1 《Imagination fantasy online》を語りキャラクタークリエイトへ

 キャラクターを作ろうと思っていたが、自分がまだどんなフルダイブVRMMOをやるのか、語っていなかったので先に語っておこうと思う。すまんね。


 というわけで、タイトルは《Imagination fantasy online》通称はIFOでジャンルはファンタジーだ。このゲームはG-REC社の技術買った資金力のあるゲーム会社 《FUTURE VISION》が、巨額の費用を投じて作り出したワールドシミュレーターと、G-REC社の技術であるドリームダイブシステムを使って作り上げたゲームだ。

 ちなみに、ドリームダイブシステム通称DDSは例の人が夢を見るメカニズムを解明して作られたフルダイブ技術の事だ。


 さらには、このゲームを作るにあたり新しいフルダイブVRギア《LDバイザー》が作られた、名前のLDはlucid dreamつまりは明晰夢の事だな。

 でだ、従来のヘルメットタイプからバイザータイプになって、軽量かつ従来型より遥かに高性能な物になった。

 もともとVR機器を持ってなかったから、丁度良かったとはいえバイザーを買うための出費がきつかったな。


 IFOではキャラクターメイキングの事を、キャラクタークリエイトと言いその方法が二通りある。

 それぞれのキャラクタークリエイトの方法1つに付き1キャラずつ作れるというもので、アバタークリエイトとイメージクリエイトの2種である。

 今もよくあるMMOのアカウント1つで、複数のキャラが作れるというやつに若干近くなっていて良いと思う。

 まあ、2キャラ作って育てられるかは分らんが。


 でだ、このキャラクタークリエイトでそれぞれ別の方法で作ったキャラは、ゲーム内のプレイヤーとしての立場やあり様が全く違うものになる。


 まず、アバタークリエイトだが、これは従来のMMORPGのようにキャラクターの外見やステータスを自由に決め。そして、スキルも自分で決められる。

 これこそキャラクターメイキングといったものだな。

 この方法で出来たキャラは現地民、所謂NPCの事だが。

 彼らから【異世界からの来訪者】と呼ばれることになる。

 何でも、テラという俺らプレイヤーが居る星の科学技術を使って、現地の物質から生体ボディを作りだし、その体にテラから精神体を送り込み活動する。

 異世界交流と調査を行う者達それが来訪者って事らしい。

 しかも、何度も作り直せる生体ロボットである。

 ちなみに、スタート地点を5ヶ所から選べる。


 次がイメージクリエイトだ。このキャラクタークリエイトは、まさにイメージのみでキャラを作るというものだ。特にどうするとか何の説明もなくFUTURE VISION社のIFO公式HPに、これイメージクリエイトに使ってくれよなって感じでIFO公開設定資料が掲載された。

 それはゲームのサービス開始1ヶ月前で、その設定資料は書籍換算で約1800ページ分もあった。皆も「これを使ってイメージしろって事なのか!」と思ったわけさ、もちろん俺もそう思った。

 そして、実際そうだったんだろう三日前に公式HPから設定資料が消えてたんだから、そりゃネット掲示板やSNSが荒れたね。

 んでだ、サービス開始1日前から始まった、事前キャラクタークリエイトに挑んでいたもの情報によると。

 イメージクリエイトで作ったキャラは【異世界からの転生者】というものになるらしい。現地民であるNPCと同じ仕様で、来訪者たちの世界の記憶を持った文字通りの転生者のようだ。当然スタート地点は選べない。

 ちなみに、事前キャラクタークリエイト勢でイメージクリエイト中に寝落ちしてしまって、自分のキャラがどうなったのか分からないという人達が一定数いるようだ。

 このイメージクリエイトによるキャラクター作成は、1回だけしかできないのにご愁傷様である。


 さて、この二つあるキャラクタークリエイトでアバタークリエイトも悪くはないが、自分の最高を出せるかというと違うと思うわけだ。もしアバタークリエイトをするなら、セカンドキャラで面白くはないが男キャラを作るだろう、男としてもゲーム楽しみたいとは思うしな。

