様に見えた。
そして、エルナの直観が教えてくれた南西の方角には確かに湖があった。
畔にある町はエルナの直観が教えてくれた物より、随分と大きな町になっている様だった。エルナが封じられてた間も、何の問題もなく発展していたようだ。
「ふっふ~ん♪ 空を飛ぶのは気持ち良いなぁ~♪」
それにしても、ホント空を飛ぶのが気持ち良い。
エルナは本当に空を飛ぶのが好きらしく。
ウキウキとした楽しい気持ちが湧いて来る。
明らかに、この気持ちが俺の物じゃないのは明白である。
何せ俺は空を飛ぶのには少なからず不安があるし。
今も墜落したら「やだなぁ」と思う自分がいるからな。
まあ、そんな気持ちも空を飛び続けていると、エルナの気持ちが勝って来るのか。俺も不安を感じる事なく楽しめて来た。
所謂モンスターなどの、エネミーに襲われる事もなく順調に進み。町の近くに丁度いい原っぱが有ったのでそこに降り立つ。
「到着っと♪」
町には、ファンタジーに良くある高い壁などが有る訳ではなく。如何やら、良くない物を退ける結界が張られて居る様だ。
「いよいよ町に入るのかぁ、緊張してきたよ」
そう、なんだか急に緊張してきたのだ。
エルナは久しぶりに人と会い話す事になるからだろう。
ちなみに、俺はエルナにとってはもう一人の自分的なものだから、俺とエルナの意識がやり取りしてる感じのやつは、イマジナリーフレンド的なアレである。
これもエルナに記憶がない弊害だろう。
まあ、記憶が戻ってもあんまり変わらない気もするのだが。
とにかく、エルナにとって本当に久しぶりに人と会うのである。
歩いて町に近づくにつれ、「何か忘れてるなぁ」と思い考えてみると。
そうだ、LV上がったんだっけステータス見てないじゃん。
ステ振りもしないといけないし町に入る前にチェックしとくか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
JOB ???LV 3/????LV 0
BALV 4
COND ?????? ??????
HP 10300 38300/38300(28000)
MP 12394 33384/33384(21000)
SP 6354 20354/20354(14000)
STR 525 11125(10600)
VIT 744 12944(12200)
DEF 326 15026(14700)
INT 3562 10462( 6900)
MAG 1102 11902(10800)
RES 375 15275(14900)
DEX 1018 23018(22000)
AGI 621 25721(25100)
LUK 510 15410(14900)
IMA 1200 14500(13300)
AUR 1519 14519(13000)
BP 1906
称号 大いなる力に抗う者
スキル 闘気術34 魔闘術34 連射85 弓術67 星煉78 直観72
アーツ シャワーアロー
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とりあえず、ステータスで変化した所だけを出してみた。
ちょっとこれ、めっちゃステータス上がってない? 他のユニークキャラクターの人もこれくらい上がるのか? それに、BPもこんなに貰えるもんなのかね?
この称号、如何やら様々力に対する抵抗力が上がるという効果が有る物らしい。つまり、只でさえ高い耐性がもっと強化される様だ。
スキルLVが上がったのはあの紅い月に攻撃する時に使った物だろう。新しく覚えたシャワーアローは当然そうなるよな。
さて、BPだがどう振るべきだろう。
これは、どう考えても俺が判断して振るべきではないと思う。
エルナはユニークキャラクターだし、どう成長させるのがベストなのか、今一番知っているのはエルナ自身であろう。
という訳で、再びの直観である。直観を意識するとBPを振れる状態にしろと、訴えて来るのでそうする。
すると【おまかせBP振りAIサポート】機能があり、システム以上にユニークキャラクターを知っている者はいないと教えてくれる。
確かにエルナよりもエルナの成長する先を知っている物と云えば、システムAIが一番知っているとしか言いようがない。
要はBP振りはAIに全部お任せの、自動振りが一番の最善手ようだ。ならAIに任せるか。ほいっと、決定!
¶システムメッセージ
『まさか、いきなり全部お任せとは驚きました。せっかく任せてもらえたので頑張りますね。エルナさん』
おおぅ、いきなりシステムが答えるとは……って割と弄られてきたから、そんなに可笑しくないか。
で、お任せでBPを振って貰ってこうなった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
HP 13000 41000/41000(28000)
MP 17359 38359/38359(21000)
SP 8607 22607/22607(14000)
STR 525 11125(10600)
VIT 744 12944(12200)
DEF 326 15026(14700)
INT 3562 10462( 6900)
MAG 1555 12355(10800)
RES 375 15275(14900)
DEX 1018 23018(22000)
AGI 1077 26177(25100)
LUK 510 15410(14900)
IMA 1200 14500(13300)
AUR 2419 15419(13000)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
どうやら、MAG,AGI,AURにしか振っていないようだ。AURに半分、MAG,AGIにそれぞれ残った分を半分に分けて振っている様である。
このステ振りがエルナにとってこの先も必要なものなのだろう。
それにしても、自動振りならそんなにステータス見なくても良さをそうだな。
おし。んじゃ、今度こそ町に入ろう。
ファンタジー世界のリアルな街を始めて見る事になるな!
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