第40話 「魔王、東京都心(墨田区役所)に降臨す!」
百動物戦隊ギャオレンジャーと26体のゴッドパワーアニマルはそれぞれ合体し、搭乗して湯水の如く溢れ出るモンスターどもと、ギリギリの闘いをしていたが、
「剛腕両断、イビルクラッシュアワー!」
全長60メートルのギャ王キングソード&シールドが叫び、持っていた剣がギュンと伸びる。
ギャオエレファントの鼻が変形したその
魔王軍が進軍して来た西側から『
ただ、
しかし押し寄せてくるモンスターの波に対して、それを気にしている余裕は無い。
無双を誇っていたギャ王キングだったが、もうすぐエネルギーが切れそうだ。
そんな時に限って20メートル級のモンスターが6体強襲してきて、キングを囲んで一斉に攻撃を始める。
【海精 ネーレーイス】と【水精 ナーイアス】のコンビが水の魔法『タイダルウェイブ』をぶつける。
キングの足下に大量の水が津波となって押し寄せ、足下の地面を一気に削っていく。
タイダルウエィブの威力はすさまじく、ギャ王キングの左足を地面ごと押し流し、巨大質量がグラリと左に傾いた。
足に取り付いていたリザードマン、ケット・シー、レプラコーン、グレムリンなども足一緒に押し流されていったが、ご愛敬だ。
元々隅田川沿いにある水分を多く含んでいる土地のため、その崩れるスピードは雪崩式に加速してゆく。
バランスを崩したキングはそのまま左に横倒しになり、
それを合図にゴブリンやグレムリンが横倒しになったギャ王キングに駆け上ってきて、細かい部品を壊し始めた。
大型モンスターであるラミア、イフリート、エンプーサも一斉に飛びかかり、武器で、魔法で集中攻撃を掛ける。
ラミアの氷魔法で地面に
サイクロプスがのし掛かり、フロストジャイアントの重い棍棒の一撃がキングの外装を凹ませる。
ついさっきまで無双を誇っていたギャ王キングだが、形勢は一瞬で逆転してしまった。
倒れたキングの上に何十体もの大小さまざまなモンスターが乗り、好き放題になっている。
全力を出して
仰向けに地面に張り付けられている様は、さながら『ガリヴァー旅行記』の小人に張り付けられているガリヴァーそのものだ。
棍棒を持ったジャイアント系はここぞとばかりにギャ王キングを叩きまくった。
その時、『黒い太陽』の力で真っ暗くなっていた空が一直線の光が走った。
覇道砲のヒカリだ。
ヒカリは一直線に暗闇を切り裂き、東京の空に昼が戻ってきた。
同時に大気が猛烈なエネルギーで摩擦されて雷が乱発し、そこかしこに無差別に落雷している。
その雷の光に炙り出されて、少し遠くの上空で幾数体のドラゴンが墜落しているのが見える。
突然明るくなったので、モンスターたちは一瞬
そこをすかさずギャ王キングは、体に乗っているモンスターを振り払って立ち上がった。
しかしギャ王キングはすでに合体を維持する力を失くしていて、ギャオライオン・ギャオイーグル・ギャオシャーク・ギャオバイソン・ギャオタイガー・ギャオエレファントに分離してしまった。
満身創痍のゴッドパワーアニマルたちは体勢を立て直すべく、いったん退却を余儀なくされたのだった。
「フォロワーのみんな見て! 暗かった空が晴れ上がったわ! 稲光がめっちゃ怖いんだけど! どうやら宇宙戦艦トマトがやってくれたみたいじゃん。 明るくなって改めて見ると、ここ東京ソラツリー周辺はもう焼け野原じゃん! 見える? この状況。ってか配信出来てんのコレ?」
ようやく安定して飛べるようになった流星号が、A子・B子・ミヤノとカメラマンの4人を乗せてギャ王イカロスと忍刀戦隊ニントウジャーを撃退した現場から、全力で逃げてきた途中で空が晴れたのだ。
A子の言う通り、東京は大地震の影響で地面がところどころ大きく裂けており、首都高は倒れ、大半のビルが怪獣にやられたのか地震で壊れたのか判らないくらい崩れ落ちていて、そこいら中から火の手が上がっている。
モンスターの大軍団は倒しても倒しても切りが無く、大小様々な怪物たちが東京の都心を埋め尽くしている。
そしてついに、魔王ゴウラが飛来した。
ZZZDOOOOOOMMMMM!!!!
遙か高空から一気に降りてきた身長30メートルの魔王ゴウラは、その脚で【墨田区役所】を踏み潰しながら着陸した。
市役所周辺の大地は凹み、大地震で地盤が弱くなっていた市役所周辺の大地は隅田川の護岸方面に亀裂を入らせ、余波で首都高速6号向島線の陸橋が崩れ落ちた。
普段はマントで隠してある4枚の羽は大きく広げられ、表情は憤怒の顔でとても怖い顔だ。
だが、人間からしてみると30メートル上空なので、その表情は伺えない。
魔王の両腕の中には身長17メートルの魔術軍団 軍団長マスターリッチナンシーがお姫様抱っこされていて、リビングデッドなのに恋する乙女のナンシ-はうっとりと至福の時を過ごしている。
ゴウラは紳士的にナンシーをそっとその場に下ろす。
だが顔は怖い。
新たな強敵の出現に【超伝導ロボ・コンウォーリアー
「グワアアアアアオオオオオオンン!」
『低俗な地上の生物どもよ、我と我の神の前にひれ伏すが良い』
魔王は一声叫び、「破っっっっ!!!」
ゴウラの全身から金色の闘気が吹き上がり、その闘気によって黒い髪の毛がブワっと逆立ち、金色のツンツン頭に成っている。
「うわぁぁぁぁ、空からまたすっごい怖そうなモンスターが飛んできたじゃん! 迎え撃つのはコンウォーリアー
上空を旋回しながら魔王周辺を空撮しているA子が実況を挟む。
「でさぁ、ミヤノっち、今の状況どう見るよ?」
A子がミヤノにカメラを向ける。
「ちょっとA子! 車内は狭いんだからカメラこっちに向けないでよ!」
B子に文句言われたのでまたカメラを外に向ける。
「でも今来たヤツ、羽が4枚有って金色に光ってるし、他のモンスターとは一線を画す何かを感じるんだけど? それに女連れってのも気になるなぁ」
「そうじゃん、お姫様抱っこで登場したじゃんアイツ。何か、敵ながらヤルよね!」
「A子、コンウォーリアー
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
〈あとがき〉
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。
お久しぶりの【じょえ】ッス。
この「魔王軍vs〜」、何ヶ月か止まっては動き出すというw
ちょっと充電が切れておりました。
でも『マジンガーZ INFINITY』観たから大丈夫!
がんゔぁれる!!
気がする。
最後になりましたが、いつも応援してくださる方、さらに重ねて御礼申し上げあげます。
誠にありがとうございます。
感謝しております。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
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