第6話 株式会社異世界。業務内容告知 episode3 いたいけない幼女に襲われる? そして俺は犯罪者となる

政孝まさたか君。幸せだよ……」

女の体は何故にこんなにもやわらかいのか。吸いつくようなこの肌触りと温かみを持ったこの滑る様な皮膚の感触。


触れ合う体は高揚感に包まれる。

そして、この二つの柔らかなふくらみに包まれることで安らぎを感じる。


ああ、温かい。


とてつもなく久しく。忘れかけていたこの肌の触れ合いがとても愛おしい。


「だ、だめじゃ、いきなりそんなところをつまんでは……」

ああ、この柔らかな感触がたまらねぇ。


「おぬし、力加減と言うものを……そ、そんなに強くされては……」

女の体がよじれるのを抑え込むのはお得意だ。


「あっ! だ、だめじゃ。それ以上は……わ、わらわの理性が……吹っ飛ぶ!!」

な、なんてリアリアルなんだ。

愛華あいか。お前の体、どうしたんだ! こんなにも反応しやすかったか。

――――ああ、リアルだ! でも、これは夢だろう。

愛華が俺のところに戻ってきたという夢だろう。――――あまりにもリアルすぎる夢だ。


これも今日のあの夕食のせいか?

恐る恐る口にいれたが最後。マジ旨い……あれがあの○○(ここには大蛇と言う文字が入るがあえて消し去っている)だなんて。

やべぇ、葵の料理はなんであんなにうめぇんだ。俺はあいつの料理に惚れてしまった。

おかげで変な勢力がつきすぎた。


そんなわけで俺は今こんなエッチな夢を見ているんだろう。それも超リアルな。最も相当溜まっているのは否定できない。


――――超……リアル? にしてもこの感触は? はて?


恐る恐る目を開けると。大きく見開いた、透き通るように美しく輝くエメラルドグリーンの瞳が……なまめかしく俺を見つめていた。

目に映るその顔は、どことなく……いやいや、おいおい……茉奈か?

一瞬茉奈が忍び込んで来たのかと思ったが、それはすぐに否定された。

ぽよんと弾力があり思いのほかハリのあるこれはおっぱい。その一物を俺の胸に押し付け、しかと俺の体に抱き着いている。


茉奈……にはこのような感触を求めることは……ない、だろう。平坦な荒野台地の胸であることは事実であることだからだ。


その少女はしっかりと俺に抱き着きながら。

「どうしたのじゃ。目が覚めたら、もう終わりなのか? わらわをこんなにしておいて、ちゃんと最後まで満足させてはくれないのか?」

……ちょっと待て。ようやく、俺と彼女? いやこの幼子と真っ裸で抱き合っていることに気が付く。


しかもその子の体はじっとり湿り気を帯び、すでに女としての準備ができている。その詳細はもう口に出すことは出来ねぇ。……は・ん・ざ・いに関わる。

ようやく我に返った俺は「な、なんだお前は!」と声を上げた。


「なんだとは、なんじゃ。ただ寝込んでいるおぬしに夜這いをかけたくらいで、そんなにうろたえるでない! おぬしも男ならば、この体に最高の快楽を植え付け、わらわを満足させるほどの器量があってもよいのだが、何か? おぬしはその、男としての度胸もないというのか?」


「待て、待て……いやいや、そう言うことじゃなくて」……幼女にそんなことしたら犯罪じゃねぇか。茉奈でもこんなことしたら一発犯罪者になっちまうていうのに、ギリ……葵は――――ぞくっと背筋が凍る感じがした。葵は真っ先に刺すんじゃね。間違いなく。


あの後、パンツの件で、俺はまた葵のナイフの先端でつんつんといじられた。


「なぁにぃ? こんな朝早くから、大声出しちゃってどうしたのよ八神君」

アリン社長が寝ぼけ眼でドアを開ける。この人は人の部屋に入るときにノックをするということをしない。

この人にプライバシーの保護を求めること自体間違いである。


それにだ、最もここで俺がプライバシーなるものを要求すること自体無意味。

社長はこの通り、茉奈はあの通り……葵は? 大きな壁を感じる。

と、そんなことより社長は大きな誤解をしているのかもしれない。


「あら、お取込み中だったのかしら――――八神くぅん」

「いや、これはその」


ベッドに横たわり毛布をかぶり、とその幼児体形のシルエットははっきりとわかるように。わざとだな。

「あれぇ――、もしかして茉奈ちゃんなの? て、言うことはついに茉奈ちゃんを女にしたのね」

もそもそとその言葉に反応するかのように毛布が動く。此奴め!