 つまり、アバタークリエイトはしないってことだ。そう、理想の美少女を自分の想像力の及ぶ最高の物を、それを出し尽して作れるのはイメージクリエイトしかないだろう。だから俺も、IFO公開設定資料しっかり読み込んでキャラのイメージを膨らませてきたしな。まあ、設定資料消えるとは思はなかったが、それでも、一発勝負のイメージクリエイトやるしかないだろ。


 さあ、準備はできた。LDバイザーを装着して電源を入れる。事前にIDなどの登録は済ませてあるのですぐにダイブだ。


 ポーンという起動音が鳴りバイザーが起動する、思考入力によりIFOへのダイブを選択すると<Imagination fantasy online dream dive start>の表示と共に、自分の部屋ではないところにいた。


 そこは宇宙空間だった。眼下には青く美しい地球型惑星が太陽の光で輝いていた。きっとこの惑星がIFOの舞台となる世界なのだろう。


「ようこそ、《Imagination fantasy online》の世界へ、現在待機ルームの設定は惑星エルアクシアの衛星軌道上となっています」


 ふむ、女性の綺麗な声が姿も見えないのに聞こえる。所謂ナビという奴だろう。


「君は、待機ルームの使い方を教えてくれるナビでいいのかな?」


「はい、その認識であっています」


「なら自己紹介をしておこう、俺の名前は結城静流だよろしくナビさん」


「はい、よろしくお願いします。結城 静流さん。私はIFO待機ルーム、機能サーポートナビゲーションシステムNAVI-AA098です。ナビとそのままお呼びください」


「分かったナビ、これからよろしくな。でだ早速で悪いが、宇宙空間が待機場所だと落ち着かないから普通の部屋にしてくれ」


「了解しました。結城さん、こちらこそお願いします」


 直ぐに変化が現れた。

 宇宙空間があっという間に美しい日本庭園がのぞける和室に早変わりだ。

 うん、落ち着く、それにしてもナビの対応は自然で普通の人と話してるみたいだ。

 それにしても、いきなり和室と日本庭園とは、和物とか日本の文化が好きなのだろうか? 人の姿があるなら絶対おっとりした黒髪ロングの和服美人だな。

 AIの進歩感じるよなぁ。


「それで、結城さん、待機ルームのご説明は致しますか?」


 待機ルームの説明かぁ~って、そうじゃない! 何を落ち着いてるんだ俺は。

 俺はキャラクタークリエイトをして、そののまま直ぐにログインしてゲームを楽しむつもりなんだから。

 待機ルームの詳しい説明は後にしてもらってキャラクタークリエイトだ。


「ナビ待機ルームの詳しい説明は今度聞こうと思う。それで俺はまだ自分のキャラクターを作ってないからキャラクタークリエイトがしたいんだ」


「はい、存じております。結城さんがこちらに来たの初めてですから。ではキャラクタークリエイトの説明は必要ですか?」


「大丈夫だ。キャラクタークリエイトの方法はイメージクリエイトで頼む」


「了解しました。イメージクリエイトによるキャラクター創造を実行します」


 ナビがそういうと和室の中に洋式の両開きの扉が現れる。


「ではこれから結城さんにはイメージが具現化する特別な部屋に入ってもらいます。イメージクリエイトは一度だけ実行でき、決してやり直しはできません」


 一発勝負だし気合い入れないとな。


「部屋に入るとイメージクリエイトを完了するか。意識を失うまで、部屋の外に出ることはできませんので注意してください」


 ああ、なるほど寝落ちすると強制終了って事か。

 寝落ちした人達のキャラはどうなったんだろうな。

 俺は寝落ちせずにちゃんと最後までやりきって見せる。

 と言っても昼間だし寝落ちする様な時間じゃないけどな。


 扉がゆっくりと開き俺を招き入れる。

 中に俺が入り扉が閉まる直前ナビが「結城さん、良い想像を」と言ったので俺は「もちろん」と答えるとゆっくりと閉まったのだ。

 さあ、美少女作るぞ!

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