終焉と後悔の駆け足
その日は唐突に現れた。母が心中を図ったのだ。母の手に光る一般料理包丁が私に目掛けなんの予兆もなく襲い掛かってきた。
間一髪でそれをよけると二の手三の手と突くように暴れた、私もパニックでなにも考えられない頭で生物としての備わった
本能で的確な手を打っていた。その作戦は大成功に終わった。母の包丁は母の胸を突き刺していた。
その後の正確な記憶は残っていないがトントン拍子に事が進んだ。父が片親となったが私が高校生だった事もありもう十分に成熟しきっていたとされたのか
よく言って放任主義わるくいってネグレクトのような環境になっていき、件の事件からというもの自分にしか見えないものが見えるようになってしまい。「お前のせいだ」「お前は決して許されない」などど聞こえるようになり
寝つきが極端に悪くなり二日に一回程度しか寝れなくなり。そうなるとやはり日常にも影響が出るもので人が変わったようになり誰も近づきたくならないようになり。このとき彼女は私を忘れ違う殿方を捕まえていたようでわたしはその男が彼女にふさわしいか見極めるようになり私は高校を卒業したら家を追い出され彼女を守るのにじゃまな足枷が消えたと思いそのまま浮浪者となり。
そして例の男を試すため裏の町から仕入れた薬にハメ彼はどっぷりと浸かり廃人となりその姿を見かねた私が救済をもたらした。彼女の眼には不審死と映っているようで
まだ立ち直っていなかった。そうなれば心配でならなくこうして見守ってやらねば。
封印していた記憶が戻り頭がすっきりとしてきたこうなれば迷うことはそう無い。
目前の警官をむかしの母にみたて死角からの拳を顎にくれてやりその警官の腰にぶら下がったニューナンブの拳銃をおもむろに
固くしっかりとした引き金に指を通し引いていた。
……
いまなら手が届いたかもしれないそうやってまた機を逃していることに気づくことなく。
後悔恋にあらず 口惜しや @kaa11081
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