「なぁにぃ―、どうしたのぉ?」

「あら茉奈ちゃん?」


「ん? 何かしたの八神のお兄さん」

「いやなんでもねぇぞ……」


「まったく朝早くからうるさいわね。どうしたのよ」


葵までも起きてきた。まだ寝ぼけているんだろう、レースのネグリジェ。あの豊満なバストを支えるかのようなブラと、昨日俺が取り込んだ中にあったパンツが透けて見える。

エリン社長は意外と地味なパジャマだったから別に何とも思わねぇけど、葵のこの姿にはいけない反応が素直に連動してしまっていた。


「ほぉ―、おぬしは葵が好みのようじゃな」

その声に葵がはっと、身を構える。


「あ、あんたねぇ! 居候の身で、お、女連れ込んで何してたの!! それに、その、その裸……でなんでいるのよ」


「ええっと、茉奈ちゃんがここにいるって言うことは?」

「茉奈はここにいるけど? ああ、八神のお兄さん茉奈と言う恋人がいながら浮気してるぅ!!」

おい! 茉奈。俺はお前の恋人じゃねぇぞ。


「フムフム、茉奈にはえらく好かれているじゃのぉ。で、エリンには全く反応なし。おぬしも隅におけない性癖じゃのぉ。気に入ったぞい」


「ええっともしかして」

エリン社長の表情がさぁーと青ざめる。


「何を脅えとるのじゃ。久々にわらわが直々にお前らに会いに来てやったと言うのに」

がバッと毛布をはぎとり、ベッドの上で立膝になり両手を腰に当て「えっへん」と豊満な胸をプルンと揺らしその姿を現した……が、その姿は素っ裸だ。


俺とこのいたいけない、胸だけは発達しているアンバランスな幼女が素っ裸でいる状態。

誰が見たって、――――これはマジやばいでしょ。


「八神ぃ!! てめぇ―て奴は!!!」どこに忍ばせていたのか分からねぇけど、俺めがけてナイフが飛んできた。

”びぃーん” 間一髪俺の顔すれすれをすり抜け、壁に刺さるナイフ。

アブねぇ――――! 「あ、葵さん。これは事故だ。と言うより、襲われたのは俺の方で」

「ぬははは。いい訳無用! はぁ、はぁ」ああ、もう怒りで我を失っているぞ。やべぇな。


「はぁ―、もう二人とも何か着て頂戴……お願い」

半ば呆れながらエリン社長は言う。そしてまだベッドの上でふんぞり返っている幼女に「あのぉ、来られるのなら事前御連絡いただければ、こちらからお迎えに参りましたのに、どうなされたのですか? こんなお忍びはよくありませんわよ王女」


女王?


はて、王女と聞こえたが、聞き間違いだったのか? こんな幼女が王女なのか? それも幼児淫乱と来ている。


「うむうむ、いいのじゃ」

いそいそと脱ぎ散らかした服を着ながら幼女? いやいや王女は言う。


「それにしても大きく育ったものじゃな政孝よ。ぬしも一応は立派な男として育ったようじゃな」

「んっ?」

「何をそんな顔をしておるのじゃ。そうか、忘れてしまったのか、わらわの事を。あの時、互いに愛を誓い合った仲じゃと言うのに」


は? いったい何のことだ。


「八神ぃ――!! お前はほんとにどうしよもない奴だ! この私が今ここでその命、絶命させてあげるわ!!」


「ちょ、ちょっと待て葵……。俺は何のことなんだかまったく分けわかねぇんだけど」

「はてはて、もうかれこれ二十六年くらい前の話じゃからのぅ」


に、二十六年前……。


俺が五歳のころ――――?

